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日々を助けてくれる夜

 夜が助けてくれる日がある。今日の名古屋は柔軟剤と雨上がりのアスファルトが混じった初夏の匂い。サラリーマンをやっていると、交通事故的理不尽に遭う事もあり、何もできない事もある。本当にサラリーマンやってる。自分、えらい。まじで。

 深夜0時を過ぎると、街行く車はほぼタクシーになる。都会と田舎の狭間をゆく名古屋も、夜はそういうところが都会的とでも言うのだろうか。しかし爆音で走るバイクも多く、やっぱ田舎だなと思う事もしばしばである。

 サラリーマン的日常を繰り広げ、何もかもが嫌になった時は深夜ベランダに出ると良い。消えかけた街灯。夜の匂い。カーテンのない部屋から煌々と漏れる地上14階の明かり。部屋の中は何もなく人の気配もない。明かりだけが元からそこにあったように佇んでいる。夜の街を歩く人は少なく、足早に去っていく影はどこへ向かうとも知れず暗闇の路地へ消えていく。そんな景色を俯瞰して、自分の闇も消していく。夜と同化しているのかもしれない。今ふと思った。



 

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