見出し画像

自己啓発セミナー『ランドマークエデュケーション』に行ってみた

コロナ禍以前の話になりますが、上司に誘われてランドマークの自己啓発セミナーに行ってみました。ランドマークとは、アメリカに本社を置く自己啓発プログラムの会社だそう。私が勧められたのは3日間缶詰め状態になり、参加者で自己を啓発しまくるという16万のコース。怪しい。ですが尊敬する上司からの誘いだったので、Invitationのみ参加してみることにしました。

◇  

①招待者1人につき1人の担当がつく

まずめちゃくちゃ人が多い。私が参加した時は他のコース参加者もおり、会場には約200人強が密集していました。しかも、全員めちゃくちゃ明るい。上司が会場に入るや否や、色んな人からの挨拶。「久しぶり!」「よろしくね!」「今日新しい人いるんだね!」「頑張ろうね!」

.........怖。根暗ランキング上位の私には荷が重い。盛大におびえながら会場入りし、上司とはまた別の先輩参加者のような方と3人1組で席につきました。  

②先輩からのスピーチがすごい

もうすでに受講している先輩?コーチ?のような方2名からのスピーチが30分程行われました。1人はいかに未熟だった自分がエリート保険営業マンになれたか。もう1人は毎回長続きしない恋愛ばかりだった自分がどうやって結婚できたか。

もうすごい。怒涛の勢いでまくしたててきます。しかも2人とも明るくて爽やかで嫌味がないのが余計怖い。圧倒された私は口を開けたまま呆然とするのみでした。   

③怒涛の勧誘

スピーチの後は担当者から、こちらも怒涛の勢いで自身の変身エピソードを語られ、勧誘が始まります。「本当の自分ってこんなにも可能性があったんだな」「若い時の16万はハードルが高いけど、今の自分ならもっと早くやっておけば良かったって思う」等々。

上司は黙っていましたが、無言の圧力というものを初めて生で感じました。おそらくノルマというか、招待者を勧誘できたら何か良いことがあるんでしょう。私も無言で応戦しました。

結論:合う人には合うと思う

なんて曖昧な結論でしょうか。結局私は受講しませんでした。なぜなら、16万もあれば一杯400円のコーヒーが400杯飲めるから。こんな考えに行き着く程度の私では、見込み無しだなとでも思われたのか、この発言後すぐ帰れました。

そして何より、この担当者からの「あなたのような暗い人も3日後にはめちゃくちゃ明るくなって挨拶してくれた事もあるんだよ!」との言葉。悪気がないのが余計辛い。暗いって...分かってるよそんな事...ひどく傷ついた私はまたも呆然として帰路に着くのでした。

上司から簡単に3日間のセミナー内容を聞いたところ、親に愛してると電話で伝えたり、人に言ってこなかった悩みを打ち明けたり、大声で叫んだりするそうです。(今も同じかは分かりませんが)

自分の持つ意識的・無意識的な負の感情を改めて外に出し、真正面から向き合い、かつ実行に移すという、トラウマを受け入れる過程を3日間という猛スピードでやり抜く。そんな印象を受けました。



大金をつぎ込むと、それ相応の対価を得ようとするものなので、未知の環境に身を置き、真剣に自分と向き合う時間を作りたい人には向いているのではないでしょうか。

かなり個人的な所見ですので、当時と今とでもだいぶ内容が変わっているかもしれませんが、何かの参考になれば幸いです。



加筆(2022年)


くだんの上司と再会したため、その後、自己啓発の調子はどうか訊いてみました。結論、2年にわたり自己を啓発しまくり、100万以上費やして卒業したそうです。すご……。

たしかに当時、はたから見ていてもトレーニングは過酷を極めていました。管理職でも定時に上がり、18時から22時まで啓発しまくる日々。それが週半分、土日も含めて2年も続くとはかなりすごい。タイムマネジメント力と継続力は、かなり向上したのではないでしょうか。(上から目線ですみません)

啓発が進むと、ランク?地位?が上がるらしく、「次はコーチ昇格試験があるんだ」と言っていたこともありました。その際に必要な教材?があるらしく、それに費用がかかるのだとか。それで100万以上はすごい……。コーチ昇格後は、後輩たちの指導も担うそうで、休日返上で頑張っていたみたいです。しかも、これ、すべて無償。コーチは全員ボランティアだそうです。

自己を啓発しまくった上司は卒業後、燃え尽き症候群に陥り、退勤後や休日は暇を持て余すようになってしまったと、悲しそうにつぶやいていました。

~完~


この記事が参加している募集

#やってみた

37,413件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?