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車椅子ユーザーの嫁会レポート

こんにちは。車椅子ユーザーが臆することなくパパやママになれる社会を目指して活動しているウィルチェアファミリーです。

今日は試験的に何名かの方にお声掛けさせていただき、オンラインにて車椅子ユーザーの嫁会を開催いたしました。1時間半ほどの短い時間ではありましたが少人数で、パートナー(今回は妻たちでした)ならではの濃い話が出てきました。

参加者の方の了解を得て、まとめさせていただきましたので是非ご覧ください。

  参加者:4名  場所:ZOOM  時間:AM10時半~12時


雪国車椅子ユーザーの通院問題と除雪問題

夫が通院するにも駐車場の雪状況によっては動けないこともある。どうにもならない時には福祉タクシーを利用するが補助を使っても往復3000円近く掛かってしまい福祉タクシーばかりにも頼っていられない。

自宅の除雪もなかなか難しい問題で、育休が明けたら雪かきして仕事に行って夫が帰宅するまでに戻って雪かきして…と考えると難しいなと感じる。

公的な除雪サービスもあるが使いたい時間に対応していないなどの問題もあって、若い働いている障害者は想定されていないなと感じ、結局自分が頑張るしかない!!になる。

子どもを見ながら雪かきというのも大変で、育児で体に負担が掛かっているのにそのうえ除雪も1人で…となると途方に暮れてしまう時もある。


災害対策

皆さん災害対策はどうしてるの?と疑問。揃えていくと1つ1つが高いし、家族分用意するとなると難しい。賞味期限やスペースの問題もあるから、みんなどのくらいしているの?

新型コロナで色々買ってみたけど、結局賞味期限切れ。

非常用トイレを購入してある。トイレが1つしかなくて夫が使っていて自分が間に合わない時にも使えるかも。


体や薬の話

みんなのパートナーはどんな薬を飲んでるの?管理は自分でしてるの?薬との付き合い方は難しい。手が使えなくても自分で薬を取り出して飲んでいる。


歯の健康を守るには?

夫は握力がなくなんでも歯で開けるので心配している。ペットボトルも歯で開ける。何かいい道具があれば知りたい。将来歯が悪くなってしまって入れ歯になったらどうするの?私が入れ歯を入れてあげるの?洗うのも私なのかな?と今から心配。

電動ペットボトルオープナーはどうなのか?3000円ほどであるが取れたボトルキャップをつまめないかも?それで歯が守れるなら安いが、気軽に持ち歩けるサイズでもない。


子どものお尻を拭く時は?

車椅子ユーザーは子どものお尻はどうやって拭いている?

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住まいの話

夫が施設を退所する話が出始めたが戻ってくる住まいがない。いくつか内覧に行ってみたがトイレがネックになっている。みんなのお宅のトイレはどんな感じ?

トイレを通過してお風呂と寝室に行けるようにしてある。

新築は色々と間取りを工夫できるが新築には補助が一切ない。リフォームで住みよくするにはお金がかかりすぎる。

夫はトイレに長く時間がかかるのでトイレが1つだと子どもが大きくなった時にトイレ争奪戦が起こりそう。既に自分が我慢できないこともよくある。

公営住宅も福祉住宅自体が少ない。1つの募集に対し17の応募など、激しい争奪戦。

キッチンも車椅子専用はバリエーションが少ない。

オーダーメイドも生活していくと不便さが出てくるなと感じる。

使いやすさもすべてを車椅子のパートナーに合わせてしまうと自分の使い勝手が悪く、腰を痛めたり不便を感じる。私が年を取って、ここを上るの?これを使えるの?と思うこともある。バリアフリーじゃなくてもレベルによってはできることもあるが。それはそれで今度は相手が腰を痛めるなどの問題も出てくるので、どちらにも住みよい・丁度よいの落としどころをどう見つけていくかが難しい。共存は難しいなと本当に感じる。

ユニバーサルデザインでカバーしきれない不便さもあるなと感じる。


車椅子のパートナーとの育児について

「どうやったら夫ができるのか?」とばかり思っていたし、夫も自分でやりたい、育児に関わりたいという思いがあったが、もう日々の育児の中ではできる方ができることをしていこうというスタイルでやらざるを得ないんだなと思うようになった。求めることでお互いしんどくなる。その分、できることでカバーしてくれればそれでいいんだなと思う。

園や託児所の送り迎えは、チャイルドシートに乗せれないことがネックになって難しい。送り迎えハードルは高い。手を貸してくれるサービスはたいてい時間外で、結局誰にも頼る術がない。自分が何とかするしかない。

障害のない、又は体が動く方の親がめちゃくちゃがんばらないといけない社会の仕組みが歯がゆい。つらい。制度はあるのに使えない。

行政には想定してない、経験がないと言われる。役所に問い合わせても返答待ちで有耶無耶になっていって時間だけが過ぎていく。諦めざるを得ない。

先々を考えると、やっていけるの?と思うがやっていくしかないんだな。自分が倒れたらどうするの?入院したら?寝込んだら?と思うとプレッシャーが凄い。寝込むこともできない。


2人目不妊治療のタイミング

2人目を考えるには上の子がパパと2人で過ごせることが必須だが、それを待っていると自分の年齢も上がってしまう。採卵や産み育てる年齢のことを考えると急ぎたいけれど、私が入院したら?つわりになったら?子どものお風呂は?雪かきは?となってしまって、どうしよう…と思い、踏み切れなくなる。

必ず子どもができるなら頑張れるけど、必ずではないから悩みが尽きない。

夫は能天気で、「そうなったら俺がやるよー」というが、どうやってお風呂に入れる気なんだろう?と思うと素直に頷けない。

上と年を離すしかないが、やっと子どもの手が離れたと思った途端にまた手のかかる赤ちゃんがやってくると考えると…。仕事との兼ね合いも考えてしまう。

私1人で不妊治療も出産も育児も家事も仕事もできない。家族だけで完結させようとすると無理。とにかく手がない。


パパが車椅子かママが車椅子かでどうしてこんなに違うの?

ママが車椅子のご家庭を見ると、子どもを産む前から一生懸命育てようと工夫している姿が見られる。パパだとどうしてこうも違うの?うちだけなの?と思う。自分のことで一杯一杯か、自分のことさえ妻に任せようとしてくるのは何でだろう。

育児を自分事と捉えられるか否かは車椅子関係ない気がする。世の中の多くの一般家庭が抱える問題は例外なく車椅子ユーザーの家庭にもあって、そこに障害ならではの問題が上乗せされるとより困難さが増すように感じる。

どこのご家庭を見てもそういう話が多いので車椅子云々より、性差なのかな?安心して子どもを任せられるようになればいいな。


まとめ

なかなか周囲には似たような環境の人がいない車椅子ユーザーのパートナー、思わぬところで共感し合え、笑いあえる時間となりました。

今後もウィルチェアファミリーではオンラインで車椅子ママ同士や車椅子ユーザーのパートナー同士でなど、テーマを分けながら少人数でお話しできる機会を作っていこうと思いますので、皆さま是非ご参加ください。

本日ご参加くださった方々ありがとうございました。

あなたも是非、話してみませんか?



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