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【脊髄損傷男性のセクシュアリティ】第1回 性の座談会-性機能の不安と悩み-


開催日 1月29日(月)13:00~14:00
参加者3名

当日の様子

脊髄損傷男性ならではの性の悩みについて、zoomで話し合いました。

脊髄を損傷し、先を考えるには情報も少なく、
身体的にも生活の基盤にも不安が残る中、性や生殖まで意識が向かないのは
当然のことですが
知る機会や話し合う機会のないまま、
漠然とした不安をお持ちの方も多いのではないでしょうか?

今回の座談会では、こんな様子でした。


こんな話をしました!

受傷した頃、誰に相談していいかわからなかった。
ドクターにこの話をしていいのか、変なやつだと思われないかと悩んだ時期があった。

そもそも、何科のドクターに言えばいいのかさえ分からなくて、
友人に相談しても、友人からは「○○らしいよ」という情報しか回ってこないから
間違っていたり、怪しいものもあった。

男の思考回路としては「射精=快楽」の話になりがちで
真面目には話せない。

男同士は性の話は茶化してしまう。

性から妊娠出産までを一体的に地続きで考えるのは難しいし、
分かってはいるけど、都度問題解決していけば何とかなるでしょうと
思っている節がある。

受傷してすぐに精子を取ったほうがいいとわかっていても、
障害を持って結婚できるのか?子どもは作っていいのか?
大変な思いをしてまで…と考えると現実感が持てない。

いざ不妊治療を開始しようとなっても、病院がめっちゃくちゃ混んでいて、
TESEをするだけで半年以上かかってしまった。
そこから不妊治療開始までまた更に時間がかかり、
こんなに時間がかかるとは思わなかった。

急所にメスを入れるということは、男にとってとてもこわいこと。
受傷から時間も経っていたため、
精子がなかったら…と考えると、怖かった。

不妊治療しか方法がない。
それも顕微授精しか方法がないというのがわかっていたから
それが普通という感覚ではあったが、
パートナーに、障害を共に受け入れてもらい負わせているという自覚を持つのは
難しいことだったのかもしれない。

女性側の意識としては、生殖は「夫に自分ごととして捉えて欲しい。一緒に考えて行って欲しい。」と言う意見をよく聞くが、
男女のロジックは違っていて、
全ての男性がそうではないだろうけれど、
「子育てをする上でも不妊治療をする上でも、女性に負担をかけがちなのに、
自分からは言い出しにくいし、負担をかける負い目がある。障害がある人の子育て事例も目にする機会が乏しく、社会から認められないんじゃないかと言う不安も大きく、現実味がない。」

脊髄損傷は中途障害でなる人がほとんどだから、
障害を負う前に作り上げられてきた障害に対する偏見が
自分の選択に関与してしまう部分も大きいのではないか?

子どもを持ちたい気持ちはあるが、彼女を作るにはどうしたらいいのか
難しいなと思っている。


参加者の声

男性(当事者)と女性(パートナー)のそれぞれの気持ちが聞けて良かったです。
似たような境遇の方の話しを聞くことで、自分一人が抱えている問題ではないと安心もできたし、心強く感じました。

脊髄損傷者の男性不妊は個人差もあるし、当事者同士でもセンシティブな話題なのでなかなか知り合いとも話し難いと思います。
また、自身の本音をパートナーに直接伝えるのも難しい問題だと感じていました。

このような場でフラットにもやもやを打ち明けたり、共感したり受け止めたりすることで、自分の中で気持ちの整理が付いたり良いヒントをもらえるのでまた参加したいと思いました。

(Sさん)



ご参加くださった皆様、ありがとうございました。
今回ご参加を迷われた方、時間が合わずにご参加いただけなかった方、
是非次回ご参加お待ちしております。

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