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「=25」

壮観だったと言い切る
ことはないけど
今いるこの場所も悪くはないな、って
季節外れの青春が
過ぎ去った後には
何処へ行くんだろう
何色に染めるのだろう

否定ばかりで自分を保った
黒く濁る途なら過去へ
もう消えないや、痛いな、
刺さる断片が全てだと信じ切ったあの頃を
それでも許したいんだ

何か届けたくて
届けたくても 保険をかけている
何か届けたくて
人生はまだ歩み始め など宣って
「何が何でも」が欠けているのに
洗練された美しさを
僕は書けない
僕は描けない


灰色が浮かんでは消える
この空が綺麗に見えたのは
いつまでだったろう
夏の冷たいコンクリートに
感情を重ねて気持ちが凪いだのは
いつまでだったのだろう

音のない世界、光のない世界でも
誰一人、置いて行かない曲を

僕は届けたくて
届けたくて、今を生きている
そう、届けたくて
暗闇の中 歩くことが癖になって
僕が凪いた言葉、鮮明な画に
溢れんばかりの美しさを
僕は書きたい
僕は描きたい

さよならかな
続けることって簡単じゃないなって
いっそのこと
縛ってくれって、留めてくれって
そう言ったんだ

届けたくて、届けたくて、
今日を生きている
僕が泣いたことは、
人生がまだ、何かで満ちている証拠だね
君に届けるための 終点の距離
先が見えぬこの先でも
僕は行きたい
僕は生きたい

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