外資系コンサルの知的生産術

知的生産においては「顧客が既に持っている知識との差別化」が一番大きな問題となる

顧客を明確化する=直接の発注者が「真の顧客」であるとは限らない。
顧客ターゲットをあいまいにしたまま、知的生産のプロセスに突入してしまうと「目標設定ができない」という問題が発生する。

使える時間を抑える=なる早は指示として最も避けなくてはいけない

顧客の期待値をコントロールする=成果の満足度を決めるものの一つとして期待値の充足が存在し、期待値が高過ぎると顧客は満足しない

期待値のずれはすぐに修正する=期待値と現実のギャップは時間がたてばたつほど埋めにくくなる。逆に言えば早めにギャップのリスクを顧客と共有する必要がある

指示は行動ではなく、問いでだす=答えを出すべき問いを明確にすることでイメージがわき、情報収集も効率的となる

まずはインタビューを抑える=自分がコントロールできる余地の少ないソースであればあるほど早め早めに動くことが大事

質問は紙に落とす=知的生産の初期のボトルネックであるインタビューで不毛な時間を使わないために質問は整理し紙に落としておく

分かったふりをしない=インタビューでは分かったふりをしない
論理的に筋の通らないようなことにこそ、知的生産のコアとなるネタが隠されている可能性がある

情報をインプットする前にアウトプットのイメージを固めた上で「足りない情報項目」を探しに行くというモードで情報収集をすると効率が非常に上がる

仮説は捨てるつもりで作る=仮説は思い込みと紙一重であり、仮説が知的生産物のクオリティを著しく低下させる大きな要因にもなりうる

そのものずばりの答えを探さない=この世には存在せず「回答そのもの」を探すのは不可能

とにかく何とかするという意識を持つ=難局に正面から全力で立ち向かうことを繰り返すことで初めて知的生産の基礎体力は高まっていく
イノベーションは思いついた人ではなく諦めなかった人が達成している

学習のS字カーブを意識する=インプットと学習効果の間には収穫逓減の関係が成立する
分野にもよるが高度専門家として従事するのでなければ3~5冊の主要書籍に目を通しておけば十分
インプットしても成果が出ない場合はアプローチを変える必要があるかもしれない

人が事実を用いて価額を作るのは医師を用いて家を作るようなものである 事実の集積が科学でない事は石の集積が家でないのと同様である。

行動を提案する=事実・洞察・行動の情報のうち、提案するべきは行動
ビジネスにおける知的生産は行動の提案まで踏み込んで始めて価値を出す

常にポジションを取る=決断力というのはポジションを取れるかどうか
ポジションをとるとコミットメントが生まれ、証明するための努力が生まれる

最初からポジションをとる=ポジションというのは常にその時のベストエフォートにならざるを得ない ポジションは変えてもよい

考えると悩むを混同しない=長時間考えても答えが出ないというときそれは思考力や試行量の問題ではなく、問いの立て方か情報の集め方に問題がある
手が動かなくなる、言葉が生まれないときは悩んでいる

論理性あっての創造性=創造性で掘り下げる点を論理性で明確化する事が必要

音声化と視覚化の双方を活用する=紙に書きだして並べる 情報を組み合わせる 黙読していても音声情報に頭の中で変換する事がわかっている

とにかく紙に書いてみる=思考を深めようと思えばまずはとにかく書き出してみる 頭の外に出して相対化してみる

ヒューリスティックを意識する=事実を論理をくみ上げて解を出すオプティマル、勘で答えを出すランダム、必ずしも正しくないがある程度のレベルで政界に近い解を得ることが出来る方法 答えの制度は保証されないが答えに至るまでの時間が少なくて済む方法 期待値に沿うものが出来るならヒューリスティックで良い方が良い時もある

視点・視野・視座を変える=知的生産は基本的にマーケティングと同じで、差別化が最も重要になる 多面的な視点を行き来できる知的態度が必要

視座を上げる=ある視座では適切でも、より高い視座では不適切という事もある

アンラーンを繰り返す=時代の移り変わりについていくには、昔取った杵柄を破棄し常に虚心坦懐に世界を見る必要がある

気合系の情緒言葉に逃げない=言葉は世界を構成する基本原理=ロゴスである 言葉とは論理であり、情緒言葉は論理に乏しい事が多い

用語を厳密に定義する=関係者間で用語の認識は統一する
「言語の限界は思考の限界を規定する」語彙の少なさは思考の限界にもつながる

浅薄な帰納に流れない=帰納すれば無理そうだけど、演繹して必然性を導けない以上ブレイクスルーがあるかもしれないと感じるセンスあイノベーションの可能性につながる

反証法を考える=自分で論破できるような脆弱な理論では知的生産物としては未熟

数値の皮膚感覚を磨く=「日本の統計」で主要な数値は把握できる 「四季報業界地図」も数値感覚を磨ける ヒューリスティックな思考に生きる

定説に流されて思考停止しない=自然科学と比べ、社会科学は社会構造やテクノロジーによって規定される側面が大きいため、かなり脆弱

禁じ手に着目する=情報の非対称性は金になるため禁じ手である セオリーに反するような動きでもそのアクションの先に何が起き、何が狙いなのかを考えると深みのある洞察が生まれる事は少なくない

作用と反作用を意識する=なにか大きく動いた物事の反対側には何が起きているのかを意識する

分からないという勇気を持つ=わからないままでは結局基礎から打ち込みなおすことになるので恐れてはならない

権威に盲従せず、従属させる=誰がそういったかではなく言われていることに心を使う

Less is Moreと知る=モダニズムは少ないほど良いが基本

抽象行動用語を使わない=知的生産は最終的に行動の提案になっていないといけない 自分の中で行動を決めるように癖づける

説得よりも納得を、納得よりも共感を追及する=人はいくら合理的でも本当に共感しなければエネルギーを全開にできない

論理・倫理・情理のバランスをとる=ロゴス・エトス・パトスが必要とアリストテレスは言った

質問には答えず、質問で返す=相手が質問しているときそれは質問という体の反対意見や懸念の表明であるケースがほとんど

知的ストックを増やす=長期的に質の高い知的生産を継続できるかは自分という知的生産システムの中にどれだけ材料の知識ストックが抱えられるかにかかっている

ストックが厚くなると洞察力が上がる=過去の歴史を振り返ると永く続いた組織やシステムには必ずカウンターバランスが働いていたことがわかるなど、見えないところで何が起きているかの洞察力が上がる

知的ストックで常識を常態化する=目の前の常識を相対化し、イノベーションにつながる

ストックを厚くするためには経営戦略・マーケティング・財務会計・組織・リーダーシップ・意思決定・経営全般・経済学・心理学・歴史・哲学・宗教・自然科学・芸術の14カテゴリー各3~5冊に目を通せば一般的な文脈での知的ストックに十分なレベルでの知的ストックは構成できる

読みたい本だけを読む=おすすめのリストを上から順につぶしていくような読書アプローチは効率が非常に悪い 欲望を伴わない勉強は記憶したことを保存しない

メトニミー的読書をする=大事なのは一冊の本が与えてくれた疑問やテーマを軸に読書を展開していくことで数珠つなぎしていくこと

短期的目線でインプットを追及する=将来きっと役に立つだろうでインプットを選別することは予測ができない以上困難

常に問いを持つ=大事なのはふと思った疑問や違和感をしっかり言葉に落とす

ガベージイン→ガベージアウト=ごみをインプットしてもごみしかつくりだせない

独学する=仕事を通してよい学びを得るまたは日常生活で学びを得る

時間を防御するという意識を持つ=よほど意識的に自分の時間を防御しない限り、インプットのための時間は奪われ、ほかの人の富にされてしまう

冷蔵庫でなく生け簀を作るイメージを持つ=記憶にたよるのではなく、関連するキーワードを紐づけていつでも検索したら出るような情報の生け簀を作る

情報を選ぶ=共感できない、反感を感じるという事はその情報が自分の価値観や試行を映し出しているのと同じ

情報に優先順位をつける=転記は10分まで この作業への投資が無尽蔵に増えることは防がなくてはいけない



知的生産に従事していなくても、顧客を上司に置き換えることが出来るし、
自分の知的欲求の為の示唆になる。


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