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chatGPTで1日でプロダクトを作るハッカソン。思考のプロセスと本質的価値を探る。
1. ChatGPTを活用したサービス作りの思考プロセス
1日(8時間)でハッカソン的にChatGPTを活用したサービスを作った過程での思考プロセスについてまとめました。
この記事を読むと次の二つが見えてきます。
・プロダクトをミニマムで作っていくプロセス
・ChatGPTが効果を発揮する本質的な価値な6原則
なお、プロセスを順番になぞっているためステップ的に各見出しに番号を割り振っています。
2. つくった成果物
![](https://assets.st-note.com/img/1679421730655-U4EOtOJizo.png?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1679421893250-t1Dy6QWWM1.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1679421944917-HhwbLBJ4G9.jpg?width=800)
3. 目指す方向
![](https://assets.st-note.com/img/1679421641016-tYCyqhrQdZ.png?width=800)
- 「人のためになることじゃないと続かないよね」
というシンプルだけど熱い思いから生まれました。
4. チーム構成と役割分担
メンバーと役割
Aくん
仮説を作る。
開発をする。
プロジェクトマネージメントをする。Iくん
仮説を作る。
プロンプトエンジニアリング・マーケティング。
ユーザーニーズ調査とグロース後の展望を考えてもらう。
5. 進め方
限られた時間の中で考えて作るということで、いかに効率的に深く考えるかが難しいポイントでした。
以下、大まかな流れです
目標を決める
課題のブレスト
chatGPTがもつ普遍的な価値の仮説を発見する
マーケティング
プロダクト作り & HP作成
リリース
6. 目標・目的を決める
考えれば考えるほど思考の沼にハマります。
目標はシンプルに "人のために役に立つこと" で決定。
7. 課題感をざくっとブレスト
アイディアを発散します。
目的をもとにしてまずは我々が困っているアイディアを20個上けます。それらを元にしてChatGPTにさらにブレストをしてもらう。
50な個くらいのワードが上がってきました
![](https://assets.st-note.com/img/1679415819807-4qL7iH8pSb.jpg?width=800)
そのブレスト結果をプロンプトに注入し、chatGPTでさらにブレスト。
2人で20分かかったようなブレストアイディアを5秒で出力してもらった
※↑画像は一部抜粋
8. chatGPTが優位性を発揮するケースを考えてみる
友人が悩み相談に使えると言っていたのを聞き、なぜ悩み相談に効果的なのかを考えてみた。
A 抽象性
一般的にchatGPTは精度が悪く誤った情報を話してくることは往々にしてある。そのため正確性は苦手だと言える。一方で考えを深ぼるなど答えがはっきりしないものについて問うと面白いように沢山考えを述べてくれる。
よって一つ目は抽象性。正確性ではなく、抽象的な会話に強いのではないか?という仮説をたてた。
B 中立性
人は誰しも思考や感性や価値観に偏りがある。もしかしたらある人に対して、悪気なく無意識に偏見があるかもしれない。
一方でAIはopenai社がチューニングをかけた範疇ではあるが、中立性を保っている。あなたに何か売りつけようという意図や、人をひいきする、見下すという言動はしないため、ポジショントークをしてくることもない。よって中立性。
C 秘密性
3つ目は秘密性。人に言いづらいことは誰にだってある。でもAIなら言うことができる。AIが自ら誰かに広めることもないし、AIに知られたところで社会的に生きづらくなることもない。
よって秘密性。ここにchatGPTの大きな価値があるのではないか?と考えた。
〜〜〜〜
以上を踏まえてみて、相談したいというニーズに適用するとやはり当てはまることが確認できた。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/101010841/picture_pc_f0116487d2b6907dcaa582e2e5aa77a4.png?width=800)
9. 仮説を立ててみた
ここまでで出した結論は、chatGPTは以下の3つのポイントを満たすやり取りの場合に大きな価値を発揮する。
![](https://assets.st-note.com/img/1679422544780-Cs1DmPgr3Y.jpg)
中立性:ポジショントークしてほしくないもの
秘密性:秘密にしたいこと(AIであれば知られてもいいもの)
10. chatGPT仮説の検証
入力者側の視点に立つ。
より具体的に考えてみた。
恋愛相談したいというニーズ
![](https://assets.st-note.com/img/1679423014776-FMbhjP92yG.jpg?width=800)
→当てはまる。
これならば3原則に当てはまる
文章を要約したいニーズ
![](https://assets.st-note.com/img/1679423350433-PvXi7DCyUf.png?width=800)
→当てはまらない。
11. 仮説の失敗
当然、送信者側のニーズは変わる。
だから、送信者が期待する結果によってchatGPTの価値は可変する。
よって、送信者側のニーズの視点ではchatGPTの価値を最大限発揮する領域を抽象化してを見つけるのは難しい
12. 価値が変わらないものは(chaGPT)側からの返信
では、chatGPTの価値が変わらない部分ってなんだろう。
普遍的に通用する価値ってなんだろう。
議論していく中で送信者側は変化するから、
そこを起点に見るのは微妙…
しかしopenai APIのAIのロジックはバージョンごとにしか変わらないため、chatGPTが出力する結果に焦点をあててみた。
13. chatGPTの出力の視点で価値を考えてみる
chatGPTのアウトプットが持つ強みを6つに分類
![](https://assets.st-note.com/img/1679420542999-JU561pkRFs.png)
14. 前述を踏まえてベン図にしてみた
これをchatGPTアウトプットの6原則と呼ぶ
※chatGPTは今後性能がアップしていくため2023/3/22時点の原則
![](https://assets.st-note.com/img/1679423667519-IcGBVZ1gn4.png?width=800)
中央に配置するニーズが6原則を満たしていれば
chatGPTが高い価値を発揮することができる課題だといえる。
15. chatGPTの価値を高く発揮し得る6原則を整理
![](https://assets.st-note.com/img/1679419206853-BrX7sTbOkG.png?width=800)
6つの原則の特徴を整理。
chatGPTの得意、苦手がはっきりした。
16. "恋愛の不安を相談する"のケースに
6原則を当てはめる
![](https://assets.st-note.com/img/1679419221224-czbt0dWLsg.png?width=800)
chatGPTを活かした場合の最適解のテーマであると仮説を立てることができる。
17. 改めてベン図に当てはめる。
![](https://assets.st-note.com/img/1679419236862-jxSHVodeG8.png?width=800)
やはり適合していると捉えられる。
18. 仮説の整理はできた。作ってみよう。
時間内にリリースできるプロダクトを作成する。
プロジェクトをマネジメントする、タスクをざくっと割り振ってスタート。
![](https://assets.st-note.com/img/1679416443838-rhlTXpu9Fk.png?width=800)
タスクが具体化されたので振り分ける。
上部はAくん:プロジェクトマネジメントと開発作りを担当
下部はIくん:マーケティング、プロンプトエンジニアリング、SNSを担当
19. プロンプトエンジニアリングを作る
プロンプトエンジニアリングではインジェクション対策をはじめ、恋愛相談に乗る適した人格の作成を友人に行ってもらいました。
20. ターゲットを決めるための調査手法
LINEのオープンチャット恋愛相談部屋を調べる。
これはI君が考えてくれ、ミニマムにユーザーの目的や感触を確認することでこのサービを必要とする人がいるのかどうかを確認できた。
![](https://assets.st-note.com/img/1679424026264-H13T69uazX.jpg?width=800)
21.悩みの調査
LINEオープンチャットの恋愛相談に対してchatGPTで返答をしていったところ、下記の傾向が確認できた。
1. 年齢層が高くなるほど深刻かつ具体的な悩み抱えている。
浮気、不倫、家族関係など…
こどもが関わる、親が関わる、法的な課題、倫理的な課題を抱えている
2. 年齢層が低くなるほど感情的かつ瞬間的な悩みを抱えている
彼氏が、彼女がそっけない、好きな人のことを思って不安になる。どのように相手は思っているのかが不安。
22. 悩みの調査結果とchatGPTの相性の結論
前提:chatGPTは高度な倫理観をもつ。
上記前提を踏まえた上で、
高年齢の恋愛相談はchatGPTでは難しい
既婚者、歳の差、子供に関わるなど…具体的な解決策(答え)や法、モラル、倫理性のある回答が求められるためchatGPTでは回答が困難。
若い人々の恋愛相談は相性が良い。
相談が曖昧で情緒的である。故に抽象的である。具体的な答えというよりも安心感を求めている。
23. ターゲット決定
恋愛の悩みは感情的であるため、chatGPTが効果的に作用するという結論が出ました、また10代など若めの年齢は法的、倫理的にかかる問題のある悩み相談は少ないため、chatGPTとの相性は非常に良いと考えまさ、10代女性をターゲットとする方針としました。
24. 恋愛相談 LINE bot の作成
最小限度で作るためにGAS、LINE messaging API、openai APIで実装する。
丁寧にやる場合にはlambdaとdynamodbを使う方がバズった場合のインフラ管理コストやサーバーダウンと言ったリスクを回避できる。
最小限度ものを作るという点でGASを使うこととした。
25. LPの作成
今回8時間で全てを完成させるためにnotionを採用してページを作成した。
notionは公開用ページを作れるのでサクッとテキストのwebページを作るのであれば最適。
ただし、webhookはつかえるものの、JSからAPIを叩いて動的にするなどはできなかった。
![](https://assets.st-note.com/img/1679424733184-uhkvgxrjjC.png?width=800)
26. MISSIONは "生きづらさ"を柔らかく
以上がハッカソンで生み出した成果です。
面白いこと、人のためになること、想像力と創造力をつかってプロダクトを生み出すこと、全力で駆け抜けること。どれをとっても最高の時間になりました。
今回の記事からchatGPTを活かしたアイディアやプロダクト作りに役立ててもらえたら幸いです。
27. 成果物
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