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テーマ:プラトンは結局何をした人なのか?

 みなさん、こんにちは。クジラ8です。
 今回は、古代ギリシャの哲学者の中でも、ソクラテス、アリストテレスとよく並べられることの多い「プラトン」について、つらつらと書いていこうかと思います。

 目次
1.プラトンっていつの人?
2.プラトンは何をした人?
3.イデア論のざっくりとした説明
4.おわりに


1.プラトンっていつの人?

 プラトン(Platōn)は、ソクラテスの生きた時代と、アリストテレスの生きた時代のちょうど中間の時代ににいる人です。
 前427年、古代ギリシャのアテナイの裕福な家に生まれました。一節によると、プラトンの名前は、愛称のようなもので、「肩幅の広い奴」という意味の名前だとされています。
 プラトンは、今でいうレスリングをしていたので、文武両道が故につけられた名前なのでしょう。

 因みに、ソクラテスはプラトンの師匠であり、アリストテレスはプラトンの弟子に当たります。

 なので、ソクラテス―プラトン―アリストテレスという、一連の思想の流れがあり、古代ギリシャ哲学は、この三人によって後世に伝えられるような「哲学」にまで高められました。

 ただし、ソクラテスとアリストテレスのいわゆる「哲学書」というものは残っていません。(アリストテレスが書いたものを「写したもの」なら、現存しているようです)

 なので、厳密に言えば、古代ギリシャ時代における哲学の貴重な資料として残っているのは、三人の中では、プラトンだけなのです。

 これだけでも、プラトンのすごさ、あるいは資料上の貴重さというのは、伝わると思います。
 2000年以上経っても、後世に伝わるような「思想」を残したいものですね。


2.プラトンは何をした人? 

 プラトンは、何をした人か?
 これには、大きく二つの答えがあります。

 一つは、プラトンは「アカデメイア」という学校を、40歳ぐらいの時に作りました。いわゆる、後の「アカデミア」といわれるような、学術を学ぶ場所=学校です。プラトンが作ったアカデメイアは、900年間も続く学び舎の園となりました。

 つまり、プラトンは偉大な「設立者=経営者」としての側面も持ち合わせていたのです。(いわゆる、現代の「経営者」とは、質的に異なることに注意してください。あくまでも、比喩的にという注釈が着きます)

 二つ目は、プラトンは「イデア論」と呼ばれる認識論を残したことです。20世紀の哲学者ホワイトヘッドが、「これまでの哲学とは、いわばプラトンの哲学の注釈に過ぎない」と断言するほどの、インパクトのある哲学を残した。
 これが、プラトンの二つ目にして最大の偉業といえるでしょう。


3.イデア論のざっくりとした説明

 今回は、プラトンって何をしたの?
 というのがテーマですから、「イデア論」に触れないわけにはいきません。
 ただ、イデア論を詳しく説明することは、また後日、丁寧にしたいと思います。ここでは、比較的ざっくりとした説明に留めて、また次回詳しく話すことにします。


 では、イデア論の概説に入ります。
 イデア(idea)論とは、そもそも「道徳」などの「目には見えないもの」にまつわる、とある問題に回答を与えようとする一つの説明方法です。

 目には見えないものとは、善、正義、勇気、美などの抽象的な概念のことです。

 ここでは、美について考えてみましょう。
 美とは、一般的に定義できないものです。例えば、「美しい人」とは、どういった人のことを指すでしょう?
 外見が美しい人なのか、はたまた人格が美しい人なのか。外見が美しいと答えた人は、その人が、どういった人種なのか。(差別的な表現を差しているわけではありません。ここでは、美しい人を想定した時に、それぞれ自分が考える人が、どれほど偏っているものかを実感するためのものです)
 また、その人は男性、女性、またはそのどちらでもないような性を考えるかもしれません。

 このように、美とはとても抽象的なものです。
 プラトンは、この「美」というものに関して、ある一定の答えを与えようとしました。
 それが、イデア論です。

 イデア論では、美とは「天上にあるもの」つまり、神の世界にあるものであり、「現実に存在するものが美しいと考えられるとき、それは天上にある普遍的なものが現れた結果」だと捉えます。

 すなわち、プラトンがいうには、「私たちは、『天上にある美』というものを感じることによってのみ、美しいと感じる」のです。

 あの人が、美しい。そう感じるとき、ふと疑問に思うことはありませんか? なぜ、私はその人のことを美しいと感じるのか、と。

 美しいに理由を求めることは不可能である。プラトンは、そう言っているように聞こえますが、実はそれは誤解です。
 人間には、生まれてからこの方、「美しい」と感じるものが「天上」から設定されている。または、天上からその一部を与えられている。そう考えるのが、プラトンのイデア論です。

 花

 花という言葉を見たとき、あなたがもし「咲いた花」を想定したならば、もしかしたら、プラトンのイデア論のように、「永遠に変わらない」ものを、天上から与えられているのかもしれませんね。


4.おわりに

 今回は、議論をかなり早めながら進めてきました。なので、分かりづらい内容だったかもしれません。

 特に、イデア論の話が分かりづらかった方には、たいへん申し訳ございません。
 詳しいイデア論についての講義は、また次回に持ち越したいと思います。
 今回は、プラトンが偉大な学校設立者であったこと。また、後世に残る思想を作ったこと。だけでも伝われば、幸いです。


 ではでは、また。

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