#10_「エンジニアリングマネージャーのしごと」を読んでみた
こんにちは、ライトフライヤースタジオでエンジニア部長をやってる紙谷です。ライトフライヤースタジオとして過去最多の採択本数を更新し、登壇練習や受講レポートなどで社内外熱かったCEDECも本番が終わると、すっかり秋の訪れを感じるようになりました。夜も涼しくなりまさに読書の秋ですね!ということで、気になる書籍を読んだので感想をブログに残そうと思います。
(キリ番ゲットだぜ!)
今回読んでみたのは8/26に発売されたばかりの「エンジニアリングマネージャーのしごと チームが必要とするマネージャーになる方法」です。
選んだ理由
お盆くらいにこの書籍が発売されることを知って、内容が気になりamazonで予約注文しました。
約8年前に初めてマネージャーになってから、マネジメント業務に従事し続けているのですが、マネジメントに正解はないとは認識しつつ、日々の自分の行動を定期的に振り返り改善し続けるためにこの書籍を1つの羅針盤にしたいと考えました。Reflect!
また、新任のマネージャーを導く立場になっている今、マネジメントに関しておすすめできる書籍を増やしておきたいと思ったのも、この書籍を読みたいと思った理由の1つです。
要約
各章の要約になります。マネージャー経験者ならご存じのキーワードが結構多いと思います。
第I部 オリエンテーション
1章 新たな冒険
マネージャーになって取り組むべき、チームに会い、上司に会い、自分の所見を持ち、スナップショットを作成し、1on1を予約し、アクションリストを作成することを学ぶ
2章 まず自分を管理しよう
自分を整理整頓し、活動を分類し、アウトプットを計測できるようにすることを学ぶ
第II部 個人と働く
3章 人間と関わる
コミュニケーションの方法を使い分け、委譲のフレームワークを使いこなし、上司との関係性を作ることを学ぶ
4章 1on1
1on1の重要性を知り、準備をし、コントラクティングを行い、会話の内容を考え、メモの取り方とタスクをアサインすることを学ぶ
5章 その人に合った仕事とは
マズローの欲求階層や発達の最近接領域、大聖堂を建設する人とバザールをぶらつく人がいることを学ぶ
6章 1年でいちばん輝かしい季節
評価面談の誤解や迷信、面談準備の仕方とドキュメントを準備し、ピアフィードバックを集め、当日の振る舞いと伝え方を学ぶ
7章 採用中!
チームに採用する人の決め方、職務記述書の書き方、面接の進め方を学ぶ
8章 ゲームオーバー
人は必ず去ること、祝福して送り出すべきときと残ってもらうための戦い方や辞めさせ方を学ぶ
9章 友人を作り、人に影響を与えるには
チームを超えた世界を考慮することが重要であることを認識し、会社のなかでネットワークを構築する方法とメンタリングとコーチングの方法を学ぶ
第III部 全体像
10章 人間って難しい
詮索と審判に直面し、悪い状況はぐらつきを起こすこと、ムチをニンジンに変える必要があること、ダニング=クルーガー効果とインポスター症候群と折り合いをつけることを学ぶ
11章 プロジェクトって難しい
サウロンの目と自分達の成功の犠牲になること、スコープ、リソース、時間のレバーをうまく操作することを学ぶ
12章 情報の証券取引所
スパイとゲートキーパー、必要十分な情報を共有する方法、社内政治を学ぶ
13章 コントロールを手放す
タスクを手放し、効果的な働き方の思い込みを手放し、仕事につぐ仕事を手放すことを学ぶ
14章 良いハウスキーピング
コンウェイの法則、ギルド、テックトークの文化、改善の機会、よくある問題を解決するツールを学ぶ
15章 デュアルラダー
ICとマネジメントのキャリアアップを考え、コンピテンシーを定義し、発生しがちなバグを学ぶ
16章 現代の職場環境
ダイバーシティ、柔軟なリモートワーク、ワーク・ライフ・バランス、文化を学ぶ
17章 スタートアップ
ライフサイクルという概念、機会を学ぶ
18章 クリスタルボール
計画とスキルバックログを作成し、コーチングセッションのやり方を学ぶ
感想
今回読んで印象に残った部分を抜粋します。
・「インポスター症候群」
ライトフライヤースタジオだとプレイングマネージャが多いのと、自分もマネージャー昇進時は現場の仕事的に役割があまり変わらなかったので、シニアマネージャーになった時の方がより感じたのですが、一定自分で自由に役割を定義できるようになると、自分が本当に貢献できているか不安になるんですよね。今でも常に自問自答してます。
・「マネージャーのアウトプット=あなたのチームのアウトプット + あなたが影響を与えた他のチームのアウトプット」
マネージャーは個人ではなくチームのアウトプットに責任を持つというのはよく言われますが、他チームに与えた影響も加算するのはなるほどと思いました。ただ測定は非常にしづらいですよね。どれだけチームなり組織の顔として認識及び信頼されているかという定性的な評価になるので。
・「説明責任と実行責任」
このロジックで言うとエンジニアリングに関する部長陣への説明責任は全て自分が持つ体制なのですが、そのマネジメントラインとタスクの内容によっては委譲のレベルを見直さないと、きちんとした説明責任を果たせないなと思いました。そして兼務をしているとバランスを取るのが非常に難しいとも思いました。
・「マネジメント業務」
1on1、アサイン、評価、採用、退職の受け入れまで、職位によって粒度は異なるものの、マネージャーとして必ず必要になる業務で、これが真理という訳ではないものの、1つの考え方や手法として非常に参考になるなと思いました。
・「情報の共有方法」
マネージャーが取り扱う情報は本当に氾濫するほど多く、取り扱い方に本当に迷います。どんな場面でもクローズドにすべき情報と、反対にオープンにすべき情報、社風や方針に応じてどちらにもできる情報まで、自分の判断でその後の情報の流れが変わってしまうので、改めて情報の取り扱い方を見直そうと思いました。
読み終えて
タイトルに「エンジニアリングマネージャーのしごと」と銘打ってますが、エンジニアに限らずマネジメント業務で必要になってくるであろう考え方、取り組み方が記載されており、個人的には幅広く適用できて良書だと思いました。「あの時こんなことがあったよなあ」とか、「こんな問題が起きた時、こう動けていれば良かったなあ」などと、懐古しながら読破させていただきました。
右も左もわからなかった新任マネージャーの時に読めていれば、、、という「強くてNEW GAME!」したくなる衝動にもかられるものの、これからマネージャーになろうとしている人にどんどんおすすめしていこうと思いました。そしてチーム、ひいては会社が必要とするマネージャーを増やしていければと思います。
ライトフライヤースタジオではマネジメントに興味のある方も大募集しております!
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