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深夜のワイドショー『トゥナイト2』について

1990年代、前身番組「トゥナイト」をリニューアルする形でスタートした深夜のワイドショー『トゥナイト2』。女性リポーターを多く出演させるなど女性視聴者を意識した番組作りがなされ、トゥナイトよりも取り扱う情報の範囲を広げた。1980年代からの深夜番組の規制強化の影響を受け、民放各局が「脱・お色気」の風潮の中、リポーター陣がお色気系の企画に取り組んだ。お色気以外にも、阪神・淡路大震災の被災地リポートなど、社会に訴える硬派な取材もこなしていた。スポンサー(提供枠)はavex。

前身番組『トゥナイト』のレギュラー出演者たち

石川次郎、乱一世、北野誠、山本晋也の男性陣に加え、下平さやか、青木 愛、高尾晶子、岡元あつこ、遠藤あゆみ、せがわきり、そめやゆきこ、原田里香などの女性リポーターもたくさん出演した。お色気ネタ以外にもイケメン俳優の紹介や発売直後のたまごっち、PlayStation2について特集することもあった。

番組内でリポータ陣が取材した一部シーン

視聴率は曜日や内容などによって異なることもあったが、平均10%前後をキープしていた。番組は常に遊び心に満ちていたようで例えば風邪の特集ならば、医者に今年の対策法を聞いた上で、最後に「仕事中は裸ですが、どんな対策をしているの?」と風俗嬢に取材する。桃の初採りの取材で山梨の農家を訪れた後、湘南で「桃尻娘」を探す。番組の主役はいつも一般人だった。また番組にはロケ台本もスタジオ台本も一切無く、自分で取材ポイントを見つけて突撃するスタイルだったという。

『トゥナイト2』のレギュラー出演者たち

テレビ東京の女性向け情報番組『ギルガメッシュNIGHT』から飯島 愛がブレイクしたようにトゥナイト2にもスターが生まれた。当時、長野朝日放送のアナウンサーだった斎藤陽子は2代目アシスタントに抜擢され、胸の谷間が露わになる衣装を着ると瞬間視聴率が上昇するなど人気を集めた。司会を務めていた石川次郎が「彼女の個性はセクシーさにあると感じたので、“思い切って露出で勝負したら?”と勧めたら、“いいんですか?”と戸惑いながらも乗ってくれた」という。

『トゥナイト2』のオープニングタイトル映像

『トゥナイト2』というと風俗リポート(エロのイメージ)ばかりが記憶に残る。一方で話題になる前に取り上げた「たまごっち」が大ブームになったり、街頭インタビューで10代の少女に性感染症が蔓延していることを明らかにしたりと真面目な情報番組としての役割も果たしていたが2002年3月に番組は終了した。番組終了の理由は、自主規制やコンプライアンスの影響ではなく、2002年4月の番組改編期において深夜帯をお笑い枠にしたいというテレビ朝日の編成方針によるものでした。

NHK『あさイチ』 / テレビ東京『ワールドビジネスサテライト』

トゥナイト2終了後、テレビ朝日の平日深夜に放送されるワイドショーは2009年10月にスタートした『お願い!ランキング』まで一時消滅状態となっていた。現在、トゥナイトおよびトゥナイト2のような情報的番組としてはテレビ東京の『ワールドビジネスサテライト』、NHKでは『あさイチ』が放送されている。これらの番組は出演者や女性アナウンサーたちが一般人や企業、お店などを取材し紹介したり、民放のワイドショーでも扱う政治・社会問題や芸能娯楽情報も取り上げるなどトゥナイトの路線と少し近い部分が見られる。

CSテレ朝チャンネル2にて復活した『甦るトゥナイト2』

2016年12月より本放送終了後から14年ぶりに復活し、CSテレ朝チャンネル2にて『甦るトゥナイト2』という番組名で放送された。出演は石川次郎、山本晋也、乱一世、高尾晶子の4人でかつての出演者を交えテーマに沿って地上波の放送内容を詰め合わせて(ダイジェスト)放送された。

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