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『トゥナイト2』の終了について

トゥナイト2は、前身番組「トゥナイト」をリニューアルした形で1994年4月~2002年3月までテレビ朝日系列局で放送されていたバラエティの要素と情報番組の要素が含まれた深夜のワイドショー番組である。放送開始時に使用していたタイトルロゴの表記は『トゥナイトII』。

トゥナイト2のオープニングタイトル映像

1980年代半ば以降、深夜番組の過激化が問題視されコンプライアンスが厳しくなり、深夜のお色気番組が飽きられていた時代。民放各局の深夜番組も「脱・お色気」路線を試んでいた状況の中で乱一世、北野誠、山本晋也ら本番組のリポーター陣がお色気系の企画に取り組んだ。総合司会は利根川裕に替わって石川次郎が務めた。お色気以外にも、阪神・淡路大震災の被災地リポートなど、社会に訴える硬派な取材もこなしていた。

番組内で放送された内容の一部シーン

平均視聴率:7%~8%
前番組の「トゥナイト」は主に成人男性をターゲットとした内容が多かったのに対してトゥナイト2では若い女性に街頭インタビューしたり、イケメン俳優を取り上げたり、女性スタッフも多く関わっており、女性リポーターを多く出演させるなど全体的に女性視聴者を意識した番組作りがなされた。

アダルトビデオのレンタル術を紹介したロケ

同時期にテレビ東京で放送されていた「ギルガメッシュNIGHT」が女性視聴者に好評を得ていた影響を受けて、本番組も女性視聴者を意識していたという。その一方で、風俗店の取材やアダルトビデオの借り方、人気AV女優の出演など男性視聴者向けの内容もトゥナイト時代を引き継いで放送されていた。1990年代のテレビ番組は現代と同様にコンプライアンスが重視されていたため、当然、毎回のように番組にはクレームが殺到していた。青少年委員会には、「青少年も遅くまで起きている。与える影響を考えなければならない」・「アダルトの話題ばかりで描写も過激すぎる」といった意見が多く寄せられていた。

トゥナイト2のレギュラー出演陣

■番組終了の経緯
番組の視聴率は最後まで安定しており、視聴者にも好評を得ていたが、4月の番組改編期で深夜帯をお笑い枠にするというテレビ朝日の編成方針により、番組は2002年3月をもって終了することになった。同年4月からはネオネオバラエティという枠が制作され、「極楽とんぼのバスコーンつってんだろ!!」・「さまぁ〜ずと優香の怪しいホール貸しちゃうのかよ!!(仮)など」・「Gallage Vanguard」・「内村プロデュース」といったお笑い芸人が出演するバラエティ番組が放送された。これにより、1980年に『トゥナイト』がスタートしてからの22年に及ぶ歴史に幕を下ろし、NETテレビ時代の1971年4月5日に『23時ショー』がスタートして以来31年間続いたテレビ朝日の深夜ワイドショーは姿を消した。以後テレビ朝日平日深夜の帯ワイドは、2009年10月に『お願い!ランキング』がスタートするまで一時消滅状態にあった。

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