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atama plusが13,000件超の現場情報をプロダクト改善に活かすためにやっていること

はじめまして。AI×教育のスタートアップ、atama plusの上村です。
アプリチームでUX/UIデザイナーをしており、かつ横断的なUXリサーチチームに所属しております。
UXリサーチチームは、ペルソナ情報の更新管理や、定量分析ツールの整備など全社のリサーチ分析基盤を作る取組みをしております。

プロダクト開発の中ではリサーチの取りかかりとして現場情報が基点になることが多数あります。しかし、ビジネスメンバーが実際に現場で経験した内容や顧客の言動などの貴重な情報が、組織の隅に埋もれてしまっていることが多いのではないでしょうか。

atama plusではこうした現場の一次情報を全社で共有し、活用するためのシステムとしてSlackチャンネルをふんだんに活用しており、今回はその取組を紹介します。​

目次
1. “現場は、解の宝庫です。“
2. 現場での気づきを共有するgembaチャンネル
3. 全員でより良いプロダクトを作るために情報をオープンに
4. gembaチャンネルをどんどん活用する
5. ​​gembaチャンネルで守って欲しい投稿ルール
6. gembaチャンネルのこれからを育てていく

“現場は、解の宝庫です。“

大きな前提となる部分として、atama plusのカルチャーを少し紹介します。

“現場は、解の宝庫です。“
atama plusのカルチャーコード(※1)に書かれた一文です。

atama+ culture codeより
※1 atama+ culture code:atama plusが大切にしている3つのValuesを体現するために必要なことを精緻に言語化した冊子。

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現場は解の宝庫です。一見正しそうなことがあっても、実際の現場からしかわからないことがたくさんあります。机上の空論よりも、現場で見て聞いて感じたことや実データを重視します。その際、一切の思い込みを排し、事実を客観的に捉えます。

atama plusは、創業当初より、現場で起きたことを共有しフィードバックし、プロダクトの開発、改善に活用してきました。

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創業前、atama+が塾の現場でどのように活用しうるのか、塾はどのような課題を抱えているのかを知るために、代表の稲田も半年間大学生に混じって個別指導塾で講師をしていました。その経験を存分に活用してatama+の核となるコンセプトが育っていきました。

現場を大事にすることは、重要なatama plusカルチャーのひとつです。

現場での気づきを共有するgembaチャンネル

プロダクトづくりに活用するために、全社員が現場での気づきを共有・ストックする場がSlackのgemba(現場)チャンネルです。

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#gembaチャンネルの投稿例。代表の稲田も投稿する。

gembaチャンネルの役割・目的は、下記のようになっています。

- 主に、プロダクトチームのPOやUXデザイナーが現場のペインを効率的に吸い上げるために活用する
- 現場を大事にするカルチャーの中で、全社員が現場の温度感を把握することにもつなげる

gembaチャンネルは全社員が書き込み、見に来る場ですが、中でもUXリサーチチームがその情報を活用し、プロタクト改善を促進していく役割を担っています。

全員でより良いプロダクトを作るために情報をオープンに

全員でより良いプロダクトを作るためには、情報はオープンにして、共通認識を醸成していくことが大事です。atama plusのSlackでは非公開にすべき特別な理由がなければ、パブリックチャンネルになっています。

下記は、今年8月〜9月にSlackでメッセージが投稿された場所の割合を示したグラフです。全メッセージの92%が、パブリックチャンネルに投稿されていることがわかります。

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オープンで透明性の高い活動基盤がSlack上にできあがっており、atama plusの情報共有ツールとして重要な役割を担っています。

創業から数年でatama plusは、160名(2021年8月末時点)を超える巨大な船となりました。この巨大な船の中で適切な情報共有が行えるように、全員が情報を把握しやすくするためのルールをatama plusのコミュニケーションチームが管理・運用してくれています。

gembaチャンネルをどんどん活用する

プロダクトチームのPOやUXデザイナーはgembaチャンネルでの情報を複数の観点で役立てており、このチャンネルで得た情報を基に、投稿者や塾に対してヒアリングをしたり、時に施策検討のヒントにしたりしています。

ここではチャンネルの情報を活用する観点を紹介します。

1. 新たなインサイトを得る
「なるほど。そうだったのか。」と思うようなそれほど知られていなかった情報をキャッチします。現場では利用する塾や生徒から様々な要望が挙がりますが、しばしば想像できなかった原因が背景にあることがわかります。

2. 既知のペインの再確認
既知の情報であっても、たくさんの塾で起きていたり、臨場感のあるペインの状況が投稿されたりすることで認識を改めることもあります。

3.リリースしたコンテンツや機能のフィードバック
狙い通りに施策がハマった様子があれば確信を得ることができますし、ペインが解消されていない様子があれば新たな課題として捉えることができます。特にリリースしたばかりの新規機能に対して狙いがしっかり実現できたかは注視しています。

4. ベースラインの把握
投稿はリアルに塾内で生徒が学習している様子や講師の指導内容だけでなく、アンケートやモニタリングされたデータなども含みます。こうしたアンケート(定点観測的に一定の基準で実施されたもの)をトラックすることによって、体験のベースラインを把握しています。

gembaチャンネルで守って欲しい投稿ルール

投稿内容は基本的にはフリールールですが、1点だけ守ってもらうフォーマットとして、必ず”事実”と”考察”を分けて記載してもらうようお願いしています。

事実の中に、意見や主観などの考察が混在した記述になっていると、読み手が起きたことを忠実に把握できなくなってしまいます。また投稿者自身も、<事実>、<考察>と分けてラベリングすることで、事象を整理、理解した上で投稿できるようになります。

内容については、特に絞っていません。比較的入社が新しいメンバーはプロダクトの理解不足による誤認もたまにはありますが、それがわかることも大事だと捉えています。細かい粒度に感じられることも、プロダクトにとっては大きい学びの可能性があるので、些細なことでも投稿してほしいと伝えています。

gembaチャンネルのこれからを育てていく

2018年の初頭にチャンネルができました。2019年には社員数が増えて情報量が多くなったため、有効と思った考察部分を記述するという役割に特化し、現場でのメモなどを書くチャンネルgemba-tweetチャンネルを創設しました。2021年9月26日調べで、総書き込み数は gembaチャンネルが13,876件(gemba-tweetチャンネルは46,952件)となり、まさにatama plusの重要な情報資産と言えます。

一時期は、投稿が停滞していた時期もありました。gembaの投稿をしっかり根付かせていくために、全社ミーティングでUXリサーチチームから”gembaチャンネルの役割と投稿について”を改めて全社員に話しました。その後には新入社員オンボーディングに組み込まれています。

場を用意するだけでなく、状況に合わせて場自体を見直していくことが大事です。

このように、いつでも状況を気にかけ、手間をかけるほど、atama plusはgembaチャンネルひいては現場のことを大事に考えています。

これからatama plusは沢山の仲間を迎えていく方針ですが、新しい仲間とともに全員で現場の資産を大事に育てていきたいと思っています。

We are Hiring!!

atama plusでは仲間を募集中です!一緒にぜひ現場を体感しましょう。
▼atama plus採用サイト

https://recruiting.atama.plus/

▼3分でわかるatama plus

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UXリサーチの中でも、ペルソナについては同じチームのnozawaさんの記事に書かれていますので、そちらも興味がありましたら見てみてください。


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