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「遺伝のしくみ」を理解しよう(15)

毎週水曜日は、Newton「遺伝のしくみ」を理解するシリーズを配信しています。

どんなに難しい本でも、少しずつ読めば必ず理解できるはずというコンセプトですすめています。

DNAのコピーミスが、遺伝情報を変化させる

<本章の要約>
DNAは遺伝情報を保持する分子で、四種類の塩基(アデニン、シトシン、グアニン、チミン)から構成された長い鎖であり、これらの塩基の順序が私たちの遺伝情報を決定します。

しかし、DNAのコピーが正確に行われない場合、つまりコピーミスが発生する場合、これらの塩基の順序が変化する可能性があります。このような変化が、私たちの遺伝情報を変化させる可能性につながります。

たとえば、DNAのコピー中に一つの塩基が間違って置換される場合、その置換は新しい遺伝情報に反映されます。これが、例えば眼の色、身長、体型、病気のリスクなど、様々な特性に影響を与えるということになります。

また、コピーミスが細胞分裂の過程で多数発生すると、新しい細胞が蓄積する変異によって発生した遺伝情報が親細胞から変わるため、新しい生物の遺伝情報が変化することもあります。これが「進化」と呼ばれるものです。

DNAのコピーミスが遺伝情報を変化させる理由は、DNAが私たちの遺伝情報を保持するための分子であり、塩基の順序がこの情報を決定するためのようです。

とはいえ、人のDNAの99.9%は誰でも共通であるというから驚きです。

ちなみに、一卵性双生児の場合は、残り0.1%も共通。親子や兄弟姉妹では、0.05%が共通ということになるそうです。

また、DNAのコピーミスが発生すると、新しい遺伝情報が生じる可能性があり、これが私たちの特性や病気のリスクを変化させることにもつながるということでした。


次回は、「遺伝学の最前線で研究されるDNAのメチル化とは?」です。
それではまた

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