胸椎の矯正

脊椎の痛みは内科的トラブルを示唆した現象、と言及してきましたが、構造的的には2種類あり、2次元的歪みからくる痛みと、3次元的ピンポイントの痛みがあります。

2次元的歪みは脊椎が左右どちらかへの回旋、及び側屈が重なった変位となり、例えば左に後方回旋すると右に側屈、右に後方回旋すると左に側屈へと歪んでいきます。この2次元的歪みの場合単体ではなく複数の脊椎が同様に同方向に変位し、急性的なものではなく慢性的であり、その影響から後方回旋側に脊柱起立筋群が隆起、盛り上がっています。

前述してきたように右隆起は肝臓系の慢性疲労、左隆起は脾臓、自己免疫の低下が予想されます。

この複数2次元的歪みは普段は気にならない、または少し重さを感じる程度ですが、交感神経優位な状態が続き、精神的肉体的疲労が蓄積すると、重い感覚が強くなったり、痛だるくなります。激痛まではいかないのも特徴です。

そして慢性化しているので筋肉の形状も記憶して、普段から隆起が起こり、そして高齢化していくと明らかに身体のバランスを崩し、多くの方がどちらかの側弯を生じ、歩行や立位の不安定さの起因となってしまってもいます。

下肢への左右への荷重も変わり、均衡が崩れているので腰や膝等負担もかかっています。

ですから長い目で見ると2次元的歪みは放置せず、バランスを考慮したエクササイズの実施、姿勢の意識、栄養バランスを見直す等すべきです。偏った栄養、好きなものばかり食していくとその蓄積として、後に必ず影響し苦しむことになるようです。

背中にタオル等あてがって胸椎の下部から両膝を当て、ゆっくり上部へスライドしていきます。両手で相手の両肘を引きますが、膝と相手の肘のベクトルを合わせると力点が合い、うまく矯正されてきます。

筋肉が形状記憶するくらい慢性化、蓄積していると過度な疲労が加わった時、筋肉を形成する細胞も酸欠、劣化して硬化してしまっています。矯正後は厚い板が取れたような、スッキリした感覚にはなりますが、この効果も一時的であることも付け加えておきます。

次回は3次元的歪みの解説と矯正を述べていきます。

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