背骨の歪みが示唆するもの

脊椎や仙骨の変位、亜脱臼、歪みは交感神経優位状態が継続し神経系の興奮、炎症によって生じると述べてきましたが、背骨の個所によって内科的問題も分類されてきます。

仙骨から腰椎4,5番の捻挫は、泌尿器系、生殖器系、消化器系の何らかのトラブル、炎症、病理等が示唆するものと考えられます。

腰椎1~3番、胸椎12番は腎臓、副腎に問題が生じている可能性があります。

背面、背骨を中心に右背部の隆起は肝臓、胆嚢の炎症、疲労が示唆されます。胸椎10,11右への回旋、歪みは胆嚢の問題、右5、6番は肝臓の問題が疑われます。

胸椎7,8番を中心に左側背部隆起傾向の場合、脾臓の炎症があります。脾臓はリンパを生成する臓器の為、リウマチ、ガン等自己免疫性疾患が疑われます。

胸椎2番左側の炎症から上司にかけて痺れ等は心臓、3,4番から肋骨、そして肩関節の痛み、炎症、可動域制限、石灰化等は呼吸器トラブルが考えられます。

胸椎1番、頸椎7番の問題、そこから生じる上腕の痺れは胸椎12番同様腎臓が炎症を起こしています。頸椎1、2番は眼精疲労や頭重につながったり、その部位が詰まると頭痛、不眠、発作性癲癇にも生じる恐れがあります。

また、それら脊髄から前述の肋骨、腹部、胸部、頭部、そして四肢に広がる神経領域支配はミオトームと言われ、体表面のトラブルから脊髄の炎症そして内科不良を見立てていく診断ポイントとなっています。

例えば足裏、踵の痛み、ふくらはぎの炎症等は仙骨、腰椎下部の神経支配となり膀胱等泌尿器のトラブルが疑われます。踵を整形外科で受診しレントゲンで撮影しても器質的に異常が見つかるわけではなく、泌尿器が要因となっていることはよくあるケースです。足関節背部はリンパ系で膝関節や鼠径部前部も同様に免疫トラブルを示唆しています。いずれも糖質過多の食生活も要因として疑われます。

足裏から内側の痺れや痛みや腎臓、脾臓がやはり問題視されます。

このように痛みの部位を直接病変等で考えるより、神経領域、そして東洋医学における経絡上の違和感等発現部位から脊髄、内科的な観点から予測し見極めていきます。


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