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悲劇の原因は誰にあるのか?Ⅰ


繰り返す衝突

 10月7日、突如、ハマスがイスラエル側に大規模な攻撃を仕掛けた。これまでにイスラエルとガザ市民合わせて4,000人以上の死者を出す凄惨な事態になっている。これまでも両者は複数回、衝突を繰り返しておりその度に無辜の市民が犠牲になっている。

 また、今回の衝突では、インテリジェンスの敗北が指摘されている。世界最強との呼び声高いモサドも今回の奇襲を防ぐことができなかった。ハイテク化した現代の情報戦において、ハマス側はあえてローテクを使ったため、事前に感知できなかった点が指摘されている。また、オースティン国防長官も事実上、インテリジェンスの敗北を認めている。

帰国方法に議論

 イスラエルにも日本人は多く滞在しており、イスラエルを出国する人は帰国方法を模索している。その中で「飛行機代」を巡って、議論が巻き起こっている。

 韓国軍の飛行機に空き席があったため51名の日本人が搭乗したが、イスラエルから韓国までの運賃は無料であった。一方で、日本政府がチャーターした飛行機に関しては、8名が利用したがいずれも3万円の運賃を支払った。

 緊急時の退避であるから費用は負担させないとする意見がある一方で、イスラエルの主要空港は運営中であり、成田行きの定期便が飛んでいる状態である。よって、航空運賃を負担するのは当然であると言う意見もある。政府の意見としては後者の立場である。

 また、今回、日本政府のチャーター便はドバイまでである。一部の人からはイスラム組織と戦闘している中でイスラム圏の国を経由することに対する躊躇いの声がある。

全員が引き金に指をかけている

 14日、カタールでイランのアブドラヒアン外相はハマスの政治部門トップのハニヤ氏と会談した。イランはハマスの支援をしている国のひとつであり、今回の衝突でハマス支持を早期に明確にしている。また、衝突以後、アブドラヒアン外相はイランやシリアなどを訪問しており、いずれの国でもパレスチナ支持で結束することを確認している。

 欧米がイスラエル支持を表明している一方で、イスラム圏の国々はパレスチナ(ハマス)支持を打ち出しており、今後、イスラエル軍による大規模な地上作戦が予想される中でイスラエルの出方次第では、中東全体を巻き込んだ戦争に発展する可能性は否定できない。


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