4.8 【DIY】壁紙貼り(上から下へ)

壁紙選びには、めっちゃくちゃ苦労した。

実際に見てみないと決められないということで、カナメと二人でかなり遠出をして「シンコールのショールーム」に出かけて行った。

そこで壁紙をオーダーできるのかというとそうではなく、実際の壁紙を見せて頂いて、サンプルを頂けるということであった。そして実際にオーダーするのは、工務店さんを通すように言われた。でも私たちには壁紙屋本舗(ネット通販)があるもんね。ショールームでは定価を教えてもらったのだけど、それに比べるとネットの方が相当安い。そして工務店さんを通しても安く購入できるそうなので、それは個々にご相談を、という感じである。

ショールームでは、アルバムのようにサンプルが閉じられている本を何冊も見ながら、実際にそれを大判のサンプルで見に行く。番号には意味があって、ベースの壁紙&アクセントクロスのセットが連番になっていたりする。そして、その合わせ技のサンプルもあった。

輸入壁紙にするというアイデアもあったが、機能性がない割には高額であるということ、国内の壁紙にも自分たちが考えるような素敵なものが多々あったので、迷わず国内メーカーさんのショールームに来てみたのだが、正解だった。
ここでもカナメと私の趣味の違いが露呈.......orz

もともとコンクリートの打ちっぱなしにする予定であったので、ところどころに本物のコンクリート面が出ている。その間を埋める形で壁紙を貼るなら、やはりコンクリート柄だろう、という部分はカナメと一致していた。

が、コンクリート柄の壁紙にも種類がある。グレーっぽいものから青っぽいものまで色味も違う。私はグレー推しで、カナメはブルー系を推していた。何種類か私が選んできたものに、カナメは、

「ないな」

の一言で却下。あまりにも迷わず却下されるので、どんどん不安になってきた。
カナメは自分が推す壁紙の連番セットについては「決まり」と思っていたらしく、それ以外に何枚か候補を探しておくか、という状態に見えた。私はというと、なんとなく良いなと思うものはいくつかあるのだが、その良さを論理的に説明できない。

自信たっぷりに「これだ」とカナメが言う壁紙と、私が気になっていた数種類の壁紙のサンプルを頂いて、帰路についた。

私も、この辺りで自分のポジションを悟れば良かったのだが(汗)、いかんせん自分の中に沸き起こる欲求があり、それを思わず口にしてしまっていた。そして色々とモノゴトの判断を遅らせてしまっていた、と後になって気づく。

私に色々な美的センスがないということを、認めたくはなかったのよね.....orz

でさ。そういう美的センスのない私が、壁紙と床板担当になっていたのがそもそもおかしいんだけど、カナメはカナメで棚その他の設計で忙しく、まぁ私もできることはやろうという姿勢はあったので、黙々と壁紙を選んでいた。

そして最初にオーダーをかけたのが、カナメが自信を持って決めた2枚である。もう自信満々に語るカナメとバトる元気が残っていない。足も痛いし。そして化粧室の中は、洗濯機、便器とウォシュレット、シャワールーム洗面台のすべてが白ベースなので、目立たないように無難な白を注文。めっちゃ安いやつである。

オフィス部分の天井は、コンクリートの壁に挟まれた部分なので、こちらも主張のない単色のダークグレー。寝室については、リビングの貼った印象を見てから考えることにした。

さて、壁紙貼りであるが。

ミズキさんによると、上から下の順番に作業を行わないといけないらしいので、天井から貼っていく。天井が最難関みたいなのだが、順番的には最初という。めっちゃトラップである。

私のバイブル、壁紙屋本舗の動画を何回も見た。

見よ、この妙技!簡単そうでしょ。「おさえさん」も作ったもんね。

そしてなんとサプラーイズなのは、休みになった次男の蓮(レン)が遊びに(手伝いに)来てくれたのだ!!

私とカナメだけで貼るつもりだったのだが、彼も手伝ってくれるというのは百人力だ。大人が3人いれば、さすがに貼れるだろう。だって動画では女性が二人でサクサク貼ってらっしゃるんだから!

ちなみに、壁紙を注文する時には、以下の「初心者セット」も一緒に購入することを強くお勧めする。

もちろん個々に揃えることもできるのだが、作業が立て込んでいる時に、細々したツールのオーダー漏れがあったりすると、意外と精神的に堪える、壁紙を何点か購入するうちの一つだけ、「初心者セット」をつけておけばOK。

ちなみに「生のり付き」の場合、2週間以内に貼るように書かれてある。そのため、あまり早めに注文しすぎても良くない。2週間以上経っても、ビニール袋で密封できる状態にしておけば、そんなに簡単には乾かない。が、時間が経つほどに水分が壁紙の方にも染み込んできて、扱い難くなるような印象があるので、到着したらパパッと貼る、というスタンスの方が良いように思う。

で、天井から貼っていく。

天井の長さを測り、それよりも長めにクロスをカットする。天井は長方形型なので、長い辺と平行になるように長くクロスを切った。

かなり重い。

のり付きなので、のり面についているフィルムを剥がしてから、折り畳む。その端を脚立に乗ったカナメと次男のレンが壁に貼り始める。私は下から「おさえさん」で押さえているつもりだが、クイックルワイパーにつけた「おさえさん」は、軸が固定されていないので、グルングルンと曲がったりして、うまく押さえられない。そして壁紙の束はめちゃくちゃ重い.......

ということを忘れて夢中で貼っていったら、途中で重みに耐えかねてビリビリ、と一部が破れた。

ぎゃあああああああああ。

もちろん、多少の余分の壁紙はあるが、一枚丸々貼り直すほどはない。

カナメが叫んだ。

「仕切り直し!仕切り直し!」

せやね.......。

この時の3人の脳裏には、同じ想いがよぎっていたと思う。

「思っていたよりも、難しすぎる.....。っていうか、できる気がしない(涙)」

最も作業負荷が小さい私が、客観的に言うしかない。

「壁紙の重みに耐えかねて破れちゃうから、ここはちょっと(長方形の)短い辺(に平行)でちょこちょこ貼った方がいいと思う。この方向で貼るのは難易度高すぎるわ。」

全会一致で、単位を小さくすることになった。

この作戦は功を奏した。確かにモノが短いと扱い易い。

なんとか一枚目を貼れた時には、全員でハイタッチしたもんね(汗)。

家の中に壁紙を貼る予定の壁が、あとどれだけあるのかということは、この際考えないようにしようと思った。それを考えると泣き出しちゃいそうだったからだ。

いい調子で、二枚目も貼る。一枚目と二枚目の重なっている部分にカッターを入れる。切り取った壁紙を抜き取る。継ぎ目をローラーでコロコロする。

おおおおおおおおおおおおおお。

プロみたいやん!!!!

三枚目も貼る。四枚目も貼る。

めちゃくちゃ疲労困憊だったのだけど、なんとか天井クリア、である。

天井の壁紙貼りが最難関だと思っていた私は、これでもうほぼイケると思っていた。

韓国語のことわざに「시작이 반이다(始めれば、半分来たも同然)」というものがある。私の脳内がまさにこの状態で、しかも最難関クリア状態なんだから、もう9割ガタ終わったんじゃね?的なマインドであった。

実に甘い。

ここで少しおさらいしておくと、我が家のリノベには特殊事情がある。一般のご家庭では、ケイテンを貼った天井、壁、床の内装においては、パイプが表に出ている場所などあまりない。トイレくらいのものではないかと思う。トイレの給水パイプと排水の部分については、丸く切り取ったりしなければならないだろう。

それくらいだ。

しかし、我が家の場合はイレギュラーなリノベをしているため、壁からパイプがバンバン出ている。段差もある。そして、そのパイプが出ているのは、天井近く、つまり地上から2.5mくらいのところ。1本ではなく、たくさん(涙)。

その日は天井の壁紙貼りだけで夜になってしまった。天井の照明はまだついていないので、実家にあったデスクライト一つで照らしながら作業していたのだが、事故が起こりそうなのでとりあえず断念。翌日に作業を持ち越した。

ミズキさんによるとプロが複数人で作業すれば二日くらいで終わるということだったので、私たちもざっくり余裕を見て4日で終わると考えていたが、それは無理かも知れないと思い始めた。

それでも続けないと、終わらない......。

翌朝からは、最も広い面積を貼る予定の壁紙に着手した。コンクリート柄、である。こういう繰り返しの柄があるものを「柄リピートあり」と呼び、無地のものとは貼り方が異なる。ざっくり言うと、先に貼った壁紙に対して、2枚目以降は柄合わせをする、ということである。

壁紙屋本舗さんのご指導動画その他はこちら。

まぁ簡単そうに見えたので、早速貼ってみた。

天井とは違い、フラットで障害物のない普通の壁の壁紙なんて、ビックリするくらい簡単だと思っていたのだが、まず一枚目からもたつく(汗)。

まず、コンクリート柄ってこういうのである。実際に我が家が買ったものである。

縦にも横にもラインがある。かつ、コンクリート柄のラインをどのあたりに持っていくるのが不自然ではないかを考える。構造物として、コンクリートブロックをそうは配置しないでしょう、というようなことも考える。考え始めるとさらにわからなくなる。方針を決めたら一枚目を張るのだが、脚立に乗って天井の上のラインと並行になるように貼ろうとしているのだが、なぜか縦のラインが壁の縦ラインと微妙に平行ではない。貼ったり、剥がしたり、また貼ったりしているうちに.........

壁紙を持っていた端の部分がビリっと破れた。

(生のり付きの壁紙は、水分を吸っているから破れやすい、というのを後になって聞いた。ミズキさんから。プロは現場でささっとノリをつけて一気に貼るらしい。そうすると壁紙が水分を含んでいないから、カッターで切る時もサーっと切れるらしい。もうっ、早く教えてくださいよー。)

もうやだ。泣きたい.... orz

壁紙を貼る際には、実際の長さよりも長く切っておくので、その壁紙がそっくり無駄になったわけではないのだが、メンタルがもたない。それでも貼っていかないと次に進めないので、とりあえず貼り終える。

周辺をカットする。ここにもトラップが!

生のり付きの壁紙をカッターで切ろうとすると、うまく切れずにカッターの刃に壁紙が引きずられてカット部分がガタガタになるうううううううう。

壁紙屋本舗さんのお姉さんは、シャーって気持ちよく切ってたのに!!!!

シャーって全く切れない。

このカッターでうまくシャーっと切れない問題は、その後も延々と悩まされ続けたが、最終的に理解したことは次の通り。そして壁紙貼りにおいては、かなり重要なポイントである。

1)よく切れるカッターナイフを準備する。特に壁紙用のものがあるわけではないので、手持ちのものでOK。
2)カッターについたノリは、定期的に拭き取る。
3)替刃を多めに準備。切れなくなったらすぐに折る。信じられない位、すぐに切れなくなる。
4)カッターの先の辺と壁紙垂直になるように位置どりする。要するにカッターの刃が壁に対して45度をキープするようにする。

手伝いに来てくれているレンが、

「壁紙のカットについてのTIPSを教えてあげるよ。それは『よく切れるカッターを買う(使う)こと』だよ。まちがいないね。」

と言っていた。私もそう思う。ちなみに彼は帰国子女で、母国語が英語か日本語かどっちかわかんなーい、という人なんだけど、TIPSの発音がイチイチ英語っぽい..........。

もとい。壁紙貼りだ。

二枚目の壁紙を切る。長さを測って切る、だけではいけない。一枚目の柄に合う形で切り取らないといけない。柄を合わせて余分をとって切ってみると、50センチほどの無駄ができてしまった。

壁紙はメーター単位で買う。2枚貼るごとに1メートルの「使えない壁紙」が出る計算になる。

うううううううううううううううう........orz

仕方があるまい。前に進もう。

柄リピートがあるので、二枚目は、一枚目の端に重ねるように貼る。柄が全く同じところに来るように、二枚目の壁紙をパラパラ漫画のようにめくってみて、柄に動きがないことを確認する。が、こんなのやってらんない。

しかし。

コンクリート柄には縦にもラインがあり、このラインを無視して貼ると、ラインが消えてしまったり、不自然に二本並んだりしてしまう。なので、あまり無神経にもしていられない。

息を止めるようにして、脚立に乗ったカナメが上の辺を合わせる。中段の辺りでレンが柄合わせをする。

「ああああああ、そこそこ、空気入ってるう!!!」

と叫ぶのが私の役目だ。カナメとレンがせっせとハケで空気を外側に出す。端をカッターでカットする。

さて。

2枚の壁紙が重なった部分(ジョイント部)をどうするかというと、その重なりの真ん中部分をカットすればいい。

知らなかったのだが、壁紙の端は5ミリほど壁紙として使えない部分があるので、そこが残らないように切り取るのである。そして切り取った部分を取り除くと、1枚目と2枚目がシームレスにつながっているようにキレイに整う。その部分をローラーでコロコロすると、

「うそやん!」

と驚くほど、継ぎ目が見えなくなる。めっちゃ感動する。

ただし、あくまでもキレイに切り取れた時だけだ。

壁紙の端には、ノリがつかないように数センチ幅のカットテープが貼られているのだが、それも一緒に切り取らないといけない。

最初のうちは、自己嫌悪に陥るほどキレイに切れない。2枚目の壁紙とテープ、1枚目の壁紙とテープ、をキレイに切り取り、かつ壁を傷つけないように切る.......

無理ゲーに決まってるやん!!

というようなことを壁紙を貼る度に行わなければならない。

柄リピートのあるものについては、とにかく柄がキレイに続くように貼れば良いので、回を重ねるごとに段々と慣れてくる。まだまだキレイに切り取れないこともあるが、とりあえず失敗しながら、貼ったものを剥がして貼り直すようなことも多々あったが、時間をかければ、日数をかければ、いつかは終わる。

事前に計算したよりも無駄になる量が多く、途中で再注文をかけたりもしたが、とりあえず貼り終えた。

ところで、今回のリビングエリアの壁紙は2種類用意していた。コンクリート柄とアクセントクロスとしてのブルーの壁紙だ。そのアクセントカラーをどの壁に持っていくるかで熾烈なバトルを繰り広げてしまった。

私とカナメと私の意見は完全に平行線で、どうにもこうにも決着がつきそうになかったので、リノベ現場の写真と壁紙の写真を家族LINEに流した。2つのアイデアのいずれが良いか、もしくは他に良いアイデアはと聞いてみた。私とカナメのいずれの案とも言わずに投げたところ、美的センスに優れる長女セリから即答でアイデアが寄せられた。

カナメのアイデアと同じだった...........orz

泣いていいでしょーかー????

民主主義を支えるのが多数決、というわけではなくて、この辺りで私自身のポジションをぼんやり意識し始めたような気がする。

アクセントクロスを貼るのは、例のパイプがいっぱいある、高さ3メートルの高い天井から床までであーる。パイプは天井近く、地上2.5メートルか3メートルの間に密集している。

誰が貼るのよ.......。

正直言うと、壁紙張りの一番の難所がこれだった。そこで色々と考えたのは、

1)できるだけパイプは壁紙の端に持ってきたい(切り込みが半円分で済む)。
2 )高い部分の作業で重い壁紙を少しずつ貼るのは難しいので、小さい範囲に分けて貼るのはどうだろう。
3)凸角に端が来ないように、かつ最大限横幅を生かせるポジションを取りたい。

などなど、ない頭を総動員して、できるだけ素人の自分たちにもできることで、ある程度の結果が得られることをすることになった。結果的にパイプ部分を小さいブロックに分けて、一つずつ攻略することにした。

うまくいったと思う。

寝室の壁紙貼りは、パイプもなければ高い天井もなく、いわゆる一般家庭の壁紙貼りは、こんなに簡単なのか!と思うほどであった。もう壁紙貼りのスキルは習得できたように思う。もう怖くないもん!

さて、これで終わりではない。

コーキング、という作業がある。

コーキングとは、壁紙と壁紙の間の継ぎ目、壁紙と他の素材の継ぎ目などをキレイに仕上げることである。壁紙の色味に近いコーキング剤を購入して、先をカットすると、ケーキのチョコペンの様に樹脂が出てくるので、それを継ぎ目に沿って塗っていく。カッターの切り方がまずくて下地の壁が少し見えてしまっている部分も、コーキング剤を塗ると、なんと美しくなるのでしょう!

まさに壁紙業界におけるコンシーラーである!

このコーキング作業は、難易度が低い割には効果がプロ並みw

ほいほいと作業を続けていたが、ある時点で手が止まる。

アクセントクロスと同じ色のコーキング剤がない........。

どこにもないない。しかもアクセントカラーなので、継ぎ目のミスが目立つこと目立つこと。真っ青な壁に白っぽい筋が見えて、なんとかして消したい。

色々と検索をかけてみて、プロの業者さんが、コーキング剤の色を自分で作るという記述をみつけた。クリア(透明)のコーキング剤にアクリル絵の具を混ぜてみると何となく使えそうだった。

そして、我が家のブルーの壁紙は、普通のブルーとは違うようだった。あかん。画材屋さんに行かないと.........。

いかんせん、我が家は田舎。近所に画材屋さんなどない。仕方がないので、ネットで見つけた画材屋さんまでJRに乗って出かけて行った。

私ら.........確か.......リノベをやってるんだよね.......なんで画材屋さん......

と思わなくもないが、壁紙の切れ端を手に画材店に到着。アクリル絵の具がどこにあるかも分からない。お店のお姉さんが話しかけてくださった。そして壁紙を手に色々と一緒に色を探してくださった。

そして候補になりそうな色を数種類購入した。

自分でもびっくりしたのだが、その壁紙の色味は「ジャパネスクカラー」にしか存在しなかった。つまり「和色」と呼ばれる色だったのよね。めっちゃあざやかなブルーだと思っていたのに!

ここから実際の色味が出せるようになるまで試行錯誤があったのだが、なんとか色もできて目立たないように隠すことには成功した。

もう、細かいトラップがありすぎだったけど、なんとかここまで来たよー。


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