世代間闘争の芽を自分の中に見つけてビビる

今回の感染症は、ある意味「世代間闘争」の色合いが強いらしい。欧米では「#BoomerRemover(老害/団塊の世代の除去剤)」と若者が認識し始めていて、「だって若い人は感染しても死なないもん!ウェーイ。オヤジ◯ね」的にパリピっぷりをInstagramに上げたりしているらしいし。

分からないでもない(汗)。

日本も、年金がっぽり医療費手厚く、ただの人口ボーナスで潤っただけなのに、近い将来の問題に対して解決策を出さずに若い世代にツケを払わせようとする高齢者に対して、こういったどす黒い感情が芽生えても不思議ではない。

私は50歳代だし、カナメも同じく。かつ高血圧の薬を飲んでいる。彼の父親は糖尿病を患っていたので、多少はその体質を受け継いでいると思われる。ぶっちゃけ死にたくないかと言えば、子供たちや親戚のことを考えると、今この時に死なない方がいいとは思うが、そういう状況になったら、まぁ仕方がないかとも思う。人生いろいろあったけど、概ね全力で生きた方だし、あまり自分の人生に後悔はないねってカナメといつも言っているからね。

が。

今じゃない。

こんな次世代に対しての生産性のほぼない私たち世代が、こんな大事な時期に病気になって、利用可能なICU病床や人工呼吸器を長期間占有することになったら、申し訳なくて死ねない(汗)。死ぬならもっとリソースが余っていて、病院側が個室に入れと営業かけてくるくらい、のんびりした時期の方がいい。

なので、感染してはいけない、という自覚はある。

そうして毎日毎日めっちゃビビっている。

買い出しに出かけて帰ってくると、マスクを外し、とりあえず手を洗い、うがいをして、e angleのオキシモアの電源を入れて、ジャケットその他にオゾン攻撃をかける。ドアノブとかエレベータのボタンなどにもシャーシャーする。

オキシモアってこれね。

ちなみに、うがい薬はこれ。めっちゃ愛用してる。

外気へ直接触れた服は洗濯機行きである。

マスクは袋に入れて一定数たまると、中性洗剤で洗い、塩素系漂白剤につけて洗って干しておく。とりあえず新品のマスクの在庫がなくなったら使えるように置いておくのだ。

という様にバタバタしている。

カナメは言う。

「オレ、バンリがそんなに神経質やって知らへんかったわー。へぇ~!ばあさんになると、そうなるもんかねー。まぁまぁ落ち着いて、ばあさん、こっちでお茶でも飲んで。」

ドタマかち割られるのと、パチキ入れられるのとどっちがいいですかねーっ??
(注:大阪人は普通にこんなことを口にしますが、ほんまにドタマかち割ったり、パチキ入れたりするのを目撃したことは一度もございません。)

四捨五入すると60歳側じゃなくて50歳なんですが。ばあさんですか、私は。

とにかくまだ起こってもいないことに先回りしてバタバタする私のことを、カナメはバカにするのだ。

でもさ、私の今の心境はこれだ。

「一年後にバンリは大げさだったと笑われたい」

なのであーる。

高血圧のカナメに絶対、ウィルスなど近づけてはいけない。

と、いつも思っておるのである。

が、もともとアウトドア気質なカナメは、何かにつけて外に出たがる。もともとリテイルセラピー的なとこあったしね。お買い物に行きたいわけだ。

食材の買い出し回数を最小限にすべく、ネットで色々と買い揃えている。そう言えば、今日、アマゾンから届いた箱を受け取りながら、配送のお兄さんに「お忙しいですか?」って聞いたら、「もうめっちゃくっちゃ忙しい。もうめたくた、めたくた忙しいいいい。」と言われた。だろうな。

ネット通販を利用している私としては、買い出しそのものは、週に一回くらいでもいいのだが。なにかにつけて外に出ようとするカナメにつきあって、ちょっとウォーキングに出かけて行った。そのついでにスーパーにも寄っちゃう。

まぁいっか。卵も買わないとだし、牛乳もたくさん買った方がいいね。安くなってるといいな。根菜はまだあるから、葉物の野菜も買わなきゃ、だな。

そんなことを考えながら、久しぶりに長い長い距離を歩いた。っていうか、田舎だからさ、人にはそんなに会わない、とは思っていたのだが......

その大きなスーパーが近くにつれ、人をそこそこ見かけるようになった。そしてスーパーに入った途端、私は割とびっくりしてしまった。

「こんな田舎に、こんなに人がいたのか!?」

というほど、人がいたのだ。

まぁ我が家は田舎なんだけど、カナメによると、人の流れが変わって、そのスーパーマーケットのある場所くらいから、そこそこの人口はいるはずだということだった。

なるほどね。確かに田舎と言っても限界集落に住んでいるわけではなく(汗)、我が家の周りに人がいないだけなのだということを少し理解したのだが。久しぶりに多くの(と言っても都会のそれとは全く密度が違うのだが)人の流れを見ながら、少し心躍りながら、ポンポンと食材をカートに入れていく。

若いファミリーも多く、やっぱり若い人がたくさんいるのは華やかねー、とニコニコしながら歩いていたら、私の目の前に幼児二人がふざけながら飛び出してきた。当然、その子たちはマスクなどしていない。大きな声で、キャーキャー言いながら走り出してはふざけて止まったところに、偶然私も居合わせてしまっただけのことなのだが。私の脳内が異常反応をしたのだ。

「バイオテロ..........」

違う。

違うよ。

ただの子供だよ。テロじゃない。武器でもない。テロじゃねーよ。

でも一瞬脳内がその単語で一杯になった。

どうしちゃったんだろう、私。

私自身にも子供がいて、4人育てて、子供の友達もいっぱい遊びにきて、その子たちのこともめちゃくちゃ可愛がってて、子供と見たら「可愛くて愛でるしかない」と思うほど、子供好きの私が?

怖すぎる。子供が武器に見えるなんて。

そこで少し理解したことがあったのは、50歳代、基礎疾患なしの私でさえ、無防備に目の前に突撃してくるマスクなしの子供に、一瞬でも怯んでしまった。それならば、さらに高齢の方や基礎疾患がある方で、「絶対に感染させられたくない」と思っている人にとっては、無防備な子供は凶器に見えるかもしれないのでは、と思うに至った。

子供を持つ親御さんはマスクをしているのだが、咳もしていない子供に予防のためのマスクを強いるのは酷だ。息苦しいし、どうせすぐとっちゃうし、手で触っちゃうから、それは仕方がない。

そうなると、本当にできることは、感染してはいけないと思う側が、徹底的に自衛するしか方法はないのだ。

でもさ、世の中には良い人もいれば、めっちゃ狭量な人もいる。黙って一人でそそくさと帰って引きこもるならいいんだけど、何でもかんでも一言物申さないといられないオッサンやオバサンもいるわけだ。いつ何時、そこここで、高齢者と若い世代がリアルにバトる時代が来ないとも限らない。来て欲しくないけど。

とりあえず、そういう人にならないように、自分たちの身だけは守らないとだな。

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