2.6 大小まとめて家具と家電を片付ける

 衣類と本、書類を片付けながら、大きな家具や家電の類は自然と一ヶ所に集められていた。
 最初のうちはすべてをメルカリ出店しようかと思っていたのだが、途中で何度かメルカリで類似品を探してみたところ、思ったよりも安値で取引されているのを見て、売れ残った時の廃棄の手間を考えると、解体(&廃品回収)業者さんに一括で引き取って頂く方がいいようにも思えた。

 大型の家具は動かせないので、廃棄するもの、残すものを決めた。残すものはプロにお願いして移動して頂く。使えるかどうかわからない電化製品の多くは廃棄することにした。カナメが見て「これは価値があるかも」と思うものはいくつか残した。残されたものは、まだそのまま手もとに残っているので、これからどうするか考えないといけない。とはいえ小さい家電の場合は、無料で廃棄できる場所もあるので、最後には捨てることになるかもしれないが........

ある程度の大きさのものを取捨選択するのは簡単なのだが、いかんせん量が半端ではない。

 廃墟同然だった実家であるが、そもそも小さいながらも6階建のビルである。スペースだけはある(実際は、そのすべての階になんらかのモノが置かれていたので、もともと空きスペースがあったわけではないが......)。衣類と本の片付けの効果は絶大で、複数回に渡るゴミ廃棄の結果で空いたスペースに、分別済みのものを配置していく。4階部分には残すもの、3階部分に廃棄するものを置くことにした。理論上はこの3階にあるものだけを廃棄すればいいことになる。

 大量の衣類が入っていた衣装ケースは数十箱にも及び、その多くが空になったので、そこに残すモノを入れて4階へと運ぶ。家具家電だけではない。義母は造形美術に明るく、作品も多く作り上げていたので、その作品などもどんどん4階行きだ。

 そして大量の布団、寝具、座布団なども移動させた。アマゾンで布団(座布団)圧縮袋を大量に購入して、残す寝具はその圧縮袋に入れて掃除機で容積を落とす。圧縮袋に整理された布団を見ていると、雑然と押し入れに突っ込んであったものとは別物の様に「使える寝具」として生き返ったように見えた。明らかにシミがついていたり、羽毛が飛び出しているようなものは廃棄処分にするのだが、キレイな布団も多くあった。それらを圧縮袋に入れたとしても一般家庭が使う量の数家庭分くらいある。これ以上の取捨選択は私では判断できない。カナメも捨てる理由がないと言うので、とりあえずは保管だ。

 それにしても、5枚組(またはそれ以上)の座布団セットが6組ほどあったのは驚いた。と同時に、昔の義母の苦労に少し思いを馳せたりもした。そう言えば結婚してすぐの頃にカナメの祖父の13回忌があったのだが、親族一同が家に集まったことがあった。その時の人数を思いだすと、これだけの座布団が必要な時代だったのだなと思う。お坊さん用のキラキラ高級座布団も何枚かあった。その時は長女をおんぶしながら深夜遅くまで義母たちとバラ寿司を大量に作ったりと準備に追われたなぁ.........。今思うと、不思議とそれが嫌ではなかったことを思い出した。
 モノは多く残して整理はできなかったけれど、ずっとずっといろんなことに気遣いをしてくれて可愛がってもらったことをあれこれと思い出した。毎日毎日片付けに追われていると、時々言いようもないダークな気分に陥ることもあるが、義父母の真面目で誠実な人柄が手に取るように分かるモノに出会うこともあり、その度に心が浄化されるような気にもなった。

それにしても......

レトロな木の机、電話台、初代iMac、英文タイプライター、コンピューター用の机、暖房器具、マッサージ機、カラオケマシン、孫のおもちゃ、お中元やお歳暮の箱がそのまま積み上がっていたりもした。結婚式の引き出物と思われる高級食器やカトラリーセットもあった。お盆だけで数十枚......

今すぐメルカリ出店するような気力もないので、とりあえず分別だけ進める。

あともう一息だ。


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