地方都市住まい、そもそもの発端

 今でこそ、「地方都市住みええで、一択や」などとのたまう私であるが、最初から狙ってやったわけではない。

そもそも、日本に定住する気がさらさらなく(だからこそ、エストニアに会社なんぞ作っておいたのだが)、グローバルノマドする予定なら、家財道具一式の保管場所&帰国時の一時的な生活拠点を、できるだけ安く抑えようと思ったのだ

子供たちは全員首都圏にいたので、そこに住むことも考えたのだが、カナメはそのコストも高すぎると考えた様で、言わばなし崩し的に、誰も住まずに廃墟化していた彼の実家(ミニビルの1フロア)に住むことが決定した

その時は、カナメ自身も、これほど長期的に住むことになるとは予想しておらず、とにかくコストをかけずに住めるようにリノベして、それと同時に残されたモノの整理と掃除とメンテナンスを終えればいいと思っていたらしい。

その言葉通り、リノベが終わった翌月には、避寒も兼ねて台湾の高雄(台湾の南部に位置しているので、冬でも暖かい)に飛び、楽しい年末を過ごしていたまさにその最中に、そのエアビーのカフェに設置されているテレビから、「SARS様の感染症が武漢で発生している」という第一報を知った。

当時、台湾では、選挙の話題とともにトップニュースになっていたので、朝にカフェでコーヒーを飲みながら見る番組としては、なかなか刺激的ではあった。

それ以来、この地方都市に住んでいるが、意外に快適で不満もなく、自分自身もびっくりしているほどだ。

当初の予定は、マレーシアに移住するということを考えた。3週間ほど滞在したマレーシアが、食べ物も美味しいし、医療水準が想像以上に高く、英語も通じるし、不動産も物価も安いし、かなり気に入ったのだ。

とは言え、台湾も捨てがたく、他にももっと快適に暮らせる場所があるのでは?ビザが取得しやすい国は?と色々と探しているうちに、医療保険の問題にぶちあたった。長期滞在すると、医療保険のコストがかなりかかると感じた。そして日本の医療保険も維持しようとすると、二重にコストがかかることになる。

そこで、海外旅行保険がついているクレジットカードを複数保有することで、その問題を解決しようとした。つまり、

日本を拠点にして、寒い時期には避寒、暑い時期には避暑を兼ねて、3ヶ月(90日間)以内で海外に滞在しては帰国し、しばらく日本にいて、また3ヶ月ほど海外に行く

という方向に決まった。

これは、かなり長い間、色々なパターンを考えて情報収集をした上での結論なので、参考になる方もいると思う。

これならば色々な国に滞在できるし、医療保険についても特に困らず、不動産を購入したり、その維持費が必要になることもない。そして、あちこちのエアビーに滞在してみて感じたのだが、色々なタイプの家に住むこと自体が、非常に面白い体験であるということ。マーケットの近くに住んでみたり、プライベートプール付きのリゾート物件に住んでみたり、住む場所にも制限を受けずに自由自在に動けるのも醍醐味であった。

とは言え、今は海外にひょいひょい出かけることもままならない状況で、それがあと何年続くかも分からない。国内旅行すらままならない。そのため、この地方都市で日々を送っているのだが、意外と困ることがないというのが現実である。

最初から狙ったわけではないが、

地方都市に住むことは、種々の理由からオススメできる

という結論に至った。車がなくても生活できる程度の地方都市がいいよ。



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