スーパーのイートインでのリアル

 子供がいながらのフリーランス翻訳者だった私は、いついかなる場所でも仕事ができるような体になっている。どんな大音響の中でも、一瞬でラップトップの画面の中に没入して集中できる。

 海外にいる時は、かなりな都会に住んでいたので、どこにいても数分歩けばカフェを見つけることができた。韓国ではコンビニのイートインが充実し始めており、電源もWiFiも確保しつつ、階下のコンビニで購入した珈琲とチョコレートをつまみながら、作業に没頭したものだ。

 日本に帰ってきてからは田舎住まいなので、カフェで仕事するような環境はあまり多くはないのだが、最適の場所を見つけた。スーパーマーケットにあるイートインである。

 コンビニの中には充実したイートインを備えているところもあるのだが、なんとなく長居できる雰囲気ではないので、ラップトップを広げてがっつり仕事するモードにはなりにくい(でも、やる時はやるけど)。そのため、とにかくショッピングセンターや大型スーパーに行くと、必ずイートインの場所とWiFi環境と電源をチェックして、脳内の「カフェワーク対応店リスト」にしっかりと刻み込む。

 さて。

 そこで、時々周囲を見渡して、人間観察をしてしまう。

 カフェにいると、そういうことは一切せずに没頭できるのだが、スーパーのイートインというのは、カフェと違って利用者の層が幅広いのである。そこで垣間見える人間の行動が、私の想像の域を超えていることがあり、めっちゃ興味津々で見てしまうのである。

 私はいつも、イートインに併設されている「挽きたてコーヒー」と書かれたマシンのモノを飲まずに、かならずスーパー内で一つドリンクを買って、レジで「あ、これはイートインでいただきますので」と言って買ってくる。この時のレジのお姉さんの反応で、その作業が頻繁にあるのか、ほとんどないのかがわかる。

 まぁ、ほとんどない(汗)。

 やり方がわからずに隣のレジに聞きに行くお姉さん、えーっとえーっと言いながらボタンを探すお姉さん。今日のお姉さんは、そのボタンをすぐに見つけられたみたいだが「税率変わるんや.......」と独り言を言っていた。まぁ、イートインなうな私の周辺にいる人達、めっちゃスーパーで買ったものを食べてるけどな(汗)。まぁそれはいいとして。

 正直、軽減税率なんてシステムを考えてゴリ押しした某政党には、一言なんか言ってやりたい気がするのだが、とにかく形骸化しているので、意味ないですよー、とだけ言っておく。

 さて。

 本日、私の大注目だった方は、一人でやってこられたおじいちゃん。マスクもせずにおもむろに、ドリンクコーナーの端にある洗面台で、ガラガラやりだした挙げ句に、めっちゃ咳き込んで、そのついでにタンを洗面台に吐き出した。ペーパータオルを一枚引き出して、顔をふいてついでに鼻もかんでいったよ。

 トイレに設置されている洗面台での行動としては、特に問題はないのだろう。だがしかし、その洗面台のすぐ隣に、お茶とお水のディスペンサーがあって、めっちゃ水が飛び散っていてビビりまくり

 そしてその直後に別のオバサマが登場し、そのディスペンサーの洗面台側に設置されている紙コップから一枚とりだし、ボタンを押して給水。もしおじいちゃんが感染者だとすると、ウィルスは完璧に隣のディスペンサーにつきまくりだろう。特にボタンに付着したら、何人もの人の手に移動していくのが容易に想像できた。

 個人的に神経質な方ではないのだが、「見えているリスクは潰す(なぜなら見えてないものが他にもいっぱいあるけど、それには対処しようがないから)」スタイルなので、自分のコントロール下にあるものは、できるだけやろうとしてしまう。

 つまり、お店側になにかをしていただこうなんて思ってはいないのだが、こういう風にウィルスは人を介して伝播するのだなと思うと考えさせられた。田舎で感染拡大していない理由は、みんながちゃんと対策をとっているからでもなんでもなく、そもそもウィルスがそこここにいる状態にはなっていないだけなんだろうなと思うようになった。

 だって、みんなめっちゃ無防備だもん!!

 もちろん、インフルエンザの患者数も例年に比べて少ないということは、マスク手洗いの効果だと思うのだが、それでもウィルスが蔓延している状況では、それを防げない人が大量に出てくるはずで、やはりそれほど田舎には蔓延してないんだろうなとは思う。

 自己防衛あるのみだよね(汗)。

 手洗いしたら、ハンカチやタオルで拭かずに、使い捨てのペーパータオルに限るよ。ちょっと割高だけど、ペーパータオルが設置されていないお手洗いでは大活躍。

 自宅には、これを置いてある。コストコオンラインで購入。切り取る時にちょっと力がいるんだけど、顔を拭いた後に、洗面台のちょちょいと拭き上げておくと、快適だよ。

昨年、これを見てめちゃくちゃ戦慄を覚えたのだが、シャレにならない内容で、固唾を飲んで見入ったよ。おすすめ。



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