3.14 デザイン性 vs 機能性
キッチン、シャワールーム、洗面台。私が考えるシンプル設備を「チョー素敵」に具現化したかのようなSanwa Companyのショールーム。
もうすべてSanwaさんで揃えたい気持ちが沸き起こってくる。お金さえ出せば何とでもなるし、ぶっちゃけ出せない金額ではない。そこまで出したくはないけど(汗)。でも悩みは「そこまで出してもビルトイン食洗機はつかない」という事実。お金で解決もできてない..........orz
素敵なキッチンに決めて、食洗機を諦めるか。いやいや、それは本末転倒だと心がグラグラ、脳がグルグル。せめて洗面台だけでもシンプルなSanwaさんにしたいなぁ。そうするとキッチンとの整合性がとれないかなぁ。
カナメが言う。
「Sanwaさんの洗面台、確かにかっこいいんだけど、どうなのかなぁ。使い勝手としては。洗面台については、いわゆるメーカーさんが出しているようなのが、やっぱり使い勝手がいいんじゃないかと思うんだよねぇ。」
はぁ?
私がとにかく嫌なのは、金太郎飴のような無個性な日本のお仕着せ住宅設計なのよ!どこにでもありそうな、どこかで見たことありそうな、もうそんな家には住みたくないよ。カナメもそれに同意してくれていたはずなのに!ここまで悩んでなぜ大衆迎合メジャー路線に行かなきゃいけないのだ!!オレたちは常にマイナー路線だったじゃないか(違。
と必死で抵抗。カナメは気持ちはわかるけど納得できないと言う面持ちだった。
リノベについて考えることは、とても楽しいことだと思っていたのだが、実際は苦しいばかりで光明が見えない。ここで踏ん張ってしっかり考えておかないと、後で絶対に後悔すると分かっているから、なんとか気力で踏みとどまっているのだが。
実は。
ずっと気になっていたことがあった。Sanwa Companyでアポをとって対応してくださった若いイケメンスタッフくんが言った言葉なんだけどね。
彼に向かって、製品のデザイン性を延々と称賛していた私だったのだが、ステンレスの素材が意外と傷つきやすいという話になった時だ。実は総ステンレスのキッチンにしようと思っていたので、その表面加工について聞いてみたら、割と簡単に傷がついちゃうので注意が必要とのことだった。ステンレスにも種類があって、表面加工されていて傷つきにくいタイプもあるそうなのだが、私が考えていたモデルはそうではなかった。
しかも。私は作業は手早いが全くもって丁寧ではない。キッチンではドタバタ音を立て、ステンレスボウルやキッチンツールをシンクに投げ入れる勢いで作業する。一日で傷つきまくる未来しか見えない。
そういえば。
国内にはシステムキッチンを出しているメーカーさんはたくさんあって、ショールームで色々と説明を聞いたのだが、各社とも商品開発努力に余念がなかったことを思い出した。
キッチンにおいては、傷つきにくい素材であることは当然も当然、シンクの傾斜にすら英知がつまっていた。素材の中には色移りしにくいもの、簡単にスポンジだけで汚れが落とせるなど、それはそれはよく考えられていた。各社とも考え得るすべての悩みを解決します!という勢いで製品開発されていて圧巻だった。私は買わないけれど、子供を育てている時期なら、欲しかったと思う。
イケメンスタッフくんは続ける。
「まぁ、うちはデザイン性重視ですからね。機能性はちょっとそこまでではないというか、そこじゃないんですよ。」
お兄さんの本音にハッとした。
「デザイン性重視で、機能性は後回しなのか......」
その時は、なるほどね、と思うだけだったのだが、なぜかこの言葉がずっと脳裏に残っていた。
デザイン性重視とは。
確かに私は都会的な雰囲気の漂うキッチンにしたかったんだけど、機能性が後回しになるってどゆこと。それって私たちが目指していたものなのかなぁ。
違うやん!それじゃ、単なる見栄っ張りやん!
機能性もあって、デザインも素敵ならわかる。でもさ。デザインは素敵ですが使い勝手悪いんですよ、というのは今回のリノベの趣旨からも大きく外れてるやんか!
というところに気づくまで、何ヶ月かかってんねん、私。
そして素敵な洗面台は、手を洗う以外のことはできそうにもなかった。オシャレ着をつけ置きすることも、お風呂に入れないときにシャンプーするなど無理ゲーだ。機能性がないというのは、そういうことだ。
多分、カナメは最初から分かっていたのだと思う。が、もともと私は人の話をあまり聞かない。たとえば、自分の中にノーアイデアなら素直に聞き入れるし、関心のないことは本当にどうでもいいから、カナメが決めればいいと思う。でも自分が関心のあることは、とにかく自分で頭を打たないと曲げられない。
すみません。今回も私が間違っていたのね。
ちなみに。Sanwaさんの名誉のために。
たとえば自宅キッチンでお料理教室を開催しているような方には、本当にいい選択肢だと思うのだ。シンプルでめちゃくちゃ素敵。見せる(魅せる)キッチンを演出してくれる。ただ、ガサツでキッチンにお金注ぎ込みたいわけではない私にとっての最適解ではなかっただけだ。そして、お仕着せの設備に飽き飽きしている方は、ぜひ一度、Sanwa Companyのショールームに足を運んでみてほしい。自分の脳内がいかにお仕着せに慣らされているかを思い知らされる。そして自由に選べるとしたら、こういう選択肢もあったのだと気付かされる。興味深い設備が満載で、かつ「ハイセンス」である。個人的に応援したい企業である。
さて。シンプルで、安価なもの。最低限の機能性があるものを探さねば。
また振り出しに戻ったのかな。
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