2.5 何はなくても軍手とマスク

 実家の片付けをする際には、絶対に用意すべきグッズがある。それが軍手とマスクである。

 我が家の場合、物持ちの良い義父が、自らの作業用に購入したと思われる軍手とゴム手袋が大量にあり(本当にめっちゃくちゃ大量にあったのよっ!)、それは廃棄せずに置いておいた。マスクも何枚かあったが使う気にはならず、これは新たに購入した。

とにかく軍手をしておかないと本当に危ない。どこから何が出てくるかがわからないから、そもそも軍手なしに片付けようという気にもならないと思うが、少し気を許して素手で触っていたら、「なんでここにこんなものが????」と驚くような場所から驚くようなもの(たとえばカミソリの刃とか.....)が出てきたりする。薬品が溢れていたり、ガラス瓶が割れていることもある。ペーパーカットしてしまうこともある(作業を終えたつもりになって、軍手をはずし、最後に段ボール箱に手をかけてペーパーカットしちゃったことが何度もあった。段ボールは怖い(汗))。

 化粧品、洗剤、液体の何かを廃棄するには、そのままでは捨てられない。問題なく排水溝に流せるものもあるが、スプレーなどは屋外でゴミ袋に向けてすべて中身を噴出させたりする。そういう時は手に液体がつかないように厚手のゴム手袋をしておく必要がある。そして瓶や缶など種類ごとにまとめて資源ゴミに出す。中には「うっわー、これめっちゃ高いやつやん」という化粧品を見つけたりするが、10年以上経っている化粧品で使えるものなど一つもない。クリームなどは中をティッシュで掻き出す。
ボディーソープは、お風呂の掃除などに使ったりもしたが、いつまでたっても減らないので、最終的には中身を流すことになる。

こういった作業のすべてを素手で行うのは非常にリスキーである。そして、このたった一枚の布やゴム素材で手が守られているという安心感は絶大である。未知のモノが堆く積まれた領域にも躊躇なく果敢に挑めるという闘志を授けてくれる。

 そしてマスクである。長い間、開かずの間になっていた空間には、ゴミや埃、ダニやカビなど、吸い込んではいけないものが大量に存在している。ものを動かす度に、それらが舞い上がり空間内を浮遊する。マスクでカバーしないと自分の身が守れない(自分の頭よりも上の場所にあるモノを下ろす時には、ゴーグルやメガネで目をカバーする必要があることもある。ホコリやらなにやらが大量に降ってきて目に入ることもあるので.......)。

 さらに言うと、長袖長ズボンの方が安全だと思う。が、私たちが作業していた場所の多くは(真夏なのに)エアコンがなかったので、かなりラフな格好で作業してしまっていた。そのまま一日過ごしシャワーを浴びるとなぜか水が滲みることに気付いて見てみると、何かにひっかけたような浅い傷がついていたりすることもあった。と言っても私自身にケガの自覚は全くないのだ。

結果的にこれらの小さな傷が大事に至ることはなかったのだが、人によっては感染症につながることもあり得るので、片付けの際には多少の暑さはガマンして、全身フルカバーした方がいいと思う。


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