吊り革を決して触らない人たち

 少し前になるが、県を越えて(高速バスに乗って)、まぁ都会と言われるエリアに行ってきた。JR以外の私鉄のある場所に行くのは半年ぶりなので、ちょっと緊張しながら行ってきたのだが、そこでびっくりするような光景を目にした。

 某私鉄に乗ってみたら、かなり混んでいて、でも隣の人とは接触はしないレベルだったので、特に気にもとめなかったのだが、ドア近くに立つことはできず、吊り革にもつかまれず。とりあえず頭上にあるポールにつかまった状態で、自分の頭上に目をやった時のことだ。

手を上げているのが、ほぼ私一人だったのだ!!!

えっ...........と思って周囲を見渡したところ、同じ車両にもう一人だけ男性が吊り革に手を伸ばしていたのだが、その彼がなんと、

吊り革の輪の中に手を入れて、握らずに手首だけで支えていたのだ!

よく見ると、誰も吊り革につかまってない!!!!

えええええええええええ。

明らかに不自然な程、みんな足を踏ん張っていて、死んでも吊り革なんぞつかまらないぞ!という殺気がみなぎっていた。いや、そこまでじゃなかったかもだが。

田舎じゃ誰も気にしてないけどね!!!ここでは明らかに触らないようにしてるよね!

そこで、私はめっちゃ不思議になっちゃったのよ。

実は、私はバッグの中に、手袋と除菌アロマスプレーと除菌ティッシュとミニタオル2枚を常時持っていて、手洗いできない時は、周囲に誰もいないことを確認した上で(うそ。田舎だからデフォで誰もいないので、あまり確認したことない)、除菌スプレーをシュッシュッしてしまう。つまり、この状況であれば、とりあえず身の安全を確保するために、吊り革には絶対につかまってしまうはずだ。なのに......

都会の人ってすごい脚力!!!!

いや、私が疑問に思ったのはそこではなくて、吊り革を恐れるなら、なぜ彼らは使い捨て手袋をはめて電車に乗らないのか、という点なのだ。

その疑問は、すぐに答えが出た。

手袋しているとスマホを動かせないからじゃないかと。

足を踏ん張って死んでも吊り革つかむもんという方は、全員スマホ凝視していたので、そういう仮説を立ててみたのだが、家に帰って使い捨て手袋してスマホ触ってみたら、ちゃんと動くのよね。

そこで、また気づいたことが。

手袋して、吊り革つかまって、スマホ触ったら、スマホにウィルス移動するだけやんか..........orz

いずれにしても、スマホを後から除菌ティッシュで拭かないといけないわけで、そっちの方が面倒ということは分かった。

手袋して吊り革につかまって、手袋を外してスマホ触るというのは、揺れる車内で難易度高い。そんな面倒なことやってらんない。

最適解は、一切触れないか、私の様に吊り革につかまったら、次に手を洗うまではスマホにも自分の私物にも触らず、もちろん目鼻口に手をやらずに我慢する、の二択だ。

まぁ8割以上の人間は、吊り革につかまらないという選択をしてもおかしくない。

ところで、その時にあまりにもびっくりしてしまったので、東京に住む子供達にも様子を聞いてみたところ、東京でも多くの人が吊り革に触れないようにしているということだった。

なんか良いソリューションないの?

と思って調べてみたのだが、こういうのがあるのね!

要するに「マイ吊り革」を持ち歩くスタイル。

これめっちゃええやん。子供たちに注文して送っちゃおうかなと思ったところで、ふと考えた。これって革製でステキなんだけど、この吊り革に付着したウィルスの洗浄は、どうすればいいの?

と考えると革素材は違うのでは、と思えてきた。手は疲れにくそうで良い選択肢だと思ったんだけど。そこで別のものもチェック。

一瞬、これだとツルツル滑るんじゃないかと思ったのだが、どうやら吊り革に引っ掛ける部分(接触部分)にビニール素材のものがついている様で、とりあえず意外と安定感は得られそうに思えた。

で、私が昨年まで住んでいた韓国では、売れると見ればすぐに商品化しちゃうスピーディな企業カルチャーがあるので、すぐにこういう製品が出てきた。

ショッピングカートを紫外線殺菌して、吊り革をぐるっと一回転させると消毒済みになるという商品などが、ポンポン出てきたみたい。

ちなみに韓国ではこういう商品がすぐに出てくるけど、売れなくなったらすぐにディスコンになるという、今の時代では王道の「とりあえず出してみて、ダメだったら引っ込める」という、あまりにも正しい商品開発戦略をとっているので、ぜひ見習いたい。色々と手続きを踏んで考えている間に、世界は実行に移して経験値を増やしているのよねぇ。

そこで、私の結論なんだけど、吊り革を掴んだほうがいい状況になったら、事前に除菌ティッシュを一枚手に持っておいて、そのシートのまま吊り革を握って、シートはすぐに捨てるか、ミニタオルを常に複数持っておいて、ミニタオル経由でつかんでおいて、降りる時にジップロック袋にミニタオルを入れて持ち帰って洗濯する、というのでいいんじゃないかなと思えてきた。

逆に、吊り革を掴まないで脚力に頼るというのは、事故につながるから避けた方がいいんじゃないかなぁとは思う。今の御時世、隣の人に物理的にぶつかると、それも新たなトラブルになりかねないからね。

最も良い解決策は、公共の移動機関を利用しない、つまり自宅からリモートで仕事するか、自家用車で通勤するか、職場から徒歩圏(自転車通勤圏)内に住むか、の三択だろうと思うけれど、それが簡単ではないことも理解している。

全員が普通に座って通勤できる位に、人の動きが偏らなければいいとも言える。そういう意味では、ホリエモンさんの言うDynamic Pricingが解決に近づくのかもとも思う。

この本面白いよ!都知事選前に読むと更に良かったかも、だけど。サクッと読めるので、TSUTAYAさん併設のカフェで読むのも手かもw




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