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対面授業が奪ってきた権利

今年度、オンライン授業でなかったら、私は最悪死んでいたと思う。

否応なく Stay home

2020年2月頃から私は体調を崩しメンタルも壊していた。

終わらない倦怠感、頭痛、腰痛。3月中旬にはバイトにも十分に行けなくなった。4月が始まる頃には、1日布団の中で過ごすことも多かった。

世界中がstay homeをする中、私はstay FUTONをしていた。

救世主・オンライン授業

メンタル疾患は厄介なもので、気持ちと体調の両方に作用する。
体調が良い日は軽く散歩に行けるし、あまり気持ちも落ちない。でもダメな日は朝起き上がるのが辛く1日中泣いて、次の日は泣いた頭痛で目が覚める。

さらに厄介なのが、気圧や些細な一言、ちょっとした出来事で地の底まで落ちることである。一度大学主催の就活イベント(オンライン)に参加したら、「自己分析しましょう」といわれた。その頃自己肯定感0の私は「自分には何も良いとこなんて無い」とその日1日は何もできなくなった。

そんな"明日が元気かわからない体調”で、オンライン授業は本当に助かった。何故なら授業を聞けさえすれば大丈夫だからだ。

顔出しをしない集団授業なら、スマホのzoomから寝ながらでも参加できる。さらに授業映像そのものを送ってくれるオンデマンド方式の授業は、体調が良い日に受ければそれでよかった。週2時間のゼミさえ元気なら後は問題なかった。

もちろんこんな優雅なオンライン生活を送れたのは、私自身恵まれているというのもある。まず実家暮らしで、家はネット環境が整っていた。さらに、1・2年と単位をフルで取り、3年の今年は多少頑張らずとも卒業には響かない成績だった。(この頑張りすぎがメンタル疾患の原因でもあるのだが…。) 

だから最低限の授業だけを取り、たくさんの課題に追われることも少なく、時間的余裕が大きい中で生活することができた。

もし今年度の授業が、通常通り対面だったらと考えると恐ろしい。多分重い体にムチ打ち授業に出席し、症状をさらに悪化させていただろう。メンタル疾患には自殺に繋がるものもあるので、そのリスクも上がっていたかもしれない。

このニューノーマルな授業の形は、私にとってとても良かった。

因みに私以外にもオンライン授業で良かった人がいる。それが私の弟である。弟は現在高校1年で私立の学校に通っている。そして高校では、登校が再開されるまでの間オンライン授業の期間があった。

その時弟は生き生きとしていた。何故なら授業中に授業以外のことをやっても怒られないからである。

弟は大の数学好きで、すでに高校範囲の数学を終えているらしい。そんな彼にとって、既に分かっている授業を聞き続けるのは苦痛なのである。そのため先生に怒られずに自分の勉強に集中できる、オンライン授業の環境がとてもよかったらしい。

実際今でも、授業がオンラインにならないかと愚痴をこぼす時がある(笑)

対面授業が排除してきたもの

ここまで、“ここが良かったオンライン授業” を書いてきた訳だが、もちろん私は無批判にオンライン授業に賛成しているわけではない。オンライン授業には向き不向きやネット環境など様々な問題が絡んでいる。

一方で、ネット等では私や弟以外にも、オンライン授業賛成派の意見を目にした。

例えば、コミュニケーションが苦手な発達障害の一つASDを持っている大学1年生が、「友人を作る必要がないからずっとこれで良い」と喜ぶ話や、不登校の生徒がオンラインでの課題を提出したなどである。

これらの話は裏を返すと、これまでの学校教育は様々な人を排除してきたといえると思う。具体的には、私のような体調不良の人、コミュニケーションが苦手な人、人混みが苦手な人、勉強について行けないor先に進んでいる人等々…。実際、発達障害当事者の人の書いた本では、大学当時、聴覚過敏で授業を聞くのが難しかったと書いてあった。

だから私は、コロナが終わってもオンライン授業という形は選択肢として残しておいてほしいと思う。

別にコロナが終われば、学校に行きたい人は行けばよいと思う。友達と会い部活動やサークル活動をして、学校生活を謳歌すれば良いと思う。

その一方で、学校に行けない人、行きたくない人は行かなくてもよいのではないだろうか。それでも勉強できるということがこのコロナで証明されたのだから。

この選択肢が、コロナ後も恒久的なものであり続けます様に。

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