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涅槃からの逆走

息子(4歳)はあまり物欲がない。

外に行きたい、絵を描きたい、本を読んでほしい、など行動の欲求はあるが、おもちゃをねだられたこともないし、好きな果物も「あげる!」と分けようとしてくれる。

子供は欲求に抗えず、本屋やおもちゃ売り場で駄々をこねるばかりだと思っていたが、彼はそのイメージを覆してくれるばかりか、見習う点も多い。
勉強させて頂いております。

そんな彼が珍しく欲しいものがあると言ってきた。

「自転車に乗りたい。自転車が欲しい。」

なるほど。
最近はコロナも落ち着き、公園によく行くようになり、そこで自転車の練習をしている子供を見かけるようになったためだろう。

それにしても申し訳なさそうに言うので可笑しくなった。
それで良い。
欲を捨てて悟りを開くには早すぎる。

購入は快諾し、休みの日に自転車屋さんに行った。

たくさん種類があり色も豊富に置いてあったので、多少迷うかと思ったが、「これが良い」とシンプルな白の自転車を選んだ。

後々娘(2歳)が乗っても違和感なさそうなので、妻も心の中で、ナイス!と思っただろう。

先ずはペダルを漕いだ方が良いと言うので、補助輪もつけてもらい、そのまま持ち帰った。

その日のうちに公園へ。

50mほどの道を行ったり来たりしているだけだが、実に楽しそうに自転車に乗っていた。
少しスピードが出たらブレーキをかける慎重な運転をしていたので、心配なく見ていられた。暴走族に入ることもなさそうだ。

ペダルをしっかり回せるようになったら、補助輪を外そう。

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今まで自転車に乗れない人に数人出会ったが、一人を除いて長崎出身であった。長崎は坂だらけなので自転車が用をなさないのだ。

大学生の頃、友人が自転車の練習をしているのを見ていたが、フラフラしながら乗るのがやっとという感じで、曲がるのは降りないと出来ないという有様だった。
「もう自転車にはのれんかもしれん。」
と悲しそうにしていた。

がんばって自転車乗れるようになってもらおう。


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