キヤノンマーケティングジャパン社研修に難民講師が登壇!WELgeeの企業研修プログラムを導入してみませんか?

WELgeeでは、企業様のダイバーシティ&インクルージョンを推進し、異なる背景を持つ人材が活躍できる日本社会の素地をつくることを目的に、企業向けのセミナー事業を行なっています。

本記事では、WELgeeのセミナー事業の概要や特徴、利点を紹介するとともに、実際にキャノンマーケティングジャパン株式会社様で開催した新人研修プログラム 「Business for SDGs 研修 2021」についても紹介しています!ぜひ最後までご一読ください。

セミナー事業とは?

WELgeeでは難民の方々との交流を通して、参加者のセルフ・リーダーシップ育成を目指す企業研修プログラムを提供しています。研修は、WELgee職員や「アンバサダー」と呼ばれる難民講師からのプレゼンと、社会や組織の課題の解決に取り組むワークショップから構成されています。

▲セミナー事業やアンバサダーの他事例はこちら。

プレゼンでは、WELgee職員から「難民」を取り巻くマクロな現状を伝えます。難民を取り巻く課題の根本的な原因の幅広さ、課題解決のアプローチの潮流、課題やアプローチを取り巻く環境の変化についてお話をし、難民問題の複雑性について多角的な課題の側面を知っていただきます。またWELgeeが当事者のニーズを基にどのように課題解決を行ってきたのかの道筋についてお話をします。

アンバサダーには日本に暮らす難民当事者として、自身のライフストーリーを共有いただきます。日本ではあまり語られることのない国内の難民問題という新しい世界に触れることで、 単一的な価値観から脱却し、今までの組織になかった新しい視点や多角的なマインドセットを育むことを目的としています。

ワークショップでは、課題解決の中で自ら考えて課題を発見し、それに取り組む力を育むことで、セルフ・リーダーシップの醸成を目指します。

WELgeeのセミナー事業では、企業様の組織課題や、参加者に期待する行動変容に寄り添いながら、研修を組み立てます。そのため、研修前には企業様と組織の課題発掘を行い、企業様の意向を元にワークショップの課題を設定します。そして、当日にその解決方法について参加者に自ら議論していただきます。WELgee職員やアンバサダーも議論に加わりアドバイスを行います。

組織の立ち上げを経験した職員やアンバサダーならではのプレゼンとワークショップを通して、参加者の新しい視野や課題解決力を育成するプログラムとなっています。

▲セミナー事業について詳しくはこちらから。

実際のセミナーに密着!

2021年5月12日、キヤノンマーケティングジャパン株式会社様のオンライン新人研修プログラム「Business for SDGs 研修 2021」にて、就労伴走事業部統括 山本菜奈、PR部統括 林将平、そしてナイジェリア出身のアンバサダーのVさんが登壇しました!

この研修は「キャノンMJグループとして、社会問題の解決に強い問題意識を持ち、社会に貢献するためのビジネスを自ら考え行動し実現する力を持った社員を創ること」をテーマに新卒入社の社員の皆さま約80名に向けて企画されたものです。

CSRをビジネスにつなげるというイノベーティブな価値創造を体験してほしいというキヤノンマーケティングジャパン株式会社様の想いに寄り添う研修を、WELgeeがともに開発・実施しました。

ソーシャルビジネスをゼロから起こしてきた実践者であるWELgeeだからこそできる研修の様子を以下にリポートします!

WELgeeだからこそ提供できる新しい価値観

当日はまず初めに就労伴走事業部統括の山本から、世界の難民発生状況や日本での難民受け入れの状況についてプレゼンを行いました。

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▲研修内でプレゼンを行う就労伴走事業部統括の山本。

「難民」という言葉の向こうにいる、多彩な才能にあふれた人たち。彼らが日本社会で自分自身を発揮できないのはもったいない。その想いから始まった難民人材のマッチング事業であるJob Copassの事業内容や、どのようにゼロから事業を創出したのかについて詳しく紹介しました。日本での就労が実現した難民の方々の事例や難民の方々が日本でのキャリア形成においてぶつかる壁、またJobCopassの詳しい伴走プロセス等についてもプレゼンしました。

▲就労伴走事業について詳しくはこちらから。

「難民の方々の存在をHRとしてとらえる考え方はとても新鮮だった。私たちのように新しいイノベーションが求められる企業にとって、多様な背景や経験を持つ難民の方々のアイデアやスキルを有効活用するという考え方は重要だと思う。」

「難民ということも個性と言えるような世の中になる日がくればいいなと思った。」

参加者からは上記のような感想をいただきました。WELgeeならではの新しい視野を提供するプレゼンとなりました。

「難民」ではなく一人の人間として

続いて、Vさんが自身のライフストーリーについてプレゼンしました。

貧困や殺戮が「日常」だった子供時代。海外のテレビ番組や映画を通して、それが「当たり前」ではないと気づきジョージアへ留学した経験。母国の情勢や自身の政治的信条によって難民となった経験。そして日本の文化や高度経済成長の歴史に興味を持ち来日してから日本で経験したことや、現在広島大学で行なっている研究についてなどについて紹介してくださいました。

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▲研修内でライフストーリーを語るVさんの様子。

難民当事者であるVさんだからこそ語ることのできる痛みと、母国の発展への情熱に満ちたライフストーリーのプレゼン。

参加者からは以下のような感想をいただきました。

「”難民”というラベルから想像される貧しそう、無意識に見下してしまうというイメージがこの研修のおかげで変わり一人の人間として捉えることができた。」

「Vさんの話を聞いてどこか対岸の火事であると感じていた問題が一気に身近なものとなりました。」

「Vさんの母国をリードしていける存在になりたいであったり人としてまだまだ成長していきたいという気持ちには素直にかっこいいと感じましたし、私も負けないように努力していきます。」

難民問題に関する意識の変化を促し、難民という存在を一人の人間として捉えていただくきっかけとなるプレゼンでした。

難民問題解決へ主体的な一歩を踏み出す

後半は、「難民の人たちを取り巻く課題に対してアプローチを考えてみよう!」をテーマとしてグループワークを行いました。

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グループでビジョンを立て、ミクロ・マクロの視点、マネタイズの方法や予想される課題を考慮し施策を考えていただきました。WELgee職員やVさんもグループでのディスカッションにも参加しました。

ZOOMブレイクアウトルームでのディスカッションでは、どのグループでも参加者が自発的にファシリテーションを行い、積極的に議論に参加してくださいました。

例えば、あるグループでは、難民の方々が日本でのコミュニティを見つけられるよう、スポーツイベントを行うアイデアについて議論が行われました。ディスカッションの中では、難民の方々に金銭面での負担をかけない形でどのようにマネタイズをするかの議論が自発的に起こりました。その結果、一般のイベント参加者に費用負担をお願いする代わりに、それに値するメリットがある仕掛け作りに挑戦されていました。

また別のグループでは難民の方々が来日後すぐの数ヶ月間、日本語学校に通うことができる制度について議論が行われました。日本語学校の費用負担が少なくなる、日本でのコミュニティができる等、難民の方々にとってのメリットだけでなく、費用負担をサポートする企業にとってのメリットについても自発的に議論されていたのが印象的でした。企業にとってイメージアップとなるだけでなく、難民の方々が日本語学校卒業後に企業に就職したり、海外経験等に関するアドバイザーとなって企業に参加すること等がメリットとして挙げられていました。

最後には全体でいくつかのグループにアイデアを共有していただき、WELgee職員とVさんがフィードバックを行いました。上記の他にも、難民の候補者が面接やインターンシップを通して企業と交流し、候補者・企業がそれぞれを指名し就労のマッチングを目指す「難民ドラフト会議」や空き家やAir BnBをシェルターとして活用する事業など、多くのユニークなアイデアが寄せられました。


以下は研修後に参加者から寄せられた感想です。

「グループワークで沢山のソリューション案が出たように今後取り組めることはたくさんあると感じました。」

「今後はVさんの話を周りに話して少しずつ難民に対しての理解が進むようにしたり、自分自身も常に何かできないかということを考え続けることしていきたいと思います。」

「彼らが自分の能力を発揮できるような社会を作れるようなビジネスに将来的に関わっていきたいと思います。」

研修を通して、難民問題の解決に強い問題意識を持ち、それに貢献するためのビジネスやソリューションを主体的に考え、行動する一歩を踏み出していただくことができました。

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WELgeeと難民の方々が協働して日本社会に仕掛けていく取り組みの一つである研修事業。今後もVさんをはじめとするWELgeeアンバサダーとWELgee職員が、講演やワークショップを通した参加者のセルフリーダーシップ等のスキルアップに貢献するとともに、研修を通して実体験に基づいたリアルな難民問題を伝え、難民問題に関する多角的で新しい価値観を日本社会に広めていきます。

「自社の社員に自分で考え課題解決に向けて行動する力を身につけてほしい」
「Vさんのような難民の方々と交流できる研修の機会を設けたい」
「どんなスキルや経験をもつ人たちがいるのか詳しく知りたい」
「自社や知り合いの会社のニーズと照らし合わせてみたい」

など、研修実施やWELgeeの活動に興味のある方はぜひ下記からお問い合わせください。


WELgeeの応援をありがとうございます。みなさまからいただいたご寄付は、主に難民申請者一人ひとりへの長期的なキャリアの伴走のための『JobCopass』運営費や、組織の継続的な基盤づくりに使わせていただきます。