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ロリータファッションで東京から浜松まで歩いた4日間

まだまだコロナが不安な日々であるが、3年ぶり行動制限なしのGW。
皆さんは何をして過ごしたのだろうか。

私は、4日間かけて、ロリータファッションで東京から浜松まで100km(超え)歩いた。


※以下、写真時のみマスクを外しています


100kmの背景

まとめると、
散歩好き✖️宮藤官九郎好き✖️朝井リョウ好き
これらの掛け合わせで実現した本企画。

私は散歩が大好きで、多い日は20km以上歩く程の筋金入りの散歩好き。
そんな私は大好きな宮藤官九郎の真夜中の弥次さん喜多さんを見た時から、江戸から伊勢神宮まで歩くことを密かに夢見ていた。

今年のGWは10連休。
コロナも少し落ち着いてきた。

今年こそ歩けるのではないか?伊勢神宮まで行けないにしてもどこか歩きたい。そんな時に思い出したのが朝井リョウのエッセイに出てきた早稲田大学の100kmハイク。
コスプレをしながら100km歩くなんてなんて快楽だ!そう思った私はGWにコスプレをして100kmを歩くことを決意した。


ロリータを選んだ理由は、なんとなく。
いつもと違う自分になりたかったからチョイスした。
あとはなんとなく歩きやすそう(?)

行き先について

とにかく100kmさえ歩けばどこでも良かった。
快楽徒歩犯のような発言である。

100km先は、だいたい静岡。
おおらかな着地見込みをもとに、Google Mapを見て、とりあえず宿がありそうなところを日々のゴールとして毎日歩くことにした。
(最終的に、途中で行き先が変わる)

準備

持ち物

  • ロリータ服
    メルカリで購入。できるだけコスプレっぽくならないものを選択

  • 髪飾り
    友達手作りのアクセサリーを初使用。100km頭上で輸送されることなんて想像もしていなかったでしょうね、、

  • ぬいぐるみ
    本人私物。

  • 化粧ポーチ

  • 防寒対策用アウター

  • Aesopのハンドクリーム
    なんとなく気分が上がりそうだったから。

  • サプリ
    サブスクで毎日飲むことを決意していたから。

以上。
荷物の軽量化のため替えの服はない。
アパートから出た時からロリータ、ゴールしてもロリータ。

相方は、マネーの虎の堀ノ内さん♪

100kmロリータハイのルール

1.100km以上歩く
2.ロリータで歩く

以上。


1日目 いざ出陣

Tシャツで会社に行くような日々だったので、
冬用のロリータワンピースはさぞ暑かろう。

予想したのも束の間。
アパートを出た時から凍えるような寒さ。
寒さにはびびりながらも滑り出しは順調で、「あんまり見られてないわ」「ちょっと見られているんじゃないか」
まるで修学旅行の夜のような高いテンションを維持していた。

表情とは裏腹に元気です

午後になるとだんだん雲行きが怪しくなっている。

本日はお日柄よく大豪雨♪

昼過ぎになると、傘では間に合わないほど上から雨が降ってきた。
過ぎゆく車の水はねも絶えず味わった。ことわざ「水を差す」を実写化したらきっとこんな感じでは。
当たり前のように靴はグッショグショ、焼く前のフレントーストみたいに、ひたひただった。

上は洪水、横も洪水、下も洪水これなんだ〜?
というクイズを出せそう。
答えは、私。


そんな中めちゃめちゃ雨でもテンションだけは高く、


白いレインコートがまるでエノキみたい〜
と笑いながら1日目は終始笑顔で過ごす。

本当すごい生命力。
その日は、20時ごろゴールである町田に到着。
奥義「脚を心臓より高くして寝る」を披露して
眠りにつく。

2日目 死の勧告

今日は町田〜御殿場まで向かう。だいたい30km

1日30km歩いたのだから筋肉痛で動けなくなるのでは?
疲労は大丈夫かしら?
寝る前に心配したものの、痛みは一切ない。

一切ない。

面白味がないくらい元気・・・!!!

昨日30kmを歩いたのが嘘のようにフル充電された状態で2日目を迎える。

2日目は順調。
朝食はクレープ
(クレープの日で330円だった!やった〜〜)


美味しくいただきました

朝から糖分を摂取して結構順調。

異変が訪れたのは昼食後。
立ち上がろうとしたその瞬間、足の裏に強烈な痛みが走る。

その時の感覚を言語化すると、
”土踏まずがほどけそう”

とにかく土踏まずがおかしい。
土踏まずと、その他足の裏パーツの接続が切れかけているような感覚があった。
しかし幸運なのか不幸なのか、足の裏以外は何も問題ない。
脚が前に進む進む。
取れそうな土踏まずとともに前に進む。

その日の夜は、タイ古式マッサージ店に。
タイ出身の笑顔が素敵なおばあちゃんが担当してくれた。
「結構こってるね」さすがプロのマッサージ師、痛むツボをすぐに捉え、揉みほぐしてくれる。
「100km東京から歩いてるんですう〜」
100km歩いたと告げるたびに驚かれることに快感を覚えていた私は笑いながら得意げに話す。

突然おばあちゃんは真顔になりこう告げた。
「あんた死ぬよ」

人生で初めての死を勧告。
急な運動は死の恐れがあるとのことだとか。
大丈夫ですよ〜〜とヘラヘラしていたものの、たじろいだ。たちまち不安に駆られこの場を離れ家に帰りたくなる。不摂生の芸能人が余命勧告されるテレビは見たことがあるがこんな感情なのだろうか?死の勧告で胸のざわつきが止まらない。

恐怖に襲われていたが帰りに、食べられる歯磨き粉をくれたおばちゃん。
韓国産らしい。(タイじゃないのか)
ちょっと気分が晴れたよありがとう。
無事ゴールに着き2日目終了。

3日目 大雨降って地固まって花咲いた

今日は静岡に向かう。
朝起きると、昨日の痛みはどこかに行ってしまい、超絶元気に。

朝からちょっとだけビリヤードとダーツしたよ⭐️

3日目も豪雨。

雨が酷すぎて、早々に足が浸水。
序盤の大雨でレインコートの足版を買うか買わないかで大論争が始まる。
「この大雨の中でなんで買わない選択肢があるの?」
「レインコートを履くと、そこから染みてきちゃうから買わないほうが良くない?」
「は?」(こいつレインコートの生地のこと分かってない・・・)
「え何?」
という世紀の無駄な会話を繰り広げ、険悪な雰囲気のまま結局レインコート足版を買い、出発。

数時間会話はない。
写真ももちろんない。

撮影した写真はセブンイレブンの落花生のみ。
(謎)

結局、レインコート足版から水が浸水し(本当になぜ?)生乾きのズボンを履いているかのような居心地を味わった。

ゴールする頃には雨は止み仲直りした。
そっからの雨降って、地固まって具合がすごい。もう花が咲いた。

静岡駅で美味しいお寿司屋さんを見つけた。元々は東京で働かれていたという店主さん、楽しい話と美味しいお寿司、ずっと笑っていて極楽だった〜〜。

そしてそして、1日の終わりに念願のサウナしきじにも到着。
(荒川良々のサインあって興奮した!)

薬草サウナの匂いをほんのり身体にまとわせながらその日は眠りについた。


4日目 浜名湖トラップとゴール

天気は晴れ、気温はちょっと寒い!風が結構吹いている!
そんな日。今日は静岡駅から浜名湖に向かう。

ロリータでジロジロ見られることはもう慣れてきて、
「恥ずかしい」「ちょっと快感」などの感情も超えて無の境地に立つ。

浜松で浜松餃子を食べ、静岡のいちごパフェを食べ、食べ歩き+α(25kmくらい)のような一日。

看板に惹かれて入ったお店。

寄り道が多かったため、気付いたら周りは真っ暗。
そして最終目的地は浜名湖。
浜風がえぐい。化粧が飛びそうなくらい風が吹く。
吐く息も白く、本当に5月なのか疑う。

寒さ✖️浜風
究極のコラボの中ロリータは進む。

どれだけ風が吹いていたかというと、飛ばされそうなくらい⭐️
強風に背中を押されて、足元が早まる。

リアル夜に駆ける♪

そしてようやく浜名湖が見えた。
こんな絵を想像していた。


ただしかし、
無知だったのだが(というか当たり前に分かれよという話)、

浜名湖の外周は50km。
どこがゴールかわからない。

「ここでゴールにしよっか」
ヌルッとした意思決定で、
ゴーーーーーーーール

本当暗いし寒かった


100kmを経て

特に変化はなかった。
自分探し的な新しい自分も見つかった感じもないし、
足の裏以外は特に筋肉痛もないし、100kmゴールのあと元気すぎてカラオケ行ったし。

人間は100km歩いても何も変わらない。100km歩いたという事実だけ残る。

しかし、着実に一歩ずつ歩めばどこにでもいける
何も見つからない旅だったが自信はみなぎってきた。

仕事に追われ、20代が背負ういろいろなことに惑わされ、変わりゆく社会に翻弄され、自信喪失する日々であったがわたしたちはまだまだ最強なのかもしれない。

自分はきっと想像以上だ

この広告のメインターゲット層だった学生の頃よりも、言葉は強く自分の胸に刻み込まれた。(ちょっと良い話っぽい)


これから100km歩く人へ

  • 湖はゴールにしないほうがいい、浜風がえぐい

  • 荷物は本当に要らない(腰痛になるヨ)

  • いきなり運動したら死ぬこともあるそう、(マッサージ店店主)無理な運動は禁物


次は、宇宙飛行士と中世ヨーロッパ貴族で歩きたい。
FIN


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