めんどくさい彼氏 その2(ゲイカップルの話)
元カレがこの記事を読んでいないこと前提で書いている。
笑い話にしてすまん。けど笑い話だ。
ということで、前回書いた元カレとのエピソード続編。
こんなことがあった。
大学進学で上京した息子に実家の親御さんが会いにくるというのはよくある話だ。
彼の実家は割と裕福で、「息子にいつでも会いに行けるように」と、彼が住む部屋とは別に家族用の広いマンションを大学近くに購入していた。
大学を卒業した後は、社会人になった彼の住居として使わせようとしていたらしい。
しかし、就職した彼は会社の寮に住んでいたため、休日だけそのマンションで過ごすという使い方をしていた。
俺と一緒だったときも、週末はそこを拠点にすることが多かった。
そのマンションでの話。
リビングの隣に引き戸で仕切られた和室があり、いつもそこに布団を敷いて寝ていた。
ある日の明け方のことだ。トイレに行きたくて目が覚めた。外はまだ暗い。
「彼を起こさないようにそっとトイレに行こう」と静かに起き上がった。
が、隣に彼はいない。
(あれ?あいつもトイレか?)
リビングの方に目をやると、引き戸の隙間から光が漏れている。
照明の光ではなく、チカチカと動く光。
(え、テレビ観てんの?)
電気もつけずに何を観てんるだろ、怪しい。
とは言っても、暗い部屋でテレビを観るのはよくあることだ。
でも、そのときはガバっと引き戸を開けてはいけない何かを感じた。
ちょっと覗いてみよう。
音を立てないよう引き戸と柱の間に指を挟んで、指一本分の隙間を開けて覗き見してみた。
え、裸!?
え、オナニーしてんの!?笑
寝る前に俺とエッチしたばかりなのに、満足できなかったのか...
そうなると映像の中身が気になってしまった。
(何系の動画なんだろ)
背伸びをすると、俺の位置からでもテレビの画面をみることができた。
え、ちょっと待って 笑
何系の動画だったかというと。
「彼自身がオナニーしているところを撮影した動画」だった。
自分のオナニー動画をオカズにしていた彼。
その姿を見て「うわ、キモ」という感情は生まれなかったけど、笑いをこらえるのが大変だった。
自分をオカズにオナニーしている彼氏、それを覗き見しているその彼氏。
そして迫りくる激しい尿意。
本気で避難はしごで外に出ようかと思った冬の朝。
めんどくさい彼氏は、性癖もめんどくさかった。
まだつづく。
※ 「ゲイの恋①」「ゲイの恋②」の彼とは別の人物であることを補足しておく。
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