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愛力戦隊ラブレンジャー 1-3

第1話「地球は愛の星」 1-2の続き


突如現れた、ディボーチ帝国の幹部エヌは
「今日は挨拶に来たんだ。ヨークたちは簡単にやられちゃったけど、コイツはそう簡単にはいかないよ?」
と、オッカネーにチラリと視線を送ってニヤリと笑った。

「へっ! 金が一番大事なんて言ってる怪人なんかに俺たち愛の戦士が負けるか!」
ラブレッドは自身に満ちた声でオッカネーを指さす。
他のラブレンジャーたちも力強く頷いた。

「ふぅん。でもお前ら人間にとってお金は大事なものだよね。お金がないとできないことだらけじゃない? ご飯も食べられないし、家も借りられない。生きていくならお金はだ~いじなものだよね?」
エヌの放った言葉に、ラブレンジャーたちは思わず怯む。

しかしラブレッドが拳を握って叫んだ。
「確かにお金は大事だ! でも俺たちには愛がある!」

ラブレッドの言葉に思わずエヌは、愉快そうに笑い出した。
「あっはっはっはっはっ! 愛ねぇ。耳障りのいい言葉だけで私たちディボーチ帝国から世界を守れるのかな?」

「愛の前に不可能はないんだ!」
ラブレッドが力強く言うと、ラブブルーも続く。
「そうです! 愛の力で我々はディボーチ帝国を打倒すると誓いました」

2人の固い決意を聞いてもなお、口元に笑みを浮かべているエヌ。
「へぇ。せいぜい楽しませてもらうよ。今日は挨拶だけのつもりだったからね。私はこの辺で失礼するよ」
しかしそこまで言うと、彼女は急に真顔に戻り
「……おい、この愛の盲信者どもを始末しろ」
とオッカネーに命令する。

「はっ!」
オッカネーの返事を聞くと、彼女は空間の裂け目のようなものの中に姿を消した。

「ちっ、逃がしたかっ! よっしゃ! まずはアイツをなんとかするぞ!」
ラブレンジャーたちはオッカネーに向かって構える。
「行くぜ! みんな!」
ラブレッドの言葉に他の4人も力強く頷いた。

「ラブリーソード!」
「ラブリーガン!」
それぞれの攻撃がオッカネーを捉える。
しかしオッカネーは怯まず、
「喰らえ! マネースラッシャー!」
と言って手を横一文字に振るう。
すると金色の衝撃波がラブレンジャーたちを襲った。

「うわあああああ」
「きゃああああ」
オッカネーの攻撃にラブレンジャーたちは吹き飛ばされる。
「ハッハッハッハッハ! どうだこれが金に物を言わせる力だ! マネー大放出!」
オッカネーが両手を広げると、大量のお金や財宝が空から落ちてきた。
そしてそれらはあっという間にオッカネーの体に吸収される。

「マネーボール!」
すると今度は巨大な金貨や宝石の類が大量にラブレンジャーたちに襲い掛かった。
「どうだ! これが金の力だ!」
オッカネーの勝ち誇るような声。

しかし、その時だった——。
人々が口々に叫ぶ!
「頑張れラブレンジャー!」
「負けるな~!!」
「愛の力で怪人をやっつけてくれ! ラブレンジャー!」
その声援を受けて、ラブレンジャーたちは再び立ち上がる。

「聞こえるよな! 皆の愛の声援が!」
ラブレッドの言葉に、他の4人も頷いた。
「行くぜ皆!」
そして5人の攻撃が再びオッカネーを襲う。

「マネーボール!マネースラッシャー!」
オッカネーの攻撃を、ラブレンジャーはガードして凌ぐ。そして今度は、お返しとばかりにラブリーソードとラブリーガンで攻撃する。
「ぐわっ!」
オッカネーは苦しそうに唸ったが、すぐに体勢を立て直した。
そして再びお金の衝撃波をラブレンジャーたちに向けて放つ。

しかし、その一撃を躱した瞬間ラブレッドが叫ぶ。
「今だ!皆!」
すると他のラブレッドを含めた5人が一箇所に集結し、それぞれのラブリーガンを合体させる。そして——!

「「「「「くらえっ!! 愛の一撃!! スーパーラブスターマイン!!!」」」」」
ラブレンジャーの放った愛の波動砲が、オッカネーを貫いた。

「ぐわあああああああああ」
オッカネーは断末魔の叫びを上げ、そして爆散した。

「「「「「愛は全てを救う!!」」」」」
ラブレンジャーたちは勝利のポーズを決める。
オッカネーの洗脳も解け、彼らを讃える人々のラブレンジャーコールはしばらく鳴りやむことはなかった。

「ふんっ……覚えてろよラブレンジャー……」
その映像をディボーチ帝国のアジトで見ていたエヌは、不快そうに吐き捨てた。
そしてオッカネーの残した宝石を顔の前で掲げ
「お前はよくやったよ……。敵は討ってやるから安心しな……」
と呟くのだった。

「よっしゃ~!今日も俺らの大勝利!!いやぁ~疲れた疲れた~」
「やったな! これで今日も日本の平和が守られたな!」
ぐ~っっと伸びをする炎児に電輔が声を掛ける。

「でも今日の怪人のように、人々の心の弱みにつけこむ敵がまた現れるとなると……私たちも頑張らないといけませんね」
勝利を喜ぶ2人とは対照的に、水希は真面目な表情を崩さない。

「水希ちゃんの言う通りかもしれないね。でも、今くらいは勝利に酔ったって罰はあたらないんじゃない?」
「駿也の言う通りだよ水希ちゃん。難しく考えすぎるとせっかくの可愛いお顔に皺が増えちゃうわよ~?」
駿也が水希の頭に手を置き、桜は水希のほっぺをむにむにと揉む。

「ちょ、ちょっと! 子ども扱いしないでくださいよ2人とも!」
水希が恥ずかしそうに言うと2人は笑った。
最年少の水希は他のメンバーたちにとっては、妹のような存在なのだ。
「はは、ごめんごめん」
「もう///……でも、ありがとうございます!」
2人の優しさに水希も思わず笑みを漏らす。
そんな3人のやり取りを見て、炎児と電輔もニッコリと笑った。

「なんだなんだ? 随分と楽しそうじゃないか?」
待機室に入ってきた秩父総司令は、5人に声を掛ける。

「あっ!秩父総司令!」
炎児が敬礼すると、他の4人も同様に敬礼する。

「ハハ、そうかしこまるなと何度も言っているだろう。仲が良いのはいいことだ。それでこそ愛の戦士だからな」
総司令は歯を見せて笑った。
「でも、いつもこうやって戦い続きじゃ大変だろ? ちゃんと休めているか? 今日みんなでご飯でも行かないか?もちろん私が奢るぞ」

「え!? マジですか!?」
炎児が嬉しそうに言うと、他の4人も口々に食べたいものを言い始める。
「お、おいおい! まったくしょうがない奴らだ」
総司令は困ったように頭を掻くが、その顔はどこか嬉しそうだ。
「よし、じゃあ行くか!」
総司令がそう言うと、5人は大きく頷いた。
そして彼らは仲良く食事に出かけたのだった。

~こうしてラブレンジャーとディボーチ帝国の戦いが幕を開けた。
この戦いが、後に”第二次大決戦”と呼ばれる大きな動乱につながっていくことを彼らはまだ知らない。
だが今は疲れたその体に、栄養補給が必要だ!
この世界にラブレンジャーがいる限り、悪は栄えない!! 愛は世界を救うのだ!~

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ED

ラブラブレンジャー♪ ラブレンジャー♪
♪♪♪
ラブにラブってラブラブラブ♡愛は地球を救う♡ 
キミにギュギュってハグハグハグ♡愛は世界を包む♡
Ah~今もしもキ~ミが~、一人で泣いてる~なら~
Ah~僕たち愛の戦士が~、キミと一緒にキミと一緒に、泣いて笑ってあ・げ・る~♡
ラーブーラーブ~♪ 愛という名の奇跡~♪
ラーブラーブ~♪ それは大いなる、チ~カ~ラ~♪
♪♪♪
ラブラブレンジャー♪ ラブレンジャー♪
ラブラブレンジャー♪ ラブレンジャー♪
ラブラブレンジャー♪ ラブレンジャー♪
あ・い・し・て・る・よ♡

(EDテーマ:「Ah……Love Love Ranger!!」)
(作詞:ラブレンジャー 歌:ラブレンジャー)
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「よぉ、みんな! ラブレッドだぜ! 今日の敵はお金で人を洗脳する卑怯なヤツだったな! 来週もどうやら人の心の弱みに付け込む敵が登場するみたいだ。けど俺たちはディボーチ帝国なんかに負けないぜ!

次回『勇気を出して愛を叫べ』せ~の! ラブ注入~!」


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