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人間失格大学生、旅に出た。①

前回の記事からかなり間が空いてしまった。前までならこの時点でやーめたとなるところだが、書くべきことができたので続けたいと思う。


世間を騒がせているアレなウイルスも多少落ち着きを見せ、エアコンのリモコンが手放せなかった夏も過ぎて、今年も秋が猛ダッシュで突っ込んできた。私自身、私生活でもろもろひと段落つき、新たな物に目を向ける余裕が出てきたある日。私の数少ない友人の一人から連絡があった。

「ALKって月曜の授業休める?」

こっわ

こういう内容を伏せた状態での日程確認に、いいイメージがない。9割くそだりーお願いをされるに違いない。しかし日ごろの行いがいいのだろうか、私は残りの1割を引くことに成功した。

かくして私と友人は旅行に行くことになった。日程は1週間後の日曜日と月曜日。友人が話を持ち掛けてきた日が土曜日だったので、準備期間も単純計算で8日間と本当に時間がなかった。

行先は金沢である。これはかなりすんなり決まった。もともと友人とは価値観や考えが近く、この時も私が金沢に行きたいと考えていたところに、友人が北陸はどう?と提案してくれた。気が合うなあと思うと同時にちょっと引いた。

そこから1週間、旅行の行程を組んだ。私はいわずとしれためんどくさがり屋なので、観光地を調べるという行為が死ぬほど億劫だった。そこでゼミで使う資料の作成という言い訳で友人にリサーチを押し付けた。今では申し訳なく思っているが、そんなわがままを言えるくらいには友人との仲は良かった。

そして旅行前日の夜、私たちは絶望していた。もともと、私たちは土曜日に共通の用事があり、それが終わって日曜日の朝から出発しようと計画していた。が、土曜の用事がその日だけで終わらず、日曜日の午前にまで持ち越されてしまったのである

早速出ばなをくじかれた私は完全に心が折れていた。何なんだよ…たまに旅行に行ってみようとしたらこれかよ!くそっ!全部コロナが悪いわ!

しかしせっかくの旅行である。楽しまないと損だ。全行程が後ろ倒しとなった中、数少ない特急の便を逃さないために急いた気持ちで私たちは駅に向かった。しょっぱなからアクシデントはあったものの、なんとか人間失格大学生の金沢旅行という名の人格再構成プログラムは始まったのである。



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