2008年をピークに、日本の総人口は急降下を始めた。現在約1億2500万人の人口は、2100年には6000万人を下回り、半分以下となる見込みだ。人口増加を前提とした現行の社会保障…
¥450
- 運営しているクリエイター
#人口減少
【特集】昭和を引きずる社会保障 崩壊防ぐ復活の処方箋[Introduction]
編集部(川崎隆司)
「失われた30年」
〝平成〟という時代を総括するときにしばしば用いられるこの言葉にはどこか、〝昭和〟という時代を礼賛する響きがある。
たしかに、敗戦後の焼け跡から国を再興し、経済面では、世界首位の米国に肉薄した輝かしい時代だった。そして、バブル崩壊によりその輝きが手からすり抜ける悔しさを味わった時代でもあった。
高度経済成長期の幻想を追い求め続けた「平成」が終わり、
新型コロナが加速させた人口減少〝成長神話〟をリセットせよ|【特集】昭和を引きずる社会保障 崩壊防ぐ復活の処方箋[PART-2]
森田 朗(東京大学名誉教授)
2008年(総務省統計)をピークに減少に転じたわが国の人口は、その後も減少を続け、その速度は多くの国民の想定を超えて加速しつつある。それは、昨年からの新型コロナウイルス感染症の拡大によって、さらに非連続的なカーブを描いて急減する兆候を示している。
出生数は、16年に100万人を切って以来減少を続けてきたが、19年は86万人台にまで減少した。他方、死亡数は増加を
「人口減少悲観論」を乗り越え 希望を持てる社会を描け|【特集】昭和を引きずる社会保障 崩壊防ぐ復活の処方箋[PART-5]
鬼頭 宏(上智大学経済学部名誉教授)
日本の人口が減少を続けている。
新しい将来推計は、昨年行われた国勢調査に基づいてこれから公表されるが、2017年の推計では日本の総人口は53年に1億人を下回り、(推計の最終年度である)65年には8800万人程度になるとしている。高度経済成長前の1950年代前半の水準である。我々にとって「未曾有」の人口減少であり、労働力不足、高齢化、地方消滅など、危機感