golang contextの使い方と注意点
今回はgolangのcontextについて解説していきます。
context
Go言語のcontextパッケージはリクエストスコープの値、キャンセルシグナル、デッドラインを管理するために設計されており、主にAPIやサーバー間のやり取りでタイムアウトやキャンセル操作を扱う際に重要な役割を果たします。
contextの使い方
contextの作成
contextはcontext.Background()やcontext.TODO()から作成します。
これらのコンテキストは、明確なキャンセルポリシーがない場合や、どのようなコンテキストを使うか未定の場合に使用します。
ctx := context.Background()
コンテキストの使い道が明確な場合はcontext.WithCancel、context.WithDeadline、context.WithTimeout関数を使用して、キャンセルやタイムアウトの制御が可能なコンテキストを生成します。
ctx, cancel := context.WithTimeout(context.Background(), 10*time.Second)
defer cancel()
contextを使って関数を呼び出す
コンテキストをパラメータとして受け取る関数を呼び出す際はコンテキストを最初のパラメータとして渡します。
このコンテキストを通じて、関数の実行をキャンセルしたり、タイムアウトを管理したりします。
func operation(ctx context.Context) error {
select {
case <-time.After(5 * time.Second)
return nil
case <-ctx.Done():
return ctx.Err()
}
}
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contextの注意点
contextの伝播
contextはリクエストの処理チェーンを通じて伝播されるべきです。関数がcontextを受け取る場合、それを子の関数へと引き続き渡すべきです。
リソースの解放
context.WithCancel、context.WithDeadline、context.WithTimeoutを使う場合はcancel関数を呼び出してリソースを適切に解放することが非常に重要です。
通常、deferを使って関数が終了するときにcancelが呼ばれるようにします。
contextの過剰な使用を避ける
contextは必要なときにのみ使用すべきで、すべての関数でcontextを使うべきではありません。
特にライブラリ関数や低レベルのユーティリティ関数では、contextをパラメータとして要求しない方が良い場合があります。
グローバル変数としてのcontextの使用を避ける
contextはリクエストやAPIコールごとに異なる値を持つべきで、グローバル変数として設定されるべきではありません。
キャンセルの伝播
contextのキャンセルはすべての子ゴルーチンに伝播されます。
したがって、一部の操作だけをキャンセルしたい場合は、適切な子コンテキストを作成して管理する必要があります。
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