コンテンツを何かと隠そうとするやつって何なの?

iPhoneをWikipediaで調べたら2007年にリリースされたんだってさ。来年で15年も経つことになるんだな。

世の中に「スマートフォンサイト」なるものが浸透してきたのってiPhone登場以降なんだよね。多分だけど、iPhone登場時はまだ「ファーストビュー信仰」みたいのがあって、ページで最初に表示される領域にやたらと情報が詰まっていた。今思えばキ●ガイみたいな文字量がファーストビューに収められていたサイトとかあったもんな。
だけどモバイルデバイスではそうはいかない。ノートPCが1366×768pxくらいだとしたら、iPhone 12は390×844pxとその差は歴然。しかも実際にはURLバーだとかブラウザのコントロール部分があるからもっと小さい。

そんな小さなデバイスで多くのコンテンツを表示するにはどうしたら良いか。そして多くの人が思いついたのが「隠す」ってことだ。隠すといってもアクセスできなくする訳じゃなくて、ボタンとかタップするとモーダルウインドウとかで表示するという、表示/非表示を切り替えるUIだ。


その手法が定着したからか、今でも何かと「隠す」とかってことをやろうとするやつがいる。

例えばPCだと3カラムのコンテンツがあったとして、スマートフォンだと1カラムで縦並びにするとする。そうするとページの縦の長さが増えるわけよな。で、何でも隠そうとするやつはこう思うわけだ。

「モバイルではもっと見るを押したら出るようにしましょう」

なるほど、まあ一つの手段だ。
次のそいつはこう話す。

「ここはモバイルでは横にスライドするようにしましょう」

なるほど。フリックで動くカルーセルみたいなやつな。
そしてそいつは更に続ける。

「ここはモバイルではタブに…」


黙れ

お前は食い残しの骨を穴に埋める犬か。醤油やわさびをテーブル中央の穴に隠す佐●可士和か。

お前は縦に長いと「ユーザは沢山スクロールしなければならない」と思うかもしれない。もしかすると「この方がかっこいい!」と思ったのかもしれない。
だがお前が提案する「隠す」手法は、どれもユーザがトリガーとなる要素をタップするとか、横にスクロールするとかしないとならないものだ。場合によってはJavaScriptを使わないと実現できない様なものもある。

少しでもフロントエンドのことを知っている人なら分かると思うが、JavaScriptというのはPHPみたいなサーバサイドで動くものではなくユーザのデバイス側で処理される。つまり多少なりともユーザ側に負担を強いるものだ。単に縦スクロールを横スクロールにしたりするために、ユーザにJavaScriptまで読み込ませてお前はそれで良いと思うのか。

もちろん、場合によっては本当に「もっと見る」とか「カルーセルスライド」みたいなUIが必要な場合もあるだろう。だから全て駄目とは思わないし、僕自身そういうUIが必要だと思えば進んで採用する。

だけどロクに目的も考えず、何でもかんでも隠そうとするのは手段が目的化しているだけで何の解決にもなっていない。なんなら横スクロールはブラウザのフリック操作と操作方法が一部かぶるから、ユーザが意図しないページ遷移が発生する可能性もある。

本当にユーザが縦スクロールすることは苦痛なコンテンツなのかどうか、まずそこを考えろ。考えなしに隠そうとするな。ベッドの下のエロ本じゃないんだから、基本的に見せるものは見せろ。そんなところに奥ゆかしさを感じるんじゃない。


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