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#63 提案前に相手と認識を合わせる

スタジオの運営とは別に、ときどきビジネススキルを教えています。

パワーポイントでの資料作成や、プレゼンテーションの練習についてのスキルです。

提案書を作成するときに大切なポイントとして

「提案書の冒頭で、お互いがそれまでの経緯を認識できる内容(スライド)を入れましょう」

と伝えています。


何度か取引のある顧客先へサービスを提案したり営業した経験のある方なら分かるかと思いますが、意気揚々とチームでがんばって作ったプレゼンで、「え?そもそもウチはそういう部分に課題があるわけじゃないんだよね~」とお客さんから返されたりしたことありませんか?

こう言われるのはプレゼン途中だったり、プレゼン終了後だったり。どちらにしても、いわゆる ”話をひっくり返された”と感じてしまうような 状態。

お互いの時間がまるまるムダになるし、提案書をつくるのに費やした時間もムダ、お客さんからは「あの会社、全然分かってないわ~」と酷評されるし、成果もゼロ。完全に失敗です。

私の経験上、新規で訪問する会社へは、最初はヒアリングが中心になることが多いのでここまでの大失敗になることはあまりないのですが(自社サービスと相手のニーズがマッチする余地があるかの確認で終わることが多い)、
何度も取引のある顧客先で、事前にしっかりヒアリングしたにも関わらず起こってしまうことがたまにありました。

こうならないためには、事前にしっかりヒアリングすることも、もちろん大事ですが、その後にプレゼンをする場の冒頭で

『前回までの打ち合わせ内容の確認・弊社の理解』

というスライドを1つ入れて、まずそれを説明することが、その後のプレゼン成否のポイントになります。

このスライドを入れて前回までの打ち合わせ内容を再確認したり、自分たちの理解を顧客に伝えることで、顧客側も、事前に話したことが相手にどう伝わっているかを確認できます。もしお互いの認識に齟齬があればその場でお互いにどういうところに解釈の違いがあったのかをできる。

齟齬があっても、最初の段階でお互いの認識合わせができていると、その後の提案内容が相手の望むものと少しズレていたとしても、失敗は防げるので必ず取り入れたほうがいい方法だと、わたしは思っています。


この認識合わせがなくて、提案内容が期待したものと違っていた場合、お客さんの心理としては、「いきなり提案内容の説明が始まってるけど、前回伝えたことが反映されていないような気がする」と疑念を抱くケースがあります。

そして、一度疑念を抱くとその後のプレゼン内容はほとんど聴いてもらえてないことが多い

きっと、アタマの中では「この人達、全然分かってないわー。この前ちゃんと話ししたのに」というフィルターがかかってしまっていて、何を聴いても否定したくなる。

そして最終的には「ウチが期待しているものとは違う」ということを言われてしまう。


この講座の準備をしながら、ふと、このパターンはビジネスの場だけでなく、わりと日常的に転がっている話しでもあるな、思いました。

たとえば、家族や友達、あるいは社内の同僚から「こういうのは、〇〇というやり方のほうがいいよ」とか「〇〇ちゃんのやり方よりは、こういう感じでやったほうが上手くいくんじゃない?」とか。
聞かれてもいないアドバイスをついついしてしまったり、されたり、ということはないでしょうか。

親しい関係性なら、それが当たり前のやりとりになっていることもあるかもしれませんが(特に家族や親せきの間とか)、そういう場合もそうでない場合も、アドバイスされる側のひととアドバイスをしてくれたひとの認識は一致しているのか?という点にはかなり疑問があります。

「こういうことに困っていて・・」と相談を持ちかけられた場合でない限り、普段の会話だけで、「あのひとはこういう悩みがありあそう」と決めつけてしまうのは、相手を不快にさせる可能性が大きいと思います。

ひとは、自分の考えや想いなどすべてを他人(家族も含めて)に開示しているかというと、きっと、そんなことはなくて他人には伝えていないことのほうが多いし、伝えられないことも多い。

そんなときに、なんだか知らないが横からいろいろ言われたりすると、「気にかけてくれているんだな」と思うひともいるかもしれませんが、「何かアドバイスが欲しいわけじゃないけど…」と思っている人もわりといるのではないかなあ。


プレゼンの場面とはやや事象は違いましたが、相手の認識を理解しないままに、なにか提案したりモノを言って不快な思いにさせたり、相手の、自分に対する信頼を損ねてしまうというのは共通しているなと思いました。

きっと、これまでわたしも誰かしらに、こういうことをしてきてしまったんだろうな~、と、自らを振り返って反省した次第です。

”求められない限り、触れない” コレ大事ね。


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