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#16 同じものでも見えている情報は違う

同じものに対して自分と他人で見え方が違うというのはよくあることだと思います。見え方の違いは、入ってくる情報の違い、その先にある思考や行動にも影響があるんだな、と最近改めて思うことがありました。

先日から理科のおさらいの記事を始めましたが、理科の勉強でいま使っているのは、中学生の参考書とマンガで学ぶ構造力学の2冊。

とりわけ、私はマンガで学ぶ構造力学は、イメージができて理解がしやすいのでとても気に入っています。

なんとなくですが、難しい話でもマンガで表現したものは、どんな分野の内容であっても比較的、万人に分かりやすい・伝わりやすいものだと思っていました。


ところが、この本を何気なく知人に見せたときに、知人からは

「私はマンガで書かれるとかえって分かりづらい、というか、内容に集中できない」

と言われました。

絵の書き方や描写の仕方などが気になって、肝心な部分が頭に入らないのだそうです。自然に「絵」の方にしか目が行かない。

絵と文字という2種類の情報で表現されたものに対して、絵に意識が向く人、文字に意識が向く人、両方にバランス良く意識が向く人、それぞれあるようです。


この会話をするまではあまり意識していませんでしたが、スタジオでトレーニングやパフォーマンスを教えるとき、教えられる側にはいろいろな種類の情報が一斉に伝わっている、ということを改めて意識するようになりました。

エアリアルティシューの布、インストラクターの動き、声から伝わる情報。「ここをこうしてこうやる」とポイントを伝えながら教えていますが、教えられる側のお客さんが「どの情報に意識がいくか」は人それぞれです。

ひとによっては、エアリアルの器具や布に意識が向く、インストラクターの声に意識が向く、あるいは常に「話しているひとの顔を見る」習慣のある人はインストラクター全体の動きではなく顔に意識が向いているかもしれない。

教えたあとにすぐ同じようにできる人、できない人がそれぞれいますが、どちらも「聞こう」とする意識はあるのに、どの情報に一番意識が強く向くのかによって、できる・できないという差が生まれるのではないかと思いました。

人に教わりながら体を動かすということは、慣れていないひとには難しいことでもあるので、頭で理解してもインストラクションを体にすぐに伝えるのが苦手、という人ももちろんいます。

ですが、体に伝える前段階の情報で、どれが一番強く残っているのかによっても変わる可能性がある、と改めて思いました。


ですが、お客さんがどの情報を強く捉えているのかを知るのは結構難しい。まずは教えている最中のお客さんの視線の動きを注意深く観察することから始めてみます。


もし気に入っていただけましたら、次回の更新もぜひ楽しみにお待ちいただけたら嬉しいです。