#75 能力を伝えるときに謙虚さは要らない

スタジオに体験に来るお客さんのほとんどの方は、とにかくみなさん謙虚です。「全然やわらかくない」「全然筋肉ない」と口々におっしゃいますが、皆さん、言うほど硬くはないし、筋肉もゼロではないです。

この2年半に体験に来たお客さんのうち、「うん、たしかに硬いね」「筋肉ないね」と感じた方はせいぜい片手くらいの人数です。

きっと、柔軟性については「開脚や前屈がベタってならないし」とか、筋肉は「たるんでるところあるし」と感じていたり、あるいはスポーツしていた頃の自分やプロアスリートと比べて「全然ない」と言ってるのだと思います。

教える側の立場からすると、「ここまではできていると思う」と言ってもらったほうが、より、その人の要望を知ることができるのと、それぞれに合ったやり方ができるので、お客さんにとっての体験自体も有益になると思っています。といいつつ、体を見ればお客さんに合わせた対応はできるので、そういう意味では謙虚でもいいと言えばいいのですが。


ただなんとなく、発言の根底にはいかにも日本っぽい風潮というか、あらゆることに謙虚であることに慣れ過ぎているのでは・・と、ちょっと飛躍した考えになるくらい、なんとなく気になる謙虚さです。(たまたまそういうひとばかりが来ているのか・・)

「上には上がいる」というような表現を、スポーツの世界でも勉強の世界でもよく聞いてきたし。

自分のスキルやできることをストレートにひとに伝えるのは「ひけらかし」と揶揄するひともいる。

自分の能力は過小評価に傾きがちな空気や、常に、人と比べる相対評価の根強さを感じます。相対評価でも自信を持てるタイプならいいのですが、多くの方は「まだ足りない」という意識に傾くひとのような気がします。


でも、最近思うのは「できることはできる」という気持ちを持つ習慣があったほうがメンタルは絶対いいと感じてます。
年齢を経るにつれて、自分を過小評価せず、”できること・足りていないこと”を具体的に言葉に表現して、”できること”には堂々と自信を持ったほうがいい。

ストレッチや筋トレに限らず、仕事でも勉強でも副業でも、いま取り組んでいるものがあれば、「ここまではできている」というものに意識を置いて日々過ごすほうが、メンタルを病まずに「できないこと」に取り組むことができます。

ひとことで言えば、自己肯定感を上げるということなんですが、その肯定感はぜひ、内心にとどめておかないで表に出したほうが、プラスになることが多いと思っています。

内心にとどめておく、というのは、自分の中では自信を持っているけど、人前ではそれを極力出さないように謙虚さを演じるような意味合い。コレ、本当にもったいない。日本は「察する」空気が強いことも多いけど、わたしの感覚では、スキルや能力については、「察してくれる」空気はほとんど感じません。

「あのひと謙虚だからあぁ言ってるけど、本当はもっとすごくてー」みたいな都合いい解釈をしてくれるひとはきっといない。


ひとの関心を集める人は、自分にある能力、できることがどういうものかをわかっていて、それを堂々と伝えている人。

自分で自分を認めない限り、誰も認めてくれることはない。

書いているうちに少し話しが広がりすぎましたが、スキルを伝えるときは謙虚さは不要、堂々とするのがいいんじゃないか、という雑感でした。


ちなみに、こういうことを書きながらつい最近まで、わたし自身がなかなか自分に自信を持てないタイプでしたが、根拠のある自信を持つようになって、気持ちがどんどんラクになっています。

自分に自信を持ちづらい・・という方は、良かったらこちらのブログを参考にしてみてください。


もし気に入っていただけましたら、次回の更新もぜひ楽しみにお待ちいただけたら嬉しいです。