読書習慣が身に付かない人のための、令和時代の三種の神器と活用法


はじめに

皆さんは、日頃読書をしますか?

社会人成り立ての頃、先輩から
「読書をしなさい」
「自己投資のために、本を読みなさい」
と、何度も言われた方は多いと思います。

読書量と年収は比例するだとか、投資の神様ウォーレン・バフェットが「最強の投資は自己投資」と言ったりする等、読書をはじめとした自己投資が素晴らしいことは、否定することのない事実として広く認識されているはずです。

とはいえ日々忙しかったり、つい趣味に時間を割きすぎて、読書習慣が身に付かないまま社会人として何年も経ってしまった方も非常に多いはずです。

今回はそういった方を中心に、

令和の時代において、紙の書籍を読むのは、もはや古くなってきている

ことをお伝えし、活字が苦手な方でも習慣化しやすい、
「令和時代のインプット三種の神器」を紹介します。

読書の目的

そもそも、読書は何のためにするのでしょうか。

ここではいわゆるビジネス本を読むことを想定していますが、
読書はあくまでも手段であり、多くの方の目的は
・知識や知恵を獲得し、私生活や仕事に活かすこと
・知的好奇心を満たすこと

あたりでしょう。

そして、目的を果たすための手段は、時代と共に、イノベーションによって形を変えていくことを忘れてはいけません。

「コミュニケーション」という目的のための手段は、
手紙→電話→メール→SNSのように、時代とともに増加・変化してきました。
知識や知恵を獲得するという目的の"読書"も、イノベーションにより形を変えて多くの手段が出てきています。

令和時代の三種の神器

この記事で紹介する三種の神器は以下の3つ。

・1. 動画学習 (Youtube)
・2. オーディオブック (Audible)
・3. 電子書籍 (Kindle)

上から下になるにつれてハードルが上がる代わりに、得られる経験値は多くなりやすいです。
そしてこれら3つは使い分けることもあれば、場合によって併用もオススメです。

この記事では、それら三種の神器の
・概要
・メリット
・デメリット
・更に使い倒すためのコツ

の4点を解説します。

1. 動画学習 (Youtube)

概要

3つのうち最もハードルの低い、Youtubeでの動画学習。
本の解説動画チャンネルや、教育系Youtuberチャンネルの視聴を指します。

この記事では特定のYoutuber、チャンネルの紹介はしません。まずは興味のある本の名前をYoutubeで検索して、出てきた動画が面白ければチャンネル登録してみましょう。

メリット

・無料

Youtube以外にも有料の動画教育系サービスは複数あります。
しかし投稿者同士の競争が激しく、クオリティの高いYoutuberが増えている現状、有料サービスが比例して質が高いとは限らない点は注意が必要です。
そのため、まずは無料で見られるYoutubeから習慣化するのをオススメします。

・時短

本を1冊読むとなると、普通の人なら1〜2時間はかかります。
しかしYoutubeの動画は15〜30分程度でまとめられていることが多く、重要なポイントを分かりやすく・短時間で学ぶことができます。

・現代人に合った学習方法

活字離れと言われる現代。日常的に新聞や本をじっくり読める人は少ないです。
対してテレビや映画、ゲーム、動画サイト等の映像コンテンツに触れる機会は多くなっています。

2時間ぶっ続けで読書に集中できる人はある程度限られてしまいますが、2時間の映画なら、大半の方は最後までちゃんと視聴できるでしょう。

そう考えると、苦手な活字を読むことに固執して読書習慣が全く身に付かないよりも、慣れ親しんだ映像コンテンツを介し、にわか知識でもインプットできた方が有益です。
このハードルの低さにより、継続がしやすいインプット方法と言えます。

・ながら学習ができる

音声だけでも理解できるものがほとんどなので、お風呂や家事や散歩しながら学習ができます。なかなか腰を据えて勉強する時間が無い方にもオススメです。

デメリット

・質はまちまち

動画投稿者の主観が少なからず入るので、誤った情報が伝わったり、人によっては重要と感じる点が省かれている可能性もあります。

・ラインナップが少ない

再生数の稼げるメジャーな書籍に偏っていることが多く、情報の網羅性という点では、紙の書籍や後述の2つに比べて大きく劣ります。

更に使い倒すためのコツ

・Youtube Premiumに加入する

加入特典のうち、CM全カット、オフライン動画再生、バックグラウンド再生の3つだけでも大きな価値があります。

毎日Youtubeを見る方の場合、Youtube Premiumに入らないのは本当に損です。
まず前提として、お金より時間の方が大切だということ。
所得を増やしたり支出を減らすことでお金を増やすことは可能ですが、1日はは人類誰でも24時間で、時間そのものを増やすことはできません。
移動において徒歩より車、車より新幹線、新幹線より飛行機を使うケースも、いわば時間をお金で買っています。
お財布事情にもよりますが、「お金で時間を買う」感覚は重要です。

なお、加入の際、iPhoneの方はアプリ上で加入するとAppleを介する関係で月額400円ほど高くなってしまうので、Webブラウザから登録しましょう。

また、オフライン動画再生も便利です。
自宅等のWi-Fi環境でダウンロードしておき、散歩しながら・通勤通学しながら、通信量を気にすることなく動画視聴ができます。

・常に2倍速で聞く癖をつける

上記と同じ理由ですが、時間はとても大切です。
そのため、普段から2倍速での視聴をオススメします。最初のうちは早く感じますが、1週間もかからず慣れるはずです。

忘却曲線によると、人間はそもそも24時間で67%のことを忘れます。
そのため、しっかり知識として身に付けるためにはじっくり聞くのではなく、完全に忘れないうちに繰り返し聞く必要があります。
よって、倍速による時短をすることで、同じ時間でより多くの知識を得ることができます。

2. オーディオブック (Audible)

概要

本1冊を音声朗読で聞けるサービスです。
ここではAmazonが提供しているAudibleを紹介します。

メリット

・活字を読まなくても本1冊が読める、唯一の手段

Youtubeのように要約ではなくしっかり全文読みたいけれど、「活字が苦手」「本を読む時間が無い」といった方でも、まるごと一冊の本の内容をインプットすることができます。

そのため、視聴の手軽さと、インプットの質・量が両立できます。

・ながら学習ができる

Youtubeと同様、再生しながら、お風呂や家事や散歩、通勤通学等ができます。
忙しくてなかなか本が読めない方にはうってつけです。

デメリット

・高い

基本的に、紙の書籍や電子書籍よりも高い値段で売られています。
書籍に比べて数百円、物によっては2倍前後の価格で売られています。

お金にあまり余裕のない新社会人向けというよりは、手軽さに価値を感じて購入できる、ある程度収入に余裕のある方向けの印象です。

・情報へのアクセスがしづらい

この考え方やフレーズを見返したい!という時、後述のKindleだと指でなぞって簡単にクリップできますが、Audibleでは一応ブックマーク機能があるものの、範囲指定やメモ等がやや手間。
手間なのであまりメモらず、結局次も最初から再生する、みたいになりがちです。

また、本のように視覚でパッと目的の情報にアクセスしたり、Kindleのように検索ができないので、目的の情報を後から探すのが困難です。

更に使い倒すためのコツ

・セールの時にまとめ買い

たまに数十冊ピックアップされた750円ぐらいのセールが開催されることもあるので、そのタイミングでまとめ買いして安く入手することもできます。

・Audible会員になる

月額1,500円のAudible会員もオススメです。
全ての本が割引されたり、毎月1枚もらえるコインを使えばどの本でも1冊無料で買える等の特典があります。

・常に2倍速以上で聞く癖をつける

Youtube同様再生速度をいじれますが、2倍どころか最大3.5倍まで速くできます。
私の場合、初回はだいたい2.5倍速で聞いて、2周目以降は3〜3.5倍で聞いています。
2.5倍速だと、1冊聞き終えるのに2時間半〜5時間程度です。

3. 電子書籍 (Kindle)

概要

紙の書籍の代替手段として、おそらく最も多くの方が思いつくものです。
今回はラインナップが多く専用端末も便利な、Kindleを利用することを前提に解説していきます。
電子書籍は紙の書籍に一番近い形態ですので、メリット/デメリットも紙の書籍との比較を多めにしていきます。

メリット

・ラインナップが多い

紙の書籍の次にラインナップが多いです。
YoutubeやAudibleは、まだまだ限られたベストセラーしかラインナップになかったりしますが、電子書籍は余程マイナーなものじゃない限り、最近の本は購入できることが多いです。

・安い

紙の書籍に比べ、25%程度安いことが多いです。
これは紙や印刷代、配送費や人件費等のコストがかからないことが大きいからでしょう。

また、紙の書籍は法律(再販売価格維持)によって、原則安売りされることはありません。しかし電子書籍はその対象外のため、シリーズをまとめ買いしたら少し安くなったり、セールや読み放題サービスがあったりするので、安く入手できる機会が多くあります。

・場所を取らない

本は意外と場所を取ります。
本棚を置くということは本の保管コストを払う、本の家賃を払うことになります。
ですが電子書籍なら、スマホ程度の大きさ・重さの電子書籍リーダーに数千冊が入るので、保管や移動に困りません。

・検索が便利

前に読んだ本の気になるところを調べようとした際、紙の本だと(メモったり付箋を付けていない限り)記憶を頼りに調べることになります。
が、電子書籍ならデジタルの利点として、本文検索ができるので、スムーズに目的の箇所を見つけることができます。

・ハイライトが便利

このフレーズ良いなと思った場合、Kindle端末で該当箇所をなぞるだけでハイライトされて、読み返す時にハイライト箇所にすぐ飛べます。
これにより、意識したいことや学びを効率的に復習することができます。

また、書籍購入者の多くがハイライトした箇所は「XXX人がハイライト」と表示されるため、重要なポイントをサラッと見落とすことが減ります。

・買ってすぐ読める

あまり注目されない点ですが、実は読書習慣が身に付かない人にとって、紙の書籍と比べた際のメリットとしてはこれが一番大きいと考えています。

買ってすぐ読めるから便利だよね、というだけでなく、
本は「読もう」と思った瞬間が、一番モチベーションが高い状態です。
そして、モチベーションは何か再びきっかけが無い限り、時間の経過と共に減少の一途を辿ります。

本を読もう!と思っても、本屋に行くまでが面倒くさかったり、通販で頼んでも届くまで時間がかかります。
それによって、本を読もうと思ったのに購入すらしていなかったり、購入したけれど積読状態になっていることも多いのではないでしょうか。

それが電子書籍なら、本を読もう!となって1分後には購入して、その場ですぐ読み始めることができます。

それによりモチベーションが一番高い状態で読み始めるので、積読になりづらく、読書習慣を身に付けやすくなります。

デメリット

・心理的なハードルやモチベーション・集中力

これは個人差が非常に大きいのですが、活字を読むことに慣れていない場合は、YoutubeやAudibleのような映像・音声サービスに比べ、モチベーションや集中力の維持が難しくなります。

YoutubeやAudibleは一度開いて再生ボタンを押せばそのままどんどん先に進みます。しかし電子書籍は自分でページをめくり、目を動かして集中し続けないと先に進みません。
慣れていないと・環境が整っていないと、1時間、2時間と長時間読み続けることなく寝てしまったり、他事を始めてしまう等、集中力が続かないことがあります。

・自由なメモがしづらい

紙の書籍はメモる時に図形や向き等を自由に書けるのに比べ、電子書籍だと画一的なメモしかやりづらいデメリットはあります。
そのため、自由にメモをして学習していく読書法が身に付いている方だと、やりづらさはあるかもしれません。

・パラパラとめくりづらい

ページ送りが遅かったりするので、バーッとめくって中身を見たりするのは不向きです。

更に使い倒すためのコツ

・Kindle Paperwhiteを買う
Kindleを利用する場合、専用の電子書籍リーダー「Kindle」シリーズが便利です。

電子書籍リーダーは電池持ちが良いとか、ブルーライトがカットされているといった点がメリットでよく挙げられますが、読書習慣がなかなか身に付かない人にとっては「読書しかできない専用端末」であることが一番のメリットと考えています。

Kindleで電子書籍を購入した場合、専用端末が無くてもPCやタブレット、スマホで読むことができます。
しかしPCやタブレット、スマホは何でも"できすぎる"のがメリットでもありデメリットのため、それらではなくKindle端末の購入を強くオススメします。
例えばスマホで電子書籍を読んでいる最中にLINEの通知が来たり、ゲームの様子が気になったり、単語が調べたくなってブラウザ開いたらSNSやネットニュースを読み始めてしまったり…と、読書に集中するには雑念が入りやすすぎるデバイスなためです。

なお、Kindle端末は年に何度かあるAmazonのセール(プライムデーやサイバーマンデー等)の時に数千円単位の値引きがされるので、そのタイミングでの購入がオススメです。

機種はKindle, Paperwhite, Oasisの3種類。それぞれ広告あり・なしモデルがあります。
コスパ的にはPaperwhiteがベストです。お金に余裕がある場合は最上位モデルのOasisでも良いかもしれません。
本の内容に集中するためにも、2,000円高くなりますが、広告なしモデルをオススメします。

・セールを狙う

記事執筆時点(2021年2月)で、毎日3冊ずつ日替わりセールを、毎月数十冊を月替わりセールとして行っています。
これらを狙って、読みたい本を探すのも良いでしょう。

・Kindle Unlimitedに入る

記事執筆時点(2021年2月)で、月額980円払うことで、200万冊が読み放題になります。
とてもオトクなサービスですが、この記事の想定読者は「読書習慣が身に付いていない方」なので、そういった方はあまり強くオススメはしません。

なぜなら「Kindleにある全ての本が読み放題」ではない、ためです。

980円の元を取るために本を読むことに義務感を感じると、読書が苦痛になり読書習慣が身に付かない可能性もあります。
まずは気になった本をKindleでお金を払い購入し、読書の楽しさを感じるようになって加入を検討しても、遅くはないでしょう。

私の読書習慣

最後に、これら三種の神器を私が日々どう習慣化しているかを書いて終わりにします。

まず、基本はYoutubeが多いです。
これは単純に、娯楽としてのYoutubeが大好きなのが一番の要因です。
それに加え学習という観点で見ても、無料であること、要点をサクッと10分程度でインプットできるのは非常に大きいメリットと感じているためです。

教育系や本要約系のチャンネルを計10前後登録しており、その新着動画を2倍速で聞いています。
10チャンネル登録していても毎日更新チャンネルは稀なので、週で見る新着動画は20本前後です。過去動画を見返したりもするので、視聴本数自体はもう少し多くなります。

そしてセールで買いだめしたAudibleを散歩しながら週に2〜3本聞くのと、Kindleで気になる本を週に1〜3冊ぐらい読んでいます。

トータルで見るとそれなりの時間をインプットに使っていますが、インプットとアウトプットの黄金比率は3:7らしいので、今はインプットにかなり偏っていると感じています。
今まで本をあまり読んでこなかった反動でインプットが楽しくて量が増えているだけにすぎないので、読む量を増やすことにこだわらず、自分のペースでインプット・アウトプットをしていくと良いかと思います。

久々の長文アウトプットでしたが、ここまでお読みいただきありがとうございました。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?