本で味わう大人のおとぎ話
読書も体力を使いますよね
学生時代はどんどん読めたはずの本も、大人になると結構体力使うなーと思う時があります。
「それだけ色んな本が読めるようになったからか」と思いますが、大学時代は論文読んだりもしてたので、単純に読む体力が落ちてるだけなのかもしれません。
(読む体力=集中力なのかもしれませんが。。。)
そうは言っても読みたい本はどんどん出てくるので結局読んではいます。
しかし、その中でも自分の読む本をよーく見てみると、少し系統が変わってきたなと思います。
大人もおとぎ話で癒されたい
何が変わったか。
それは小説などを読む時の物語の選び方です。
ミステリーは結構好きで読んでいたはずなのですが、どうやら最近はそういうのよりもっと優しいと言うか、緩めのドラマが気になるようになってきました。
仕事で切ったはったやってる反動で緩い物語に惹かれるのかもしれませんし、昔より人の心の動きにフォーカスした作品を好むようになったのかもしれません。
そんなことを改めて感じたのが、年末に読んだこちらの作品
『赤いモレスキンの女』
帯にはこう書いてあります
「大人のためのおとぎ話」と。
読むとまさにそんなお話で、落とし物のバックから持ち主探しが始まります。
そんなの警察に届けて終わりでは?と思いますよね。
私も思いました。
でもそれでは落とし主から10%分何かをもらって話は終わってしまう。
フランスの拾得物事情が少し分かって終わりです。
なので主人公は警察に届けず自分で落とし主を探し始めます。
(しかも使命感というか好奇心でしかない動機で)
日本じゃどう考えても怪しいし危ない方法で持ち主を探す主人公。
なんだか分からないけどみんな上手くことが運ぶストーリー。
現実が舞台で描写もしっかりしているんだけど、リアルじゃありえないような話。
でもなぜか終盤になると暖かい気持ちで主人公を応援し、最後はほっこりした気持ちになります。
ツッコミどころは満載で、ナンシー・マイヤーズの映画かな?と思うくらいです。
まさにホリデイみたいな感じ(褒めてます)
日常だけど少し不思議な出来事を本で味う
そう、これは映画に近い小説なんです。
セリフにも「」がなく、小説だけど映画を見ているかのように読み進められ、そこが没入感を高める要因にもなっています。
東京ー京都間(2時間ちょっと)で読めるちょうど良い分量。
でもしっかりした描写は想像力を高めてくれて、それが物語に入り込ませてくれます。
『赤いモレスキンの女』はバックをとした日常の非日常の物語ですが、日常の非日常は人からも始まります。
(むしろ人からの方が多いのかも)
『海月と私』では女性が起点。
海沿いの民宿を継いだものの、ひっそりと廃業しようとしていた主人公(中年)が、なぜか中居として働くことになった若い女性と暮らす物語。
明るいけど素性が判然としない女性が主人公にとってはありえない行動をして引っ掻き回す、それが宿にくる人たちや主人公の心を動かしていく…
こちらはマンガですが、これもある意味日常の非日常。
大人のおとぎ話。
終盤はしっかり伏線回収してくれて、全4巻とこちらも丁度いい分量です。
日常はちょっとした非日常なモノや出来事で動いていく。
こういった暖かく進むありそうでありえない話は心を緩ませてくれるのかもしれません。
先ほど出た映画『ホリデイ』やアマゾンプライムでやってる『モダン・ラブ』が好きな方は、どちらもぜひ読んでみてください。
ちなみに『赤いモレスキンの女』は映画化が検討されているそう。
そちらも楽しみです。
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