砂に埋もれる犬


桐野夏生の砂に埋もれる犬を読んだ。
ネグレクトをされている少年の話である。
幼児虐待問題は負の連鎖によって引き起こされることが多く、
この物語ももれなく同じような環境によって様々な問題が生じてくる。

親の愛情が足りないと情緒が不安定になり、対人関係も円滑に進まなくなるというのは全くその通りで、
主人公の少年も愛に飢えているが、愛の受け取り方がわからなくてもがいている。

アメリカの心理学者ハリー・フレデリック・ハーローが行ったアカゲザルの実験で、哺乳瓶がセットされた針金で作られた代理母と、ミルクのない布で作られた代理母がいた場合、布の代理母にしがみつく時間が長かったというものがある。

幼少期のスキンシップ、安心要素というのがいかに大切か思い知らされる。
大人になっても不器用だなーと思う人はたくさんいるけれど、
ハグでもしてあげたら苦しみから解放されるだろうか。

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