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「その子がその子でいられるための世界構築」~ We are Buddies 8月オンラインイベントレポート~

We are Buddies 事務局の西角綾夏です。We are Buddies(WAB)は、定期的にオンラインイベントを行っています。8月は「その子がその子でいられるための世界構築」というテーマで開催しました。ゲストには tanQ株式会社のFounderであり、WABの理事を務める森本佑紀さんをゲストにお呼びし、WAB代表の加藤愛梨との対談をお届けしました。

【ゲストプロフィール】
tanQ株式会社 Founder・一般社団法人 We are Buddies 理事
森本佑紀 Yuki Morimoto 

神戸大学経営学部卒。広告会社勤務の後、2014年tanQ株式会社を創業。子どものおもちゃになるのが得意。
全国を回り、毎年1000人以上のこどもたちに、伝道師”モリソン”として、遊びを学びに変える”tanQ”を届けている。

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ゲストの森本佑紀さんは、大学生の頃に「この世界はまだまだ面白い、学ぶって楽しい」と気付いたそうです。その経験から、「教えない教育」を掲げるtanQで、子どもたちに「それぞれの在り方・役割があっていい」というメッセージを伝え続けています。

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同じ志をもつ存在との出会い

森本さんとWAB代表の加藤の出会いは、WABが始まる約1年前。加藤が、「非公式で、里親をやりたい」というFacebook投稿したところ、加藤の友人がその投稿をシェアし、その投稿が、森本さんの目に留まったそうです。共通の知人を介し、「僕は日常的にそういうことをやっているよ!」とやりとりをしはじめたのが始まりだったそうです。すぐに意気投合したおふたりは、年齢も近く、同じ渋谷区で活動する同志のような存在。WABを立ち上げるにあたり、加藤より「理事になってほしい」と森本さんに話をしたところ、「いいよ!」と即答してくださったそうです

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「社会で子育て」は当たり前

他人の子どもを預かるなど、社会みんなでの子育ては当たり前なことだと感じているおふたり。その根底にはどんな価値観があるのでしょう。森本さんが『世界は贈与でできている』という本にある「贈与」という概念を提示してくれました。

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森本佑紀(以下、森本):今、世界は交換が主流の世の中になっている。交換の場合は、GIVEしてもらったら、自分も相手になにかをGIVEしなければならない。これを子育ての文脈に応用すると、自分は他の子の面倒を見ることができないから、「自分の子を誰かに預けることはできない」、「申し訳ない」と考えてしまいがちです。でも、見返りを求めることなく、受け取ったという自覚があるから自分も誰かになにかを返す行為をただ繰り返していく。これが「贈与」の考え方なんです。

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加藤愛梨(以下、加藤):私はGIVEとTAKEのバランスが完全にとれてなくてもいいと思っています。WABの場合は、「なにか学びがあるはずだ」と思ってバディを始めた大人バディが、実は家族や子どもに良い影響を与えていたり、その逆のことも起こっています

とある、WABに参加しているお子さんの保護者の方がおっしゃっていたことが、印象に残っています。参加し始めた頃は、大人バディに頼ってしまっている、迷惑をかけていると思い、申し訳なさを感じていたそうなんです。でも、最近、その保護者の方が、「大人バディの方にとっても子どもと関わることは喜びになっているから、自分が迷惑をかけていると思いすぎることはないんだ、と気付いたんです。」というお話をしてくださいました。それがすごく嬉しかったです。

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WABの特徴は、関わる人が「GIVEしよう」「TAKEしよう」というモチベーションではなく、それぞれの純粋な興味関心や探究心から参加していること。そのため、GIVEとTAKEの概念がごちゃまぜになっているのかもしれません。ただ、純粋に目の前の人と向き合うというシンプルなことを続けているのがWABの取り組みです

「その子がその子でいられるための世界構築」のために

「その子がその子でいられるための世界構築」という視点で考えたとき、WABはどんな役割を担っているのでしょう。

加藤:WABの役割は2つあるかなと思っています。1つ目は、「選択肢・可能性など子どもの世界を広げる」ということ。大人バディの存在は、お子さんにとって、ちょっと違った角度から世界を見る窓口のような存在になるのではないかと思っています。私たちはその出会いをつくることしかやっていないので、その後は大人バディと子どもバディの偶発的なものでしかないと思っています。

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2つ目は、「子どもの心を守る」ということ。お子さんは成長するプロセスで、周りからいろんなことを言われることがあると思います。人は、それぞれ違う山を登っているはずなのに、あたかもみんなが自分と同じ山を登っているかのように、人生の先輩として、「こうしたほうがいいよ」「それはやらない方がいいよ」などと。もちろん、その人もやさしさから口にしている言葉だと思うのですが、そこで「自分は間違っているのかな」「自分はこのままではだめだ」と感じてしまうお子さんも多いと思います。そんなときに身近な大人バディの人が「そのままでいいよ」「間違ってないよ」と声をかけたりしながら、お子さんのはけ口のような存在になるのではないかと思っています。それが、その子の心を守ることになるんじゃないか、と思っています。

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個に多数が寄り添う

森本:"one for all all for one"という言葉がありますが、僕はこれ逆で、"all for one one for all" だと思うんです。世界は自分のことを助けてくれる、きっと大丈夫だと思えること。誰かからなにかを受け取った、助けてもらったという自覚と事実があるからこそ、他者に対しての働きかけが生まれると思うんです。WABに参加されているお子さんと接すると、向き合ってもらえる喜びというものをすごく感じているな、と思う瞬間がたくさんあります。何不自由なく暮らしていると感謝を感じづらいので、WABの仕組み上は困難な環境にいるお子さんたちへのサポートがとても合うなと思っています

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また、最近は、第2のエジソンを育てましょう!と、個の力を伸ばす教育が主流です。もちろん個の力も大事ですが、これは「個人で頑張れ!」と思考を放棄することにもなりかねない。子どもたちを谷底に突き落としている感じは、全然好きではないんです。子どもたちがどんどん人を見下すようになってしまう。WABの取り組みでは、自分は自分でいいんだと思えるそれでも受け入れてもらえる存在と出会える活動だと思います

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みんなで世界を楽しくする

森本:最近、一番いい社会モデルはマリオカートの世界だという話を聞きました。マリオカートの世界では、最下位がすごくいいアイテムをもらえるんです。困っている人、不利な状況にある人が、この世界は面白くないと思うと、壊す方向にエネルギーを注ぎ、参加しなくなるのは当然。そうではなく、この世界がゲームだとしたら、みんなで楽しめる方法を探していくのは当たり前のことですWABはまさに世界を楽しくする役割を担っていると思います。人生は、抜け道を探す冒険ですからね!

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WRITING:西角綾夏

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