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《留学前のお話》私は最悪のホストシスター

高校1年生の夏休みが終わる頃

学校の姉妹校プログラムでホストシスターになりました

生まれて初めて我が家にアメリカ人が来てから約8年

姉や兄が皆家を出て、ついに我が家の主人公になったはず🥳

主人公生活の短かったこと笑

・留学生はお嬢様
・最悪のホストシスター
・20年後、初めてのフィリピンへ

留学生はお嬢様

高校がミッション系だったので、世界各地にある同じ修道会の高校から
毎年15人程度の留学生が半年間日本に来ていました。

来年夏にアメリカ留学をすると決めていたので(この時はまだ出願前)
その準備になるだろうと1人の留学生を預かることにしました。

学校によるマッチングが行われ、我が家には1歳年上のフィリピンの女の子が来ることに・・

今となれば、フィリピンから日本に留学するくらいなんだから
お嬢様なのは容易に理解できること

ただ、当時の私には送られてきた豪邸の写真、メイドさんもいる生活なんて、
まるで漫画の世界のこと

別世界やんか!😳

と思っていたに違いない笑

フィリピンからやってきたメイは朗らかで、可愛らしくて、賢い女の子でした。

これまで家事はほぼしたことが無いという彼女に対して、自営業の我が家

「人生で初めてこんなに多くのお皿を洗ったわ!」
って笑っていたのは今もよく話題になるくらい互いに衝撃的でした。

おそらく、メイはそれまで人生になかった掃除、炊事、家事全般を
日本で経験しています

なので、後に彼女がパティシエの学校に通い、ケーキをつくり
パンを焼くようになるなんて、この時は想像もしなかったですが

メイ曰く、日本のお母さんの影響よ・・だそうな。

最悪なホストシスター

そんな絵に描いたような「良い子」のメイ

学校でもみんなから慕われる彼女を私はある時点から

疎ましく感じるようになっていました。

この年、高校に入学と同時に兄が大学に進学し、実家に姉も兄もいなくなり
末っ子だった私はついに念願の1人になれた!と

両親の関心が自分にだけ向くことをどこかで期待していたかもしれません。

そこに現れたメイ。

何をされたわけでもないのに、彼女が存在することで
自分への関心が薄まるような気がしていたのかもしれません。

私のメイに対する態度は明らかに嫌な感じになっていきました。
あまりの酷さに、友達に注意を受けたこともあります。

そんな中、日本文化を経験しようと京都へ旅行をすることに。

メイが母国に持って帰るお土産を買ったり、買いたいと話していた
家電を探しに行きました。

終始機嫌も態度も悪い私。
記念写真を撮ろうにもにこりと笑いもしない。

私がメイの立場なら友達に言ったと思います。
「うちのホストシスターは最悪だ」と

でも、そういう話を彼女がしたとは思えません。
そして、両親がどんな話をメイにしたのかはわかりません。

ただ、私は叱れました。そりゃ。

何を言われたか具体的には覚えていません。
反対意見をのべた記憶もないので、グーの根も出なかったんだろうと思います。

一つだけ覚えているのは、母に

「来年留学するんでしょ?
 自分のホストシスターがそんな態度だったらどう思うの?」

と問われたこと

おそらく、反省したのでしょう
そして、少しづつ態度を改めていったように思います。

そんな最悪だった自分を知っているからこそ、アメリカのホストシスターが
どれだけ大人で、どんなに私を想い、ケアしてくれていたかを
身に染みて感じています。

20年後初めてのフィリピンへ

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[フィリピンの海はとってもキレイ]

メイと出会って20年。

数年前にようやくフィリピンにいるメイを訪ねました。

その間は毎年のグリーティングカードや年数回のメール
そして、SNSを使ってずっと連絡をとっていました。

突然まとまったお休みをもらえることになったので、
思い立ったら吉日行動!っと、メイに連絡をとって、
その日のうちにフライトをとって2週間後には飛行機に乗っていました🛫

マニラ経由で向かったミンダナオ島
マニラの乗り換えはそれはそれはスリリングでしたが笑

セブ島のようにリゾート開発がされていない、現地の人の生活がある街に
5日間滞在し、フィリピンの食文化、生活文化に触れ多くのことを
感じる貴重な体験をすることができました。

あの時みた子ども達の輝く瞳と屈託のない満面の笑顔
そして、生きようとする力強さはとても強く印象に残っています。

メイが日本にいた頃には話せなかった英語も
今では普通に現地の皆さんと話ができるようになっていることに
メイがとっても驚き、喜んでくれていました。

メイの家族や旦那様の家族とたくさん話ができたこと、
特に旦那様のお母さんとお話しできたことは貴重な学びの機会になりました。

そんな素敵な時間をくれたメイに心から感謝しつつ
高校生だった頃の自分の小ささを反省するばかりです。

フィリピンで連れて行ってもらった大好きな海
白い砂浜の美しい海にまた行ける日が来ますように。

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