見出し画像

【特別編】起業家的な活動は経済成長にどう影響するのか。

一般的には起業家の活動は経済効果にプラスと言われていますが、果たして本当でしょうか。
今回は、6年間で74の経済を分析した論文より、その答えを探ってみたいと思います。

前提

いくつかの研究によれば起業家的活動は経済成長に関連しているというコンセンサスがあるとのことですが、その関係は明確ではなかったとのことです。
何故ならば、経済成長は起業家的活動に加えて、他にも多くの要因と変数が作用するため。
今回の研究では、破壊的な起業家のプラスの影響は考慮せず、一般的な起業家的活動が経済成長に作用するのかと発展途上国での影響を研究しています。

起業家的活動と経済成長の関係性

まず、経済圏によって起業家は異なると指摘しています。高所得国では機会主導型の起業家が多く、低所得国では、必要性に基づく起業家が多いとのことです。また、先進国では起業家精神自体の割合が少ないですが、その中でも必要性というよりも機会に基づく起業家精神の割合は高いとのことです。一方、発展途上国では、起業家的活動の割合は多い一方で、相対的に機会に基づく起業家的活動の割合は低いとのことです。
別の研究によれば、機会による起業家精神は経済発展にプラスであるが、必要に基づく起業家精神は経済発展には長期的には影響を与えないとします。

統計を用いた結論

起業家的活動とGDPの2変数、世界銀行データベースから1195の変数から、統計分析した結論が以下のようになります。
先進国の環境では、起業家精神を促進するものは経済的に有益だが、最貧国では、経済成長を減退させている。
発展途上国では必ずしも新しいビジネスを後押しすることは適切ではないとのこと。

筆者の私見

なかなかセンシティブな内容でした。
必ずしも起業家精神は正しいというわけではないのですね。
つまり、発展途上国では発展途上国なりの戦い方があるだろということですね。
おそらく、経済を国内で回すことよりも、海外企業をどんどん誘致して、外国からの資本を受け入れていきながら、成長させていくことがセオリーなのかもしれません。

In this line, we find support in those authors who discourage promoting entrepreneurial activity in less favoured economies ( Anokhin & Wincent, 2012 ; Valliere & Peterson, 2009 ) and propose to focus on the exploitation of economies of scale, the attraction of foreign investment, or the development of human capital.
By contrast, for developed countries, generic entrepreneurial activity is related to economic growth, and its promotion is useful to increase the wealth of a country.
(google翻訳)この行では、あまり好まれない経済で起業家活動を促進することを思いとどまらせている著者に支持を見つけ(Anokhin&Wincent、2012 ; Valliere&Peterson、2009)、規模の経済の活用、外国投資の誘致に焦点を当てることを提案し、または人的資本の開発。対照的に、先進国では、一般的な起業活動は経済成長に関連しており、その促進は国の富を高めるのに役立ちます。
引用:https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2444883419301913?via%3Dihub

今回の参照元


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?