額賀澪作品、朝井リョウ作品に触れて

額賀澪作品から朝井リョウ作品に渡り、どちらからも凄みを感じたという話です。

〜はじめに〜

額賀澪さん、朝井リョウさん、住野よるさんは若手小説家と分類できる小説家です。額賀澪さんの著書に、この3人はデビュー時期や年齢が近く、額賀澪さんにとって朝井さんと住野さんは競合相手だということが書かれています。

上記のことは、額賀澪さんの「拝見、本が売れません」という本に書いてあります。この作品は、本が出来る過程とそこに存在する人を実体験で描いたエッセイです。

〜額賀澪「拝見、本が売れません」〜

この作品は、出版に関わる様々な仕事内容や思いを知ることができて非常に面白かったのですが、一番印象的だったのは、額賀さん自身が自分の作品を面白いと言っている部分です。その作品は、著書の中では売れていない部類の作品だそうです。しかし、額賀さんは、その作品が大好きで、その作品には自身の思う面白いが注ぎ込まれていて、渾身の作品であることが説明されています。

その一節に感銘を受けました。作品への並々ならぬ思いがその一節にこもっており、本物の思いを感じました。

そして、額賀さんが1990年代生まれであり「灼眼のシャナ」世代、つまり、私と近い世代代であることを知りました。そして、額賀澪さん、朝井リョウさん、住野よるさんが同年代作家であることを初めて知りました。

〜朝井リョウ「スター」〜

朝井リョウさんと言えば、ここ最近、朝井リョウさんの新作、「スター」の単行本が発売されました。Google検索すると、朝日新聞出版社のスター公式サイトがあります。この公式サイトには、あらすじや、作品の一節が掲載されています。

場面の挿絵と共に、作中のキャラクターの台詞などが掲載されているのですが、それらの言葉にグラっと心を動かされました。と、同時に学生時代に朝井リョウさんの作品をいくつか読んだことを思い返しました。若者の内面のリアルをほじくり出して見せつけてくる朝井作品の醍醐味を久しぶりに体感しました。

ここで、不思議に思ったことがありました。それは、作品をまるまる読んだわけでもないのになぜ、抜粋された短文に心を揺り動かされたのかということです。

文字列として捉えれば、同じような言葉を並べることは、誰でも出来そうな気さえしてきます。

同じ言葉を紡いでも、重みや深みが全く違うのです。ギミックは分かりませんが、その重みが朝井リョウ作品の凄みなのではないかなと思いました。

〜終わりに〜

額賀澪さんも朝井リョウさんも紛れもない本物で、多くの人の心を揺り動かしていて、とてもとても偉大なことだなあと思いました。
そして、そういう世界の傍に自分もいることができたらやっぱり楽しいのではないかと、思いました。

ではまた。