新年度到来!!受験キツかったよね……⑨漫画 ブルーピリオド 4巻
この記事は、マンガ大賞2020などのマンガ賞を総ナメし、2021年アニメ化予定の、青春スポ根美術漫画「ブルーピリオド」の内容を、続きが読みたくなるネタバレギリギリのラインで寸止めして紹介することを目的とした記事です。今回は第4巻をご紹介。※ネタバレ要素注意
(完全に未読の方は最下部の第1巻~第3巻レビューをご参考ください。)
★①勝手に一言キャッチコピー
身を焼くほどの青い炎は時として己を蝕む。
揺れ動いた日々。遂に炎はその時を迎える。
★②4巻の内容を2コマで教えて!
遂に東京藝大受験を直前の4巻。
八虎は
メンタルブレイク。からの
合格なんてどうでもよくなってしまいました。
八虎ドロップアウト。というのはもちろん冗談で。
実はこのコマは受験真っ最中のワンシーン。
決してヤケになっているわけではなく、0か1かの不安定なバランスの上で自分の全てをぶつける受験という極限空間において、「作品を創り上げたい」という気持ちが「合格したい」気持ちに勝る瞬間があるということです。
理屈じゃねえ。パッションなんだよってことですね。そんな感じ。
そんな八虎の集大成、東京藝大受験の4巻。
そこにはどんなドラマが待っているのか。詳しくは次章から!
★③八虎最後の課題。ブレイクスルーのきっかけは意外なあの人!?
受験を目前に控えた八虎は大場先生から合否を左右するほど重要な、自身の大きな欠点を告げられます。
それは合格者が必ず持っているもの。生き方すら変えてしまうもの。
なんそれ!?
「自分勝手力」?なんか分かるようで分かりませんね。言い換えればそれは、「楽しんじゃう力」とのこと。
ほう。うーん。まだ、よく分からない。「楽しんじゃう力」が合否にどう影響するのでしょう。
ブルーピリオドを読んだことがある人、以前のレビューを読んだことがある人は分かると思いますが、八虎は実は超真面目マン。
頭も良いので理詰めで考え、課題にぶつかった際にも、頭で咀嚼し理屈を「理解すること」で自分の糧としてきました。まさに真面目な人間の思考です。
そんな八虎にとって「自分勝手力」も「楽しんじゃう力」もすんなり飲み込めるものではありません。
課題に対応 自分勝手に楽しむ… 空気を読まないようにして 不真面目に… 不真面目に?(中略)「矢口はマジメだね」(中略)楽しまなきゃ 本気で楽しまなきゃ意味がな…
出典:ブルーピリオド コミックス4巻 14筆目
八虎の思考は行き詰まります。
八虎は楽しむことを恐れていました。
そんな八虎に解決の糸口を示したのは意外な人物でした。その人は言います。
「八虎は聞き上手で、空気も読めるし相手の欲しい言葉を理解して話してくれる。でも、みんなも八虎の話を聞くのが好きなんだ。」と
これは作中屈指の名言だと筆者は考えます。
八虎の人間性を簡潔に述べて、なおかつそれが欠点でもあることも示し、その上で八虎に救いを差し伸べる暖かみのある言葉です。
これは1巻で八虎が自覚していた、人とのコミュニケーションの取り方とリンクします。
「八虎そんなことないよ」と。「八虎が思っている以上に周囲の人間は、ありのままの八虎を認めているんだよ」と。
「飾らなくていい、ありのままの君が十分素晴らしいんだよ」と。そんなメッセージを感じる台詞です。
では、そんなソウルフルなメッセージを八虎にさずけた人物とは。
それは…詳しくは4巻をご覧ください!
★④全てぶつけろ!いざ本番!ところが、、!?
「自分勝手力」、「楽しんじゃう力」その正体はありのままの自分を認めて自分を信じること、すなわち自信でした。(解釈諸説あり)
一回り成長し、遂に受験の日を迎えた八虎。
東京藝大の試験は毎年変わるうえに、全く傾向が読めない性質の試験です。
八虎たち受験生に出題された今年の試験課題は〇〇〇でした。
それはシンプルな課題。だからこそ受験生の感性、解釈、技術が最大限問われる課題。
そしてこの課題の必須アイテムとして受験生全員に鏡が渡されました。試行錯誤しながらも、着実に手を付けていく八虎。
その時ー
ガンッ!!
予期せぬアクシデントが起こりました。
転倒!!コマも転倒!!
鏡は無残にも粉々に。今年の試験課題にとって、鏡の破損=筆が折れるレベルに致命的な損害。
落胆する八虎は、もうダメかもしれないと思います。しかし、そこにこそ光明がありました。
八虎はあることに気づき、そして快進撃が始まるのです。
ラストスパート!八虎は何に気づいたのか、この窮地をどうやって脱するのか、どんな作品を創り上げるのか。
注目必死なクライマックスシーンです。
★⑤いやあ、絵の世界なめてましたわ、、
毎回、美術に全く明るくない筆者がブルーピリオドを読んで知った美術知識をお届けする≪いやあ、絵の世界なめてましたわ、、≫のコーナー
今回のテーマは「美大受験のハイプレッシャー」です。
コマのキレイどころ3人組は、東美のクラスメート、桑名マキ(左)とその友人A(中央)、友人B(右)です。
受験シーズンでもキラキラしていて余裕あるなあ、、
と思いましたか?
それから数週間後、変わり果てた友人A(真ん中)。
そして、
こう語る、東美のトップランカー桑名マキ。常に好成績の桑名の心にはすさまじい葛藤があったことが4巻では明かされます。
これまで言及されてこなかった桑名マキが掘り下げられているのも4巻の特徴です。
無論、美大受験に限った話ではありませんが、受験とは自分の全てを集約して挑むものです。人生最初の極限状態と言えるのかもしれません。
そんな桑名の心の闇は、意図せずして八虎が拭うことになるのですが、その模様はぜひ4巻をご覧ください。
そして、そんなハイプレッシャーと無縁なのがこの人。
明るっ!そう、大場先生は毎度スバズバ八虎の課題を指摘する人ですが、その性格は明るさの塊。
この空気が読めないのかとすら思ってしまうほどの明るさが、実は4巻の裏テーマ、大人と子どもの対比ではないかと筆者は勘ぐっています。
苦境だからこそ、踏ん張りどころだからこそ、マイペースに楽しく。そんな人生の佳境を乗り越えるためのコツが大場先生と受験生の対比の中に見えてくる気がするのです。
★⑥今週の世田介
今週の田介は受験日当日、八虎と世田介が試験会場前でばったり会うシーンから始まります。
コマは、試験緊張するわーという旨を八虎が世田介に話しかけた際に返ってきた世田介の言葉。
世田介を知っている人なら、このシーンは衝撃的です。なぜなら、普段の世田介はこんなにしおらしくないのです。
(レビュー2巻、3巻⑥参照)
流石に世田介も人の子なんですね。そして受験後。
これでこそ世田介。安心しました。
あとがき
ご覧頂きありがとうございます。
あなたのスキが執筆のモチベーションです。
スキの反響ありました5巻以降についても書きますので、もっとこの記事を読みたいと思ってくださった方、これからアニメ化する話題作ブルーピリオドをおさえておきたい方は、是非スキをお願いします!
ーコンテンツにリスペクトを込めてー
ではまた。
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