見出し画像

GW直前特集〜連作ロングシリーズ入門〜⑩漫画「化物語」1巻~3巻

皆さんGWは何をしてお過ごしの予定でしょうか。私はこれまで手を出せなかった、連作ロングシリーズ漫画、アニメの一気見をしようかなと思っています!

ひぐらし、fate、とある、物語、様々な連作ロングシリーズが世の中にはあります。上記のような連作ロングシリーズ作品が気になるけど手をつけていないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事がそんな「気になってるけど長いし難しそう」と思っていた作品の魅力をシンプルにまとめることで、皆さんの漫画ライフがより充実したものになればと思います。

ということで、今週の魂のアニ漫画レビューは、ロング連作シリーズの代表格「物語」シリーズ「化物語」をレビューします!

※途中で全文読むのは長いと感じた人は、目次から飛んで②④⑤だけ読むことををオススメします!

〇「化物語」とは?

まずは簡単に「化物語」の概要。「化物語」は西尾維新先生の「物語」シリーズ第一作目です。「物語」シリーズは小説を原作としており、発刊されているシリーズはアニメ化されているものだけでも上下含め全15本。すべて〇物語というタイトルになっていることが特徴です。
以下の公式HPの年表をご覧ください。

年表の通り、「化物語」は実は主人公阿良々木暦の高校3年生の5~6月のたったおよそ1か月間のストーリーなのです。しかし、この1ヶ月間で、様々な出来事が起こり、様々な人間模様が展開されていきます。

そして、「化物語」はその後の物語シリーズにまたがる、キャラクター紹介的な位置づけの作品。続々登場するメインキャラクターと怪異に阿良々木が関わっていくサブタイトルごとの単話完結形式です。

化物語」だけでも内容が盛りだくさんなので今回は『ひたぎクラブ』『まよいマイマイ』収録の1~3巻をご紹介!

哲学、神話、民間伝承、バトル、シリアス、コメディ、ちょいエロ、ファンタジー。何でもありのカオスな物語。だけどたしかな青春の1ページ。

①勝手に一言キャッチコピー

『ひたぎクラブ』重くない女にご用心!
『まよいマイマイ』まよいまよわれまよい旅

化物語」は作中の言葉の一つ一つが非常に磨かれているので、本来はキャッチコピーをつけるのも恐れ多い作品ですが、あくまで私のイメージこんな感じ!

作中の台詞回し固有名詞は言語センスが光り、その一言一句がもはや伏線と言えるほどに入念に意味が込められています。読んでいてひっかかった言葉は要チェックです!

②「化物語」1~3巻の内容を2コマで教えて!

『ひたぎクラブ』

からの

イッツソービューティフォー。
元祖ヤンデレこと戦場ヶ原ひたぎビフォー&アフター。

『まよいマイマイ』

からの

イッツソープリティー。この四コマだけ見ると完全にギャルゲーのそれ。
もうお気づきかと思いますが、この作品絵が美麗すぎる。

それもそのはず。実は本作の作画は「天上天下」、「エア・ギア」、「バイオーグトリ二ティ」など数々の作品をウルトラジャンプやマガジンで連載してきた人気漫画家、大暮維人先生その人です。

本作は、超原作の西尾維新×超作画の大暮維人のタッグで贈る、漫画ファン必見の作品なのです!

③メインキャラクター紹介 名前の読み方

阿良々木暦(あららぎこよみ)…
本作の主人公。ある出来事がきっかけで人間離れした治癒力と超人的な身体能力をもつこととなった高校生3年生。

”能動的孤独”をモットーとし、クラスでは周囲との間に壁を作っている。
その割にはヒロインたちとのコメディパートでは非常に明るく終始ポップないじられ役でもある。

非常に優しい性格。自分は人を助けることはできないと言っているが、困っている人に手を差し伸べずにはいられない男。
しばしば持論を展開するが、たいてい引かれる。

戦場ヶ原ひたぎ(せんじょうがはらひたぎ)…
『ひたぎクラブ』のメインヒロイン。本作で最初に登場する怪異に憑かれたヒロイン。高校3年生。学校では周囲と交流せず一人で読書をしている。母親との確執が原因で怪異に関わることになったようだが…

最も特徴的なのは、ヤンデレ的側面。怪異事件解決を経て、阿良々木と距離を縮めるが、基本的にメンヘラでヤンデレ。

阿良々木同様に独特な持論をもつ。(本作のキャラクターはほとんど全員独特な持論を持つ。)

唐突なカミングアウト。
本作はこのくらいのちょいエロは日常茶飯事なのでご愛嬌。

忍野メメ(おしのめめ)…
怪異に関する問題を解決する専門家。胸をはだけアロハシャツを着ている。

どこか適当な立ち振る舞いだが、その実力と、怪異事件の本質を見抜く力は本物。怪異に関わった人間を導く、阿良々木の師匠のような存在。

時に投げかける厳しい言葉が印象的だが阿良々木に負けず劣らず優しい人間。

八九寺真宵(はちくじまよい)…
『まよいマイマイ』のメインヒロイン。阿良々木が公園で遭遇した小学生風の少女。大きなリュックを背負っており、どうやら目的地までの道中で迷子になったようだが…


④ひたぎクラブ

いよいよストーリーの紹介ですが、その前に基礎知識として怪異についてご紹介します。

本作における、怪異はサブタイトルに準じており、ひたぎクラブではクラブ=蟹の怪異と戦場ヶ原ひたぎの話、まよいマイマイではマイマイ=蝸牛と八九寺真宵の話というような構成になっています。

登場する怪異は、基本的には動物の形をとっていますが、その正体は悪魔、神、吸血鬼、幽霊と様々。それらの人間の信仰心や都市伝説によって発生した概念をまとめて本作では怪異と呼びます。

本作初の怪異は、メインヒロイン戦場ヶ原ひたぎとリンクした蟹の怪異です。なぜ蟹?蟹に何の力が?とお思いの方もいるかもしれませんがこの蟹ただの蟹じゃありません。

その正体は、おもし蟹。人の〇〇を奪う怪異です。(ヒントは怪異の名前。それがなくなることで服を着るのも、自分よりはるかに軽い空き缶を蹴飛ばすことも困難になるもの)○○を奪われた戦場ヶ原阿良々木の邂逅から物語は動き出すわけですが、序盤から戦場ヶ原のキャラクターが強烈。

戦場ヶ原は声をかけてきた阿良々木に全身から暗器の如く文房具を取り出し、自分に関わるなと、阿良々木に突き立てます。そしてさんざん脅しをかけたあげくに、口内をホッチキスでバツん。ホッチキス!?

戦場ヶ原の異様な攻撃的性が示されるシーンですが、ホッチキスに対する反応から阿良々木もまた普通の人間ではないことが明かされます。

阿良々木もまた怪異に関わる人間。自身の正体を明かし阿良々木戦場ヶ原は問題解決に向けて動き出します。

いよいよ怪異戦場ヶ原に憑いた経緯が明かされます。曰く、2年前、下校時急に目の前に蟹が現れ…


物語は、戦場ヶ原が蟹に奪われた○○を取り返すことがゴールとなっているわけですが、物語中盤、戦場ヶ原はどうやら怪異にただ○○を奪われたわけじゃないということが示唆されていきます。

忍野から戦場ヶ原へ容赦のないセリフ。この言葉の意味は?どうやら忍野は真相が分かっているようだが…

徹頭徹尾シリアスな話が続きますが、阿良々木のキャラクターがシリアスさを緩和します。蟹の怪異に吹き飛ばされた戦場ヶ原を助けようと飛び出すと

このさまである。

謎に次ぐ謎、ド迫力シーン、コメディとシリアスの行ったり来たり、その果てに明かされる真相をぜひその目でご覧あれ!

⑤まよいマイマイ

まよいマイマイのヒロインは八九寺真宵。物語は阿良々木戦場ヶ原と公園にいる折、迷子風に地図を眺めている真宵を見かけるところから動き出します。阿良々木が声をかけると、

真宵の第一声。辛辣ですが、実はここからすでに伏線です。

完全に拒絶されたことにも懲りず、半ば無理やり真宵の迷子を助けようとする阿良々木。徐々に真宵の警戒心もほどけていきます。

日常自販機。少し大人ぶりたい小学生。

無邪気な小学生らしい一面。

かくして、真宵の目的地まで向かう一向。しかし、なぜかどうやっても目的地には着けません。ここで、どうやらこの一件に怪異が関わっていることが明らかになります。

からの

豹変!!応戦!唐突なバトル!?

それをクラスメートに見られていた!?

展開に次ぐ展開。謎を抱えながら、物語はさらなる展開へ!

なにがなにやらの急展開ですが、真相が明かされたときに必ず全てが繋がります!この続きはぜひその目でたしかめてください!

⑥化物語の構造 誰が被害者で誰が加害者か?

化物語の非常に面白いポイントは、怪異を巡る話が全て一筋縄ではいかない点です。物語の端々に伏線が織り交ぜられており、ほとんどの物語が想像できない展開に発展していきます。

そんな本作では、誰が被害者で、誰が加害者かという視点が重要になってきます。巡り巡るどんでん返し、ストーリーの転換、白が黒になる瞬間。
本作は最低でもサブタイトルごとに2周することを推奨します!筆者は3周してやっと各ストーリーが掴めました!

分かったときの全てが繋がる感覚はココでしか味わえない爽快感!ぜひ、本作の深みを味わってみてください!

あとがき

ご覧頂きありがとうございます。
最近はブルーピリオドの巻ごとレビューが中心のこのブログですが、今回はGW真近ということで、長めの連作シリーズもののご紹介でした。

「物語」シリーズは沼ですね…ちょっと難解なだけに、読み込むとドハマりします…少なくともコミックスは全巻分買ってしまいそうです(笑)

今回の記事にスキの反響がありましたら、「物語」シリーズも本格的に取り上げていこうと思います。

この記事が面白い、漫画ライフ向上になにかしら役に立ったと思いましたら是非スキをおねがいします。

ーコンテンツにリスペクトを込めてー

ではまた。

この記事が参加している募集

コンテンツ会議

マンガ感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?