しょっぱい選挙

　皆さん、こんにちは。１票の重みは１票分。木賃ふくよし(芸名)です。
　はい。先日、6票差で当落が決定した選挙がありまして。ええ。

　ここで、１票の重さを思い知った。
　自分の投票の重みを知ったのだ。

　１票の重さは１票分だと。

　こーゆーツイートを見かけましてね。ええ。

６票差で当落が決まるなんて。やっぱり、自分の１票に大した価値はない、なんてそんなことはないんだよ。その１票があれば、結果が、未来が、変わっていたかもしれない。

— ぽつり (@Potsuri_Potsuri) July 4, 2021

　待て。

　１票の価値は、１票分しかない。

　１票の重さは１票分だと思い知って欲しい。

　いいか。

　レモン１個に含まれるビタミンCはレモン１個分だ。

　いや、正確に言うと、レモン１個に含まれるビタミンCはレモン４個分なんだけど、これはちょっと話が違う。

　日本文部科学省の食品成分標準表では、レモン果汁100gあたりのビタミンC含有量は50mgである。そして、レモン果汁はレモン1個のうちの30%だ。
　ここからレモン1個の重さの120gを基準として考えると、レモン1個の果汁に含まれるビタミンCは20mgとなる。俗に言う「レモン１個分のビタミンC」にはこの基準が使用されている。
　だが、果実丸ごとのビタミンCとなると、果汁のみのビタミンCの量とは当然異なる。レモン丸ごと(可食部のみ)に含まれるビタミンC含有量は、レモン1個の重さを80～120g程度として考えると80～120mgだ。
　以上により、レモン１個分(の果実丸ごと)に含まれるビタミンCは、レモン４個分以上(の果汁)の量にだいたい相当する。

　ハッキリ言う。

　その１票があったら、

　５票差で落選になっただけなのである。

　もっとハッキリ言う。それで選挙に行った奴がいたとするなら、対抗馬にも１票が入っている可能性が高いので、６票差は変わらないのである。

　可能かどうかは知らないが、対抗馬の支持者をこちらに寝返らせれば、+1,-1で４票差になっていた。

　うう〜ん！ デッドヒート！！

　ま。結局、落選してるけどね。

　誤解なきように言うと、選挙には行くべきである。行った方がいい。ワタクシは「白紙投票でもいいから！」と言う意見には賛成しないが、一応、選挙には行くべきだと言っておく。

　自分の１票で未来が変わるなんてのは夢想でしかないが、変わるかも！という思いで投票率が上がるなら、それはそれで良い事なのである。

　ただし、１票の重みは１票分の重さしかない。
　この６票差の当落だって、負けた側には惜敗だろうが、勝った側には大勝利なのである。

　少年漫画的には、指先ひとつで圧勝するか、満身創痍でやっと倒せるかの差だが、現実は無情で、当落の２つしかない。圧勝も惜敗も当落の差でしかないのだ。

　あと、悪いけど、

　投票率が上がれば、
　選挙の結果が変わる！

　なんて嘘ですから。

　だいたい野党側が投票率が上がれば選挙結果が変わる！なんて解説を、特に浮動票や投票率なんかの数字を交えて、もっともらしく説明していますが、

　嘘です。

　選挙ってのは
　塩水なんです。

　※ タイトル回収だね！ やったね！

　ビーカーに入れた１リットルの水に10gの塩をしっかり溶かしました。
　これで約1%の塩水ですね。理系的にはもっと細かい条件付けが必要なのでしょうが、理系じゃないのでアバウトに行きます。

　では、質問です。

　スポイトでビーカーの底から10mlと、表面から10mlの塩水を取り出しました。

　塩水の濃度は、上部と下部で差が出るでしょうか？

　はい。そうです。
　答えはＮＯ。

　どこから取っても1%の塩水なんです。

　選挙もこれと同じ。統計を取るに足りる得票数があれば、結果は「まず」変わりません。変わらないんです。選挙でよく見る、

　開票率1％で当確！

　ってのはコレ。ワタクシも今までTwitterで色んなアンケートを取ったりした事がありますが、残念ながら、100票を超えたら、まず逆転現象は起きない。200票でほぼ動かないのである。変化しても大きくて3％ぐらい。
　確かに、3%変化すれば、3位と4位が入れ替わるぐらいなら「稀」にあるけれど、その程度。←Twitterのアンケートは4項目までなので。
　今まで、１位と２位がデッドヒートで抜きつ抜かれつを繰り返し、、、！！ なんて事は一度もなかった。

　その場でアンケート結果が見えるTwitterでもそんなもんである。←接戦なら、RTして新たな投票者を誘える。

　※ 面倒なので割愛するが、比例代表、大小選挙区などシステム上の問題はあるので、一概には言えない。(米国大統領選挙みたいに総得票数で勝っても敗北するなど) そこは政治屋(≠政治家)の腕の見せ所ではあるし、投票者も把握した上で投票すべきではある。せめて、得票数で勝つのか、当選者数で勝つのか、ぐらいはね。

　で。冷静になって考えて欲しい。
　１票の重みは１票分だと言ったが、残念な事に、投票者が増えれば増えるほど、１票の重みは軽くなるのである。

　いや、この言い方はフェアではない。これだと数字を使った騙しのようになるので、もう少しちゃんと説明しよう。

　投票に行ってない人の支持比率も、
　行った人の比率と変わらないのだ。

　もっとシビアな言い方をしよう。今の政治に不満がある人ほど、投票に行っている。
　別に今のままでいいや、って人ほど、投票しないのが現実なのである。

　つまり、投票率が上がれば上がるほど、水が開く可能性さえあるのだ。

　無論、野党支持者が「投票しても、どうせ負ける」と諦めているケースはある。
　しかし、それ以上に「投票しなくても、どうせ勝つ」と舐めプされているのだ。

　繰り返して言うが、ワタクシは投票に行くべきだと思う。そもそも義務ではないから、誰にも強制力はない。だから、行くべきだと思う。
　しかし、１票の重みは１票分でしかなく、投票率が上がるほどに、１票の重さは、等しく軽くなる。だがそれでも、選挙結果は１票の積み重ねなのだ。
　だから、投票に行くべきだと思う。そう。自分の１票で世界が変えられるかも、なんて夢想ではなく、積み重ねの１枚として、参与すべきなのである。
　したがって「白紙投票でもいいから」という意見には賛同しかねる。反対するほどではないけど、「選挙に行かない」と大差ないと思うからだ。うん。大差ないから、反対するほどでもない。賛同はしないけど。

　さて。ワタクシがここまで色々書くと、投票に行くべきとか言ってる割に、

　ヽ(´ー｀) 行かなくても一緒だろ。

　と受け取る人が多い事と思う。いいえ。違います。逆です。行ってください。

　ガンガン投票して、
　１票の重みを
　下げてください。

　何言ってんだ？ (´･Д･)」コイツ。
　とお思いかも知れませんが、危ないのは投票率が下がりまくる事です。投票率が下がる＝１票の重みが増す＝少人数の決定権が増す、という事です。要するに、

　組織票を持つ
　カルト集団が
　議席を取っちゃう
　可能性が上がるのだ。

　泡沫候補が駄目だと言うつもりはないが、一定数は確実に、愉快犯的候補者が出てくるし、それに投票しちゃう人もいる。それが悪いと言うつもりもない。
　しかし、そーゆーのが議席を取らないようにするためには、ガンガン投票して、１票の重みを下げる必要があるのである。

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　なお、この先にはこれまでの話が台無しになる事しか書かれてません。