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ドリーミンドリーミン


 皆さん、こんにちは。民度とか品格って言葉を口にした瞬間、民度も品格も地に堕ちる、と思う、木賃ふくよし(芸名)です。

 ええ。民度が低いとか、品格が求められるとか口にした時点でもう負けだと思うんですよ。
 いわゆる、


 アホ言う方がアホなんじゃアホ。


 ゲッターロボばりのトマホークブーメランですよ。
 誰かの品位だの品格だの民度だのを嘲笑った瞬間、そいつの品格なんてのは最も蔑まれる所にまで落ちる訳です。
 だからワタクシはなるべく、品格だの民度だのって言葉を使いたくないと常から思っている。無論、わざと使ったり、使わざるを得ない場面もあるだろう。

 今日がそれである。


 知人が遊びに来たので、ついでにラーメンでも食べに行こう、と言う話になった。ワタクシはうどんをオススメしたが、知人が香川県帰りだったのでラーメンに変更。
 ワタクシ自身はラーメンより、うどん・蕎麦派だが、今回のゲストは知人の方なので、そこはリクエストに応じることにした訳だ。うむ。民度が高いからね。

 あっさりしたラーメンか、こってりしたラーメンかを問うと、こってり系をご所望である。
 ふむ。夏の炎天下というのもあるので、候補を近場から三店舗に絞り込んだ。
 この中で、一店だけはまだ行った事がない店なのである。

 知人に「何度か行った事がある安定の店」「いつも客が行列をなして並んでいるけど、まだ行った事がない店」のどちらがいいかを尋ねてみた。

 「まだ行ってない店」という返事。うむ。ワタクシはさほどラーメンにこだわりがないし、そもそも並んでまで食いたいモノって何だろうと疑問に思うタイプである。
 こんな、他人を巻き込んだ機会でもなければ、行列のできるラーメン屋なんかには絶対に並ばない。


 今、ワタクシはまさに機を得たのである。


 早速その店に行ってみると、すでに行列ができている。
 その数、5~6人(自分たちを含めて7〜8人。我々の後ろにも、すぐ6〜7人は並んだ)と言うところか。店内はすでに満席。こりゃ、しばらく時間はかかりそうだが、もっと長い列をなしている事もあるので、コレぐらいなら短気なワタクシでも耐えられそうである。
 とは言え、店内は店主が一人で切り盛りするタイプの小さい店だ。提供時間の関係で、回転は決して早くない。


 そして、真夏の炎天下である。


 暑い。これはなかなかに厳しい日差しである。
 すると、行列の先頭側にいた男が、



 道路に座りだした。



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 いわゆるジベタリアンである。




 おそらく連れと思われる男性に、道に座り込む事をたしなめられるが、男は「何が悪いんだ」という風に耳を貸さない。
 男はマスク越しでわからない上、若白髪だったら申し訳ないが、年齢40歳前後に見える。連れの方は30歳前後。
 会話の流れや口ぶりからすると、「このラーメン屋の常連として知り合い」みたいな関係だろうか。
 まあ、いずれにせよ、


 (´°皿°)」 民度が低い。


 個人的にこーゆーの、許し難いわ。度し難いとはこの事か。こーゆー言い方は嫌いだけど、いい歳したオッサンが何やってんの、と。無職のおっさんであるワタクシが言えた立場じゃないけど。


 (´°Д°)」 あ。道路に寝転がった。

 (´°Д°)」 信じられんわ。


 まあ、寝転がった時に走ってきた車に轢かれてしまえばいいのに、とは思ったが、ここは一言物申すべきか。結構考えたが、今は知人が一緒である。揉め事になるのは避けた方がいいだろう。我慢我慢。
 そもそも、この辺の土地は昔からガラが悪く、ヤンキーが多い事で知られている。

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その店の室外機の上に捨てられたペットボトル。


 いかにも昔はヤンチャしてました、ってタイプの人種が多いのは今に始まった事じゃない。
 ここで耐え難きを耐えねば、自らの民度の低さを晒す事になるぞ。ワタクシは自分に言い聞かせ、心を鎮めた。


 そして、時が流れ、地座り男は店内に入っていった。

 そして更なる時が流れ、我々も店内に入った。


 店内は5席ほどの小ぢんまりした店で、店主が一人で切り盛りしている。
 我々は運良く、ほぼ同タイミングで入店。隣の席になったんだけど、



 地座り男 ・ 知人 ・ ワタクシ ・ 客A ・ 客B


 (´°Д°)」まだ地座り男が店内で食ってるよオイ。



 間に1回転分、五人の客はいたような気がするんだけど?

 いや、食べるのがゆっくりな人はいる。それを悪く言うのは良くない。うん。地べたの件でイライラしてるからと言って、食べる速度にまでケチを付けるのは良くない。我慢我慢。、、、って、


 (´°Д°)」 何回も水をお代わり(セルフ)して、忙しそうにしてる店主を捕まえてベッチャクッチャベッチャクッチャ喋ってるよオイ。

 (´°Д°)」 喋ってるヒマがあるならはよ食え!


 ちなみに店の外にも中にも色んな張り紙がされていて、店主から客への注意がなされている。いわゆる頑固オヤジ系の店なのであろう。確かに、客に対してぶっきらぼうに「まだ座らないでください」とか面倒臭そうに指示を出している。
 しかし、店側の言い分は大概真っ当なので、まあ、当然と言う感じだろうか。特にややこしい頑固オヤジの店って感じでもなさそうだ。
 少なくとも、この地ベタ男よりはややこしくないし、こんなややこしそうな男を客として迎え入れているんだから、意外と受け入れ幅は大きいのかも知れない。
 逆に言えば、地ベタ男を受け入れてるんだから、頑固じゃないかも知れない。


 食うの遅い。偉そう。常連ヅラ見せびらかす系。


 店主も忙しそうなのに、他の客に聞こえよがしに、


 ( ´∀`) 「〇〇さん、最近来てる〜?」


 とか言っちゃう系である。
 こーゆー客は割と我慢ならんし、それを許してる店主も何が頑固なのか、とか思ってたが、地ベタ男の帰り際、至ってナチュラルに、



 (・Д・)9m   「次、そんな感じの態度だったら、もう来なくていいから」



 って素で言われてて、食ってるラーメン噴きかけた。



 ( ´∀`)ゞ「いや〜、そんな〜、またまた〜」




 みたいな感じで笑って誤魔化そうとする地ベタ男。



 (・Д・) 9m 「来てくれなくていいから」



 って言う店主。さっきより声のトーンが低い。



 ( ;´Д`)ゞ 「あ。ごめんごめん。気を付けるから」



 って水戸黄門に出て来る悪役みたいに態度を変えて、逃げるように店を出ていった。なかなかに胸のすく光景である。
 そう言えば、店主の計らいで、わざわざ知人の隣の席を空けてもらったりと、ぶっきらぼうながらも気の回せる店主のようで、非常に好感度が上がった。


 うむ。


 まあ、
 ワタクシは濃いラーメンってそんなに好きじゃないから、再訪はないと思うけど。
 並ぶのも嫌いだし、そもそも蕎麦うどん米派だし。



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 なお、この先には、この直後に起きた事件と、ラーメンのレビューが書かれています。


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(´・Д・)」 文字を書いて生きていく事が、子供の頃からの夢でした。 コロナの影響で自分の店を失う事になり、妙な形で、今更になって文字を飯の種の足しにするとは思いませんでしたが、応援よろしくお願いします。