好きな小説家で自己紹介


 皆さん、こんにちは。文字大好き、木賃ふくよし(芸名)です。
 さて。ワタクシは自己紹介ってのがあまり好きじゃない。

 皆、履歴書とか嫌う割に、SNSの自己紹介とかガンガン書くよね。割と意味わからん。

 ワタクシの人生なんて薄っぺらいモノですが、皆さんだって、それでも履歴書の一枚に書き込めるほどペラい内容じゃないでしょうよ。
 そりゃ、学歴で言うとワタクシ中卒なんで、書く事は少ないですけども。ええ。

 基本的に、漫画家さんなら漫画を、イラストレーターならイラストを、エッセイストならエッセイを、小説家なら小説を読んで判断したいのだ。

 小説家の小説を出身大学で評価するのか? イラストレーターの技術が職歴で測れるのか? 漫画家の誕生日を知ったら面白さが変わるのか?
 受賞作がなきゃ面白くないのか?

 だから、自己紹介ってのはあまり好きではない。

 しかし、自己紹介の1つでもないととっつきが悪いと言う意見も理解できる。
 自己紹介を書くことによって誤解される事もあろうが、それは漫画家が、自身の漫画で誤解される可能性とさほど変わらない。

 イラストが得意で話し下手な人の自己紹介ってのは誤解を招きやすいかも知れないが、幸いと文章は得意分野である。
 かと言って、普通の自己紹介もつまらないので、自分の好きなものを並べて自己紹介の挨拶がわりにしてみることにした。まずは、小説家編といこう。以下、敬称略。


 船戸与一

 ワタクシが最も敬愛する作家である。ジャンルは冒険・ハードボイルド・アクション・バイオレンス・諜報物と言ったところか。
 「ゴルゴ13」の原作の一部を担当した作家でもある。ゴルゴ13をご存知なら、ジャンルの方向性はご理解いただけたと思う。
 血湧き肉躍るとは船戸作品のことであろう。オススメ作品は多くなるが、
 「夜のオデッセイア」
 「黄色い蜃気楼」

 の2作。次点で「猛き箱舟」「緑の底の底」「蝦夷地別件」あたりだろうか。
 テイストが合うかどうかを試したいなら、取っつきやすい「カルナヴァル戦記」やソフト路線なら「虹の谷の五月」がオススメ。
 いや、「伝説なき地」も前半はクソ面白いし、「神話の果て」もプロローグとエピローグは神懸かってると思う。「山猫の夏」とか「蟹喰い猿フーガ」も、、、と言い始めたらキリがないので、この辺で切り上げよう。

 夢枕獏

 世間的には「陰陽師」の原作者と言えば通りは良いだろうか。
 当時はまだ「ライトノベル」なんて言葉はなかったが、ワタクシにとって、夢枕獏は大人向けのライトノベルだった。
 だが、風呂敷を広げ過ぎ、畳む前に続刊ペースが落ちるのが夢枕獏である。面白いが、完結しない。完結しないが、最初から続刊はないものとして読めば問題はない。
 中でも、「餓狼伝」の一巻は、一巻で終わるとするならば名作だ。続きも面白いんだけど、終わってくれないんだよ。
 「サイコダイバーシリーズ 魔獣狩り」も、最初の三巻で完結だ!と自分を信じ込ませれば名作である。ただし、そうすると名キャラクタ「毒島獣太」と「ひるこ」に会えないので、続きを読まざるを得ないが、読んでしまうと「新・魔獣狩り」が、、、というジレンマに陥る。
 「幻獣少年キマイラ」も面白いが、やはり終わらない。
 そんな訳で、本当の意味でオススメは「牙の紋章」です。

 筒井康隆、小松左京、フィリップ・K・ディック

 あと、星新一とかアイザック・アフモフ、アーサー・C・クラーク、ハインライン、、、SFの大御所は基本的に好きです。大好きです。完成度が高い。名作、金字塔と呼ばれるだけあって、まあ、ハズレがない。
 今更ワタクシが紹介するまでもないが、筒井康隆なら「家族八景」→「七瀬ふたたび」がオススメ。ディックは「高い城の男」、小松左京は「ゴルディアスの結び目」、アシモフなら「鋼鉄都市」、クラークなら「幼年期の終わり」、ハインラインだと「輪廻の蛇」あたりがオススメだろうか。
 星新一はショートショートなんで、初めはどれでもいいかな、と。ただ、SF好きに敢えて薦めるマイナー作品はなかなか難しい。
 強いて言うと、K・グリムウッドの「リプレイ」ですね。ご存知の方も多いかと思いますが、傑作です。
 まず知られていない傑作としては、小林めぐみの「まさかな」です。

 島田荘司

 ミステリも金字塔と呼ばれるものは基本的に好きです。個人的には、解答に至るヒントはすべて提示された上で、それでも真犯人がわからないミステリが好きです。なので、ベタベタではありますが、島田荘司の「占星術殺人事件」は名作だなあ、と。まあ、金字塔と言われるものはだいたい好きです。別にクリスティも好きだし、東野圭吾の舞台設定も好きです。オチは問うなかれ。
 ミステリ好きにイマイチ知られてないのが、連城三紀彦ですかね。オススメは「どこまでも殺されて」と「わたしの変奏曲」です。
 北川歩実の「僕を殺した女」もオススメです。

 J・アーヴィング

 文学的な所では、J・アーヴィングが好き。「ホテルニューハンプシャー」が好きですね。映画版も良い出来です。倉橋由美子、坂口安吾、谷崎潤一郎、梶井基次郎なんかも好き。流石に名作とされてるだけあって、文豪の作品はハズレが少ない。
 実は村上春樹も普通に好きなんですが、ハルキストが面倒なので、あまり言わないようにしている。

 片岡義男

 洒落た所では片岡義男なんかも好きですね。深過ぎない、軽過ぎない感じとか好きです。正直、長編はイマイチ。短編をちょいちょい読んで、気に入ったら続けて読む感じ。神津カンナなんかもそれかな。

 シェイクスピア、西村寿行

 ワタクシが悲劇、バッドエンド、復讐劇、救いのない話、世界の理不尽などを好むようになった一因は、確実にシェイクスピアの影響が大きい。子供の頃から救いのない「リア王」が大好きで、「タイタス・アンドロニカス」でトドメを刺された。船戸与一や西村寿行、マック・ボランシリーズを好むのはシェイクスピアの所為だと思っている。もしくはチャールズ・ブロンソン。

 他にも色々いる。菊地秀行、平井和正、池波正太郎、開高健、スティーブン・キング、曽根綾子、ライダー・ハガード、ジャンルはバラバラで、恋愛物以外は基本的に何でも好きだ。挙げればキリがない。多過ぎて何を書けばいいのかわからないレベルだ。書き忘れてる人が山ほどいるけど、あとは必要な分を思い出したら書き足そう。

 あと、どうしても書かねばならぬのはジュール・ベルヌ。「海底2万マイル」はワタクシにとっての原点とも言える。

 そして、確実に書かねばならぬのは、

 隆慶一郎

 「北斗の拳」の原哲夫が漫画化したことで知られる「花の慶次」の原作者、という紹介が一番妥当であろうが、ハッキリ言う。別物だ。
 「花の慶次」はあれはあれで面白いし、他の隆慶一郎作品からも色んなエピソードが使用されており、隆慶一郎作品と言えなくもないが、空気が別物である。あくまで「花の慶次」は原哲夫作品と言うのがワタクシの見解である。
 「必殺仕事人」にも一応、池波正太郎のクレジットがされているものの別物。それぐらいの差を感じる。
 ワタクシの価値観を変えた作家の一人、それが隆慶一郎だ。
 オススメは「吉原御免状」からの「かくれさと苦界行」である。特に「かくれさと」は何度も読み、その都度、目頭が熱くなるほど好きだ。なお「吉原御免状」の続編が「かくれさと」なので、注意されたし。
 ただし、隆慶一郎作品に触れた事がない人には「鬼麿斬人剣」がオススメ。これぞ時代活劇。かつ、一冊で綺麗に終わっているので安心して読める。
 脚本家・池田一郎としての活動の方が長く、わずかな作家生活で、多くの作品(未完成を含む)を書き、そして死んでしまった。
 ワタクシにとっては船戸与一と隆慶一郎の存在は大きい。

 なお、亡くなられてしまったので、新刊が出ることはないため、安心して蒐集できるのもポイント。ただし、未完の作品もあるので注意が必要。


 あと、本屋でも古本屋でも、


 隆慶一郎の棚に、
 峰隆一郎の本が
 置かれてあったり


 するため、要注意。


 (´°Д°)」 えっ!? 書きかけの原稿が発見されたの!?


 と、何度も騙された経験がある。

 ホント要注意。



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(´・Д・)」 文字を書いて生きていく事が、子供の頃からの夢でした。 コロナの影響で自分の店を失う事になり、妙な形で、今更になって文字を飯の種の足しにするとは思いませんでしたが、応援よろしくお願いします。