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【ざっくり解説】カントについてのnote一覧

本ページでは、私が執筆したカントについてのnoteが一覧できます。

『判断力批判』

『判断力批判』では「美とは何か」と「崇高は何か」といったトピックが扱われます。そのため美学に関心がある方が読むことになる本でしょう。

加えてタイトルの通り「判断一般」についての考察も展開されるため、「判断とは何か」というトピックに関心がある方も参照することになるのではないでしょうか。ただし判断一般の理解については『純粋理性批判』と『実践理性批判』の構図がある程度頭に入っていないといけないというとんでもなく高いハードルがあります。

『判断力批判』におけるカントの「美」の概念について知りたい方はこちら

『判断力批判』におけるカントの「崇高」の概念について知りたい方はこちら

※私は熊野訳で読みました。
イマヌエル・カント『判断力批判』熊野純彦訳、作品社、2015年

※関連図書
小田部胤久『美学』東京大学出版会、2020年

宮﨑裕助『判断と崇高―カント美学のポリティクス』新潟大学人文学部研究叢書、2009年

 星野太『崇高の修辞学』月曜社、2017年

『純粋理性批判』読解用メモ ※作成中!

『純粋理性批判』の目的は、理性が考えられることの限界を定めることによって「学問としてはここまでは確実に言える」というラインを明確にすることです。なぜラインを引かなくてはないならないかというと、人は理性を用いることで、感覚的に経験していないことも「なんで?」という問いによってどこまでも思考することができてしまうからです。
理性で考えられないのは、例えば「神、自由、不死」の存在です。平たく言えば、「そいつらってあるの?ないの?」といったことです。
カントは、理性的な認識によってもたらされる「知(Wissen)」と各人の主観にゆだねられる「信仰(Glauben)」を区別します。

  • 信仰(Glauben)
    主観的には確信が持てるものの、客観的には確実ではない

  • 知(Wissen)
    主観的にも確信が持て客観的にも確実である

『純粋理性批判』は、「"知"が成り立つ条件」を探る書であり、信仰に属するトピックついてはその他の著作で扱われることになるのです。

※私は原訳で読んでいます。
イマヌエル・カント『純粋理性批判』原佑訳、平凡社ライブラリー、2005年

 ※関連図書
御子柴善之『カント 純粋理性批判 シリーズ世界の思想』角川選書、2020年

『実践理性批判』

『実践理性批判』は、人は「何をなすべきか」という倫理や道徳といったトピックに関心がある方が読むことになる本です。哲学の古典を精読することによって哲学的な問題に取り組むというスタイルの哲学史研究のみならず、哲学的トピックを論証という方法で追究する現代哲学(分析哲学)の倫理学においても、このカントの義務論は避けられないでしょう。
つまり、「カント大好き」「カント読みたい」という方以外にも、広く倫理学一般について関心のある方が、この『実践理性批判』を参照する可能性があるということです。

カントは”自由”を重視します。その自由は「やりたいことをやる自由」ではなく、「自分がやらなければならないことを為す」という使命感に溢れた自由です。

イマヌエル・カント『実践理性批判―倫理の形而上学の基礎づけ』熊野純彦訳、作品社、2013年

 ※関連図書
秋元康隆『いまを生きるカント倫理学』集英社新書、2022年

カントの入門書・解説書、その他解説

以下のnoteでカントの概要を知ることができます。

 私は本書で「カントって何者やねん」「カントって難しいらしいけど、どういう思想なの?」という疑問をざっくり解消しました。

石川康之『カント入門』ちくま新書、1995年

 ※本noteは定期的に更新します。

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